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新型iPadのPVは、なぜここまで不快なのか 日本の著名クリエイターらが「嫌悪感」続々考察...「多様性を破壊」「『必然性』が欠落」

J-CASTニュース / 2024年5月8日 14時26分

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波紋のプロモーションビデオ、公式YouTubeチャンネル「Apple」で 2024年5月7日に公開された動画より

米アップルが新製品発表に際して、タブレット端末「iPad Pro」新作のプロモーションビデオを2024年5月7日(現地時間)に公開し、その内容が日本のXユーザーの間で波紋を広げた。著名クリエイターらからも様々な声があがっている。

「これまでにない薄さ」を動画で表現?ティム・クック氏もXでアピール

問題の動画はアメリカのポップス・デュオ「ソニー&シェール」の楽曲「All I Ever Need Is You」が流れるなか、巨大なプレス機が稼働する様子が映し出されている。様々な楽器、スピーカー、ゲーム機、テレビ、カメラ、本、画材などが高く積み上げられているものの、あっけなく圧縮。広い台座にiPadだけが出現するといった内容で、多機能なiPadの薄さが強調された。

アップル最高経営責任者(CEO)のティム・クック氏も8日、Xで動画を紹介し、「これまでにない薄さ、これまでにない先進的なディスプレイ、そしてM4チップの驚異的なパワー。このiPad Proを使って、どんなものが生み出されるのか、想像してみてください」と投稿している。

この動画はTikTokの流行に着想を得たのではないかという見方がでているほか、特に日本のユーザーから、「iPadのpvほんとグロい、ユーザーに物作る人多いだろうに彼らが傷つくことを平気でやっている」「自社以外の技術にリスペクトがない」「どこかの誰かが勝手に作った悪趣味映像だと思ったら、ティム・クックさんがアップしてた。正気かアップル。。。」などと批判が相次いでいる。著名クリエイターらの間でも話題だ。

人気ゲーム「どこでもいっしょ」開発元・ビサイド(東京都立川市)の南治一徳代表は、「Appleにしては随分と下品なPVを作ったものだな...、誰も止めなかったのか。このシーンだけで、新しいiPad Proの魅力大幅減だよ」と投稿した。

リクルートグループのコーポレート、サービスのブランディングを担うクリエイティブディレクター・萩原幸也氏は、「今さらiPadに『こんなに機能が凝縮された』といったメッセージが必要だったのだろうか。後で、ほとんどCGでしたって出てきそうだが、そこは本質的では無い」と述べている。

「何故iPadのCMはこんなにも嫌な気持ちになるのか」

動画に不快感を覚える理由については、このような考察も。

独自動車メーカー「アウディ」を手がけたことでも知られるプロダクトデザイナー・和田智氏は、アップルファンでもあり、残念に思うとしながら、「過去のモノたちに対する敬意、それをつくってきた人たちに対する敬意が全く感じられない。木や石、モノには気が宿ると信じることが多い日本人には特に耐えられないのではないか。アップルよ、どうしたんだ」と苦言。

実業家で動画クリエイターの明石ガクト氏は、「映画でモノがぶっ壊れても平気なのに、何故iPadのCMはこんなにも嫌な気持ちになるのか」と投稿。「それはそこに『必然性』が欠落しているから。映画でスポーツカーがペシャンコになるのはストーリー的必然性があるからokだが、これは広告という嫌われ者が単なる演出で潰しちゃってるから」との見方を示した。

2025年大阪・関西万博に活用されるデザインシステムのクリエイティブディレクター/アートディレクターに就任したデザイナー・引地耕太氏は、「この広告のまずさは『多様性を破壊』し、ただ『ひとつの答え』に集約させた傲慢さを感じさせてしまったからだろう。Appleの『Think Different』という言葉にあるような他との『違い』、つまり他と違うクリエイティビティを尊重しリスペクトする事が彼らの哲学だったはず」などと疑問を呈した。

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