英小売売上高、10月は前月比＋0.8％ 予想上回る

１１月１９日、英国立統計局（ＯＮＳ）が発表した１０月の小売売上高は前月比０．８％増と、市場予想の０．５％増を上回る伸びとなった。ロンドンで２０２０年１２月撮影（２０２１年　ロイター/Hannah Mckay）

［ロンドン　１９日　ロイター］ - 英国立統計局（ＯＮＳ）が１９日発表した１０月の小売売上高は前月比０．８％増と、市場予想の０．５％増を上回る伸びとなった。オークションハウスや衣料品店が好調だった。

小売売上高は、新型コロナウイルス感染拡大前の２０２０年２月を５．８％上回る水準となった。

食品を除く売上高の伸びに最も寄与したのは中古品店で、中でもオークションハウスやチャリティーショップがけん引した。

ＯＮＳは「衣料品店の売上高は前月比６．２％増加した。一部小売業者によると、クリスマス商戦の前倒しが売り上げを押し上げたようだ」とした。スポーツ用品店やゲーム・玩具店も好調だった。

キャピタル・エコノミクスの英国担当チーフエコノミスト、ポール・デールズ氏は「１０月小売売上高の回復や一段の財政改善は、イングランド銀行（英中央銀行）が１２月に政策金利を０．１０％から０．２５％に引き上げるとの観測を強めることになる」と述べた。

インフレが加速する中、英中銀は、コロナ関連の雇用保護制度が先月終了したことで景気が悪影響を受ける兆しが見られなければ今後数カ月間に利上げに踏み切る考えを示している。

１０月の小売統計に加え、１１月のＧｆＫ消費者信頼感指数の改善は、足元の景気が悪化していないことを示唆している。

ＯＮＳによると１０月の公的部門純借り入れ（国有銀行を除く）は１８７億９９００万ポンド（約２５３億８０００万ドル）で、ロイターがまとめた市場予想の平均の１３８億ポンドを上回った。

公的部門純現金要件（ＰＳＮＣＲ）は６１４億５２００万ポンドとなり、前月の６０億６１００万ポンドから大幅に増加した。イングランド銀行（英中銀）の銀行向け資金供給スキーム（ＴＦＳ）拡大が背景。