イチローさん「ここからがスタートという捉え方もできるんじゃないか」…主な一問一答
読売新聞 / 2025年1月24日 21時46分
【クーパーズタウン(米ニューヨーク州)=平沢祐】米大リーグのマリナーズなどで活躍して日本人初の米国野球殿堂入りを果たしたイチロー氏(51)が23日、クーパーズタウンの米国野球殿堂博物館で記者会見を行った。
冒頭のあいさつで自身に投票した記者への感謝を伝えた上で、「1人投票してくれなかった方がいるようですが、ぜひ自宅に招待して一緒にお酒を飲みたいので、名乗り出て、シアトルまでお越しください」とユーモアを交えて呼びかけ、笑いを誘った。
日本人として殿堂入りした意義について「5年、10年、20年、もしくは僕がいなくなる時にそれを実感するのではないか」と述べ、歴代の名選手とレリーフが並ぶことについて「同じところにいていいのかという気持ち」と心境を語った。会見後にはレリーフの土台にサインを入れた。
7月27日にクーパーズタウンで表彰式典が行われ、レリーフもお披露目される。
イチロー氏の主な一問一答は次の通り。
――新人時代の自分に声をかけるとしたら。
「怖がらないで自分が信じた道に飛び込んでほしい。信じている自分がいれば、信じた道に飛び込んでいけると思う。それを僕はしてきたつもりで、迷いなくしてほしい」
――日本人初の殿堂入りの意味は。
「今日博物館に来て、これからじわじわと湧いてくるとは思う。この出来事の意味がひょっとしたらあったのかもしれないと感じられるのは先のことだと思う」
――今回クーパーズタウンを訪れて、現役時代との感情の違いは。
「(レリーフが)あのメンバーの中に並ぶんだと思うと、同じところにいていいのかという気持ち。到底その先輩方には及ばないという気持ち。これはゴールとも捉えられるが、これからの僕の生き方によって近づいていけると思うので、ここからがスタートという捉え方もできるんじゃないかと考えている」
――プロ野球や大リーグを目指す子供たちへ。
「高校生ではMLBでプレーすることが夢だっていう選手がいっぱいいる。大きな夢で素晴らしいこと。でも、そこに行くにはコツコツと一歩ずつ進んでいかなくてはいけないということを知っていてほしい。大きな成果をあげるには、一気にそこに到達するすべはないということは知っておいてほしい」
――米国でマイノリティーの立場で勝負するタフさは。
「なかなか表現しづらい。できれば本音で話したいし、薄い話をしたくない。薄いのが自分の心からの言葉ならいいが、この質問に関してはそれはできない」
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