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情報BOX:北朝鮮、海軍強化の狙い 水中ドローンに新型潜水か

ロイター / 2023年9月11日 12時30分

  9月8日、 北朝鮮はこの1年、水中ドローン(無人艇)や各種艦艇など核搭載可能な新型兵器を開発して海軍を強化する動きをみせており、初の戦術核攻撃潜水艦を進水したことを明らかにした。写真は同潜水艦の進水式とされるものに出席する金正恩朝鮮労働党総書記ら。KCNAが同日配信(2023年 ロイター)

Josh Smith

[ソウル 8日 ロイター] - 北朝鮮はこの1年、水中ドローン(無人艇)や各種艦艇など核搭載可能な新型兵器を開発して海軍を強化する動きをみせており、8日には初の戦術核攻撃潜水艦を進水したことを明らかにした。

北朝鮮の海軍は歴史的に陸軍に比べて規模が小さく、急激に進む弾道ミサイル開発計画の影に隠れていた。

一方で金正恩朝鮮労働党総書記は最近、海軍は北朝鮮の核抑止力に重要な役割を果たすと述べており、こうした取り組みが海軍幹部の支持確保や国威発揚にもつながる可能性があるとアナリストは見ている。

カーネギー国際平和財団のアンキット・パンダ氏は「金正恩氏はつい最近まで海軍の核開発計画をほとんど気にかけていないようだった。最近になって海軍の核能力に再び焦点が当てられるようになったことは海軍に歓迎されそうだ」と述べた。

北朝鮮の海軍について、これまでに明らかになっていることや最近の動きをまとめた。

<北朝鮮海軍の軍備>

韓国の2022年版国防白書によると、朝鮮人民軍の海軍は誘導ミサイル艇、魚雷艇、小型哨戒艇、火力支援艇など約470隻の水上艦艇を保有している。

潜水艦はソ連時代のロメオ級や小型潜水艦など約70隻。約40隻の支援艇と250隻の揚陸艇も保有している。

海軍の指揮系統は北朝鮮の東海岸地域と西海岸地域の2つに分かれており、部隊の約60%が平壌の南方に配備されていると白書は分析している。「北朝鮮海軍はいつでも奇襲攻撃を行う能力を保有している。しかしその戦力が主に小型高速艇で構成されているため、深い海の中での作戦能力は限られる」という。

<海軍の新兵器>

北朝鮮は3月と4月に核兵器を搭載可能な水中無人艇の実験を行った。国営メディアによると「ヘイル(津波)」と名付けられたこの新型艇の任務は、敵海域で奇襲をかけ、水中爆発によって敵海軍の攻撃能力と主要作戦港を破壊することだという。

アナリストの話では、この兵器運用の基本的な考え方はロシアの核魚雷「ポセイドン」に類似している。

しかし、米ワシントンの北朝鮮分析サイト「38ノース」がまとめた当時の報告書を読むと、ヘイルは航行速度が遅く、射程距離も限られているため、目標までの到達時間、精度、殺傷力の面で、北朝鮮が開発済みの核搭載弾道ミサイルや巡航ミサイルに比べて能力がかなり劣るという。

金総書記は8月、新型のアムノク級コルベット艦を視察した。国営メディアはこの艇が核巡航ミサイルを発射できると伝えた。

海軍専門メディアのネーバル・ニュースは「搭載されている兵器やセンサーの大半は西側やアジアで設計されたものと比較して著しく時代遅れだが、北朝鮮にとっては大きな前進だ」と分析。核巡航ミサイルの能力は潜在的な敵国にとって「形勢を一変させる」可能性があると指摘した。

北朝鮮は8日、初の「戦術核攻撃潜水艦」の運用を開始し、東部艦隊に配属したと発表した。この潜水艦はロメオ級潜水艦を改造したもので、10基の発射管ハッチを備え、弾道ミサイルや巡航ミサイルを装備している可能性が高い。

韓国政府関係者は、この新型潜水艦は完全には機能しない可能性があると述べたが、詳細には触れなかった。

アナリストによると、核搭載可能な無人艇と同様に、実戦での使用は陸上ミサイルに比べて限られそうだ。

元米政府の兵器専門家で38ノースのバン・ヴァン・ディーペン氏は「北朝鮮の潜水艦は陸上戦力ほどには生き残れないだろう。そして大きな戦果を生むのに十分な数のミサイルを海上に配備するのは難しい」と話す。

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