日本のESG投資、目立つ「ボランティアの延長」の声=日銀論文
ロイター / 2020年7月16日 13時26分
日銀は16日、ESG(環境・社会・企業統治)投資を巡る日本の機関投資家の動向についての調査論文を発表、日本の機関投資家は欧米と目的意識が異なり、ボランティアの延長といった程度の意識で取り組んでいるところも少なからずあったとした。日銀本店で5月撮影。(2020年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
[東京 16日 ロイター] - 日銀は16日、ESG(環境・社会・企業統治)投資を巡る日本の機関投資家の動向についての調査論文を発表した。その中で、日本の機関投資家は欧米と目的意識が異なり、ボランティアの延長といった程度の意識で取り組んでいるところも少なからずあったとした。ESG投資の金銭的リターンに確信が持てないなど、機関投資家が抱える課題も紹介した。
ESG投資は欧米が先行し、日本での歴史は浅いが、足元では政府主導で取り組みが進められている。論文では、欧州は地球温暖化抑制という「社会的リターン」の追求、米国は金銭的リターンの追求と目的意識がはっきりしている一方で、日本の機関投資家の目的意識はまちまちだと指摘。「自らのポートフォリオの気候変動リスクを抑制する観点からもエンゲージメント(企業との建設的対話)などを一段と加速させる」という機関投資家がある一方で、「(本業とは直接関係ない)ボランティアなどのCSR(企業の社会的責任)活動の延長として取り組んでいる」、「レピュテーション改善効果が主目的」といった声も少なからず聞かれたとした。
日本の機関投資家から挙げられた実務上の課題としては、ESG投資に利用可能な情報が限られていることや、ESG要素と金銭的リターンの関係性に確信が持てないこと、先行きのリスクなどを検討するにあたり気候変動の影響など考慮すべき要素の不確実性が大きいこと、最新の科学技術などの専門知識を活用できる体制を整備する必要がある点などを列挙した。
ESG投資にあたっての金銭的リターンについて、学界・実務家双方でのコンセンサスは形成されていないという。論文では、ESG関連情報の開示が限られていることで実証分析が難しくなっていると指摘。「金銭的リターン向上なども含めた自らのESG投資方針に沿って、真に重要な非財務情報は何かという中長期的な視点から、ESG投資手法の洗練や企業側とのコミュニケーション強化に取り組むことが肝要だ」との見解を示した。
(和田崇彦)
この記事に関連するニュース
-
GLIN Impact Capitalがインパクトファンド第三者検証機関のBlueMarkよりGOLD評価を獲得
PR TIMES / 2024年9月18日 15時15分
-
ESG四半期レポート:2024年第2四半期
Digital PR Platform / 2024年9月10日 14時19分
-
「Gomez ESGサイトランキング2024」の発表について
PR TIMES / 2024年9月2日 14時15分
-
PRIトロント総会へのスポンサー参加について
PR TIMES / 2024年8月31日 18時40分
-
デロイト トーマツ、TOPIX100企業の役員報酬の実態と人的資本の開示内容を分析~74%が役員報酬にESGを反映し、米国企業での割合を上回る
Digital PR Platform / 2024年8月30日 10時3分
ランキング
-
1ほっかほっか亭「コラボ依頼して賛否」への違和感 日清食品「10分どん兵衛」の成功例に倣えるか
東洋経済オンライン / 2024年9月20日 15時20分
-
2ミニストップ、外国籍の利用客に“不適切な張り紙” 「問題を重く受け止め」謝罪
ORICON NEWS / 2024年9月20日 15時53分
-
3血管をむしばむ「超加工食品依存症」に要注意!医師が食べてほしくないもの3選
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年9月20日 11時0分
-
4あの「ポーター」が人気商品を大胆に変えた裏側 価格2倍にしても素材変えた吉田カバンの挑戦
東洋経済オンライン / 2024年9月20日 13時0分
-
5漁業関係者、「ぬか喜びにならなければ」=歓迎も中国側の手のひら返し警戒
時事通信 / 2024年9月20日 20時55分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください