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幼い時は氷上で転びギャハギャハ笑ってた坂本花織、集大成の五輪「金」へ…好きな言葉は「爆笑」

読売新聞 / 2025年1月10日 5時0分

 フィギュアスケートの全日本選手権で4連覇を達成した坂本花織(24)(シスメックス)。リンク上の華やかな演技と笑顔の裏で、いくつもの困難や苦悩を乗り越えてきた。日本のエースとしての自負や、来年2月の開幕まで1年あまりとなったミラノ・コルティナ冬季五輪への思いなどを自身の言葉で伝える。

水泳でなくスケート選んだのは「苦しくない」

 年が明けて、ミラノ・コルティナ冬季五輪まで1年です。2022年北京五輪は団体で銀メダル、個人は銅で、やっぱり次は金を取りたい。願わくば団体、個人のどっちもですね。

 スケートを始めたきっかけは、3歳の時にテレビドラマの登場人物がフィギュアをしているのを見たこと、だそうです。実は私自身はよく覚えておらず、母によると、色々なスポーツを見ても「これは嫌」「あれも嫌」と言っていたのに、スケートは「やりたい」と言ったそうです。近所のリンクで滑ってみると、転んでも楽しそうで「この子、こけてもギャハギャハ笑ってるわ」とあきれたそうです。そういえば、今でも転んでくじけることはないですね。

 もう一つ習っていたのが水泳です。「泳げることで損はない」という理由で、2人の姉もやっていました。小学校に入った頃は水泳が週5回、スケートが週3回。2年生でどちらかを選ぶことになり、スケートにしました。

 水泳は、水面から顔を上げないと息が吸えないのが苦しくて、個人メドレーで最後の自由形になると「もう倒れそう……」と思っていて。でも、スケートなら自分の好きなタイミングで息を吸える! それが選んだ理由です。ただ、今季のプログラムは動きが多く、息をつく間もないくらい。小学2年生の時、これは想像していなかったですね。

 当時から中野園子先生に指導を受けています。技術面はもちろん、良い感覚を見失った時は「こうした方がいい」とわかりやすく指摘してもらえる。あとは厳しさ。「やれー」と「いけー」。この二つの言葉に背中を押されて、試合で苦しい時も「あの厳しさに比べたら耐えられる」と思えます。

 いつも先生に言われるのは、「人と戦わず、自分と戦いなさい」。過去の自分に勝てば、いい演技ができます。14年、ジュニアの大会に強いロシア選手が出ていて、「絶対に負かしてやる」と挑みました。相手のスコアを意識して「自分ならこの位置につけられる」と考えていたら、フリーでジャンプのミスを連発して、7位。初めて試合後に泣きじゃくりました。思い返せばショートプログラム(SP)から相手ばかりを気にしていました。「他人と戦うな」の言葉が心に刺さりました。

 五輪初出場の18年平昌ピョンチャン大会での個人6位は「よく頑張ったで賞」です。当時はシニアに上がったばかりで、五輪前の代表選考の報道で自分の名前がないこともあり、「私もいるよ!」と悔しかった。でも、前だけを見て突っ走ればよかった。北京五輪は「選ばれたらいいな」の平昌とは違い、演技の質を上げて臨んだ大会でした。世界で戦う自信もありました。

 26年五輪は出場できれば集大成になります。今の自分としっかり向き合い、最高の自分になる舞台。それに向かって「本当にやり切った」と思えるように毎日を過ごすことが、今の目標です!

揺るぎない信頼関係

 ハードな練習中も中野コーチとのやり取りは絶妙で、息の合った漫才のようだ。「いつ(次の練習の)準備できるんですかね」(中野コーチ)「(苦しくて)ちょっと待って……」(坂本)「待てません。はよ動いてください」(中野コーチ)。揺るぎない信頼関係があるから、空気は和み、むしろ活気が増す。「好きな言葉を」と記者が渡した色紙に「爆笑」としたためた。最後に大きく笑うために、二人三脚で突き進む。(岡田浩幸)

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