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石破内閣は「賃上げ・脱デフレ重視」の岸田路線引き継ぐ…早期に物価高対策方針

読売新聞 / 2024年10月2日 8時0分

石破内閣が取り組む主な経済課題

 1日に就任した石破首相は、物価高に対応する経済対策を早期に取りまとめる方針を表明した。岸田政権が進めた経済政策を引き継ぎ、デフレ脱却に向けて「賃上げと投資が牽引けんいんする成長型経済」の実現を目指す。(秋田穣、寺島真弓)

 首相は1日夜の記者会見で「物価高で苦しんでいる方々を支援するための経済対策の検討、指示を行う」と述べ、低所得世帯向けの給付金など物価高への緊急対策を盛り込む方針を明らかにした。経済対策をまとめたうえで、裏付けとなる補正予算の早期編成・成立を目指す。

 経済政策について、「岸田政権で進めた成長戦略を着実に引き継ぐ」と述べたうえで、「経済あっての財政との考え方に立ち、デフレ脱却最優先の経済・財政運営を行う」と述べた。

 デフレに後戻りさせないためには、物価高を上回る持続的な賃上げが欠かせない。首相は「最低賃金を2020年代に全国平均1500円への引き上げを目指す」と述べ、岸田内閣が掲げた「30年代半ば」からの前倒しを図る。

 成長戦略として「投資大国ニッポンを実現する」とし、自動車や半導体、農業などを重点分野に掲げた。

 首相が重視する地方創生は「日本経済成長の起爆剤として強い決意を持って取り組む」と述べた。今後10年間で集中的に取り組む基本構想を作成する。

 一方、防衛増税の実施時期の決定など、前内閣から積み残された課題もあり、負担増を伴う政策にどう取り組むかも注目される。

 財務相に就任した加藤勝信氏は1日、記者団に「メリハリのある財政運営をしてほしい」と首相から指示されたと明かし、「デフレ脱却を進める中で、大変重たい役割を担うことになる」と意気込んだ。

「利上げ判断慎重に」…赤沢再生相が言及

 石破内閣の経済再生相に起用された赤沢亮正氏は1日、日本銀行の金融政策について「金利の引き上げは慎重に判断していただきたい」と述べ、今後の利上げをけん制した。首相官邸で記者団の取材に答えた。

 赤沢氏は「あらゆる面で、経済を冷やすようなことは絶対、しばらくやってはならない。デフレ脱却最優先で取り組むのが私の考えだ」と強調した。

 石破首相は1日夜の記者会見で、「金融政策の具体的手法について、政府があれこれ申し上げるべきではない。日銀との意思疎通のもとに、日銀に委ねられるべきものだ」と前置きした上で、「金融緩和の基本的な基調というものは維持されるべく、私どもとして期待をしながら見守っているところだ」と述べた。

 一方、デジタル相に就任した平将明氏は1日、今年12月に紙の健康保険証を廃止してマイナンバーカードに一本化する方針について「堅持したい」と明言した。首相や林官房長官は総裁選直前、保険証をマイナカードに一本化する時期を見直す可能性に言及していた。

「全面的に協力」経団連会長

 石破内閣の発足を受け、経団連の十倉雅和会長は1日、「新政権との連携を深めつつ、その政策遂行に全面的に協力していく」とするコメントを出した。また、経済同友会の新浪剛史代表幹事は記者会見で、「『なるほど』と思える政策が出てきてほしい」と期待感を示し、経済政策に関しては、新政権に安価で安定したエネルギーの確保を求めた。

 日本商工会議所の小林健会頭は、「岸田前政権の継承とともに、安定的な政策運営を期待させる布陣であり、歓迎する」とのコメントを発表した。

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