小樽芸術村のコレクションをバーチャル鑑賞できる 「Bunkamuraメタバース」の企画展

迫力のある「小樽芸術村デジタルアーカイブ　迫力の浮世絵展」

公益財団法人似鳥文化財団（北海道小樽市）が所蔵する浮世絵が、仮想空間で体感できる企画展を、「Bunkamuraメタバース」内で2024年6月30日まで開催している。「小樽芸術村デジタルアーカイブ　迫力の浮世絵展」だ。

VRゴークルは不要で、スマートフォンやパソコンから無料で鑑賞できる。Bunkamuraメタバースのウェブサイトで同展の案内バナーを選択。ニックネームを記入のうえアバターを選び決定ボタンを押すと、バーチャル展示会場に入れる仕組みだ。実際にメタバース内で体験してみた。

美人画、風景画、妖怪画を展示

最初に立っているエントランスから、「Gallery」「Theatre」と書かれた複数の入口が目に入った。この中から、「小樽芸術村デジタルアーカイブ　迫力の浮世絵展」のポスターが張ってあるドアを選んで進む。

アバターの操作は、矢印キーで視点移動、パソコンのWASDのキー押すと前進や後退、左右の移動ができる。基本的な操作は必要だが、直感的にキーを押したり、クリックしたりすれば難しくなさそうだ。

小樽芸術村は、20世紀初頭に建造された建築物で、5棟4館からなる美術館施設だ。小樽の街が発展を遂げた19世紀後半から20世紀前半に焦点を当て、国内外の優れた美術品・工芸品を収集、展示している。

江戸の町並みを再現した空間に「美人画」、天空をイメージした場所に「風景画」、怪談の舞台にもなりそうな薄暗い空間に「妖怪画」を展示。作品の雰囲気に合わせたメタバース空間で鑑賞できるよう、空間を再現しているのだ。各空間には、バーチャルのエレベーターや階段で移動ができる。

浮世絵の前で記念撮影

メタバースの企画展なので、小樽芸術村のコレクションを遠方の人でも手軽に鑑賞できる。作品に近づくと間近で見られ、臨場感たっぷりだ。「みどころ」と書かれたボタンを押すとより拡大され、描かれた精密な内容がよくわかる。写真撮影も可能。「エモート」（アバターがジェスチャーをする機能）を活用してポーズをとりながら、浮世絵の前で記念写真を撮れるのも楽しい。

浮世絵の近くにある「謎」と書かれた立て札を押すと、クイズに挑戦できる。

「Bunkamuraメタバース」は、2024年9月に開館35周年を迎える東京・渋谷の複合文化施設「Bunkamura」が、NTT ArtTechnology、大日本印刷と共同開発した。文化芸術をバーチャル空間で楽しめる。展示コンテンツや関連動画の配信、参加型のオンラインイベント等、メタバースならではの企画が特徴だ。