カナダ新聞放送業界、メタのニュース配信停止で調査要請

　８月８日、カナダの複数の新聞放送業界団体は、メタ・プラットフォームズがカナダ国内でフェイスブックとインスタグラムの利用者向けにニュース配信を停止した問題について、競争当局に調査と配信停止の解除を共同で要請した。写真はメタのロゴ。ブリュッセルで昨年１２月撮影（２０２３年　ロイター／Yves Herman）

［オタワ　８日　ロイター］ - カナダの複数の新聞放送業界団体は８日、メタ・プラットフォームズがカナダ国内でフェイスブックとインスタグラムの利用者向けにニュース配信を停止した問題について、競争当局に調査と配信停止の解除を共同で要請した。

カナダでは６月、ニュースコンテンツの共有や再利用を行う企業に報道機関への使用料金支払いを義務化した「オンラインニュース法」が成立。年末までに発効する見通しになっている。

メタはこの対抗措置として先週、利用者向けニュース配信の停止を始めた。

業界団体側は競争当局への申立書で「メタはデジタルプラットフォームからニュースコンテンツを遮断すると決めたことで、カナダの報道機関のニュース配信およびオンライン広告市場における実質的な競争力を損なおうとしている」と主張した。

その上で「メタの反競争的な行為は広告とソーシャルメディアのコンテンツ配信で既に優越的な同社の地位をさらに強化し、カナダのジャーナリズムに弊害をもたらす」と訴えている。

競争当局の広報担当者は、業界団体からの申立書を受け取ったことを認め、現在は予備的な調査の段階に入っていると述べた。

メタの広報担当者は、オンラインニュース法はメタがプラットフォームにおけるニュース共有で不当な利益を得ているという間違った前提に基づいている、と記した先週公表の声明に改めて言及した。