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万博着工遅れで露見した日本の建築士の能力不足「世界を知らない」 一級建築士が証言

東スポWEB / 2024年4月25日 6時18分

万博建設予定地(2024年3月4日)

大阪・関西万博(2025年4月13日~10月13日)は、大阪・夢洲で「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに開催予定だが、海外パビリオンの建設が遅れている事が問題視されている。今回、海外パビリオンの設計に関わる一級建築士が実態を明かした。

東京や大阪で大型の設計実績を持つある一級建築士は、現在3つの海外パビリオンに関わっている。なぜ万博の海外パビリオンの建設が遅れているのか。「一番大きな問題は工事を行う職人がいないこと。さまざまな要因があるが、能登半島地震の復興もあるだろう。それ以外の問題として、当社の前に受注した会社は、海外から来た図面を見ることすらできなかった。世界中の建築士が使っているソフトを日本の建築士は使える人が少ない。何か月も何もしないで…」と、データを理解するために海外の空間デザイナーと無為なやりとりを続けていたとぶっちゃけた。

日本の建築業界はCADと呼ばれる2次元製図用コンピューターソフトを使用しているが、海外ではBIMというアメリカが開発した3次元ソフトが主流になっている。国土交通省は、今回の万博では全てBIMを使用するように条件付けしており、前述のようなトラブルもあり、多少の条件緩和(米・オートデスク社開発のウィンドウズ用BIMソフト「Revit」以外のソフトの使用を認める)は行われたが、BIMを使用することという基本条件は変わっていない。

BIMの講師としても活躍しているこの一級建築士は「海外で俺以上のBIMの使い手は山ほどいる。今回関わっている海外パビリオンの現地設計者は30歳手前位の女性で、俺よりもレベルが上だと思える」と指摘。さらに「『技術の日本だから』なんてあぐらかいてて、実は日本の技術者って、すっごいレベル低いんだよ。世界を知らないだけ」とし、日本の建築士を見限る国も多いと肩を落とした。

建築確認の電子申請も時間がかかる。「日本では、印刷した図面とデータを提出して、承認までに1か月近くかかる。シンガポールの電子申請は、法律違反が無ければ2日ほどで承認が下りる。日本はデジタル化の勢いが弱いから」とため息をついた。

万博開催日に間に合うのか。「絶対終わらせる」と前出の一級建築士は胸をたたいた。

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