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米FRBが3月利上げ示唆、インフレ抑制へパウエル氏引き締め姿勢鮮明

ロイター / 2022年1月27日 9時44分

米連邦準備理事会(FRB)は25─26日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、3月にフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を引き上げる可能性が高いことを示唆した。2008年3月撮影(2022年 ロイター/Jason Reed)

[ワシントン 26日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は25─26日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、3月に利上げする可能性を示すとともに、資産買い入れを予定通り同月に終了すると確認した。パウエル議長は物価高は改善していないとして、インフレの抑制へ引き締めを着実に進める姿勢を鮮明にした。

パウエル氏は記者会見で「委員会は適切な条件が整うという前提で、3月のフェデラルファンド(FF)金利引き上げを想定している」と表明した。FOMC声明は利上げが「間もなく適切になる」と表現したが、一歩踏み込んだ。

議長は、インフレ率がFRBが目標とする2%に落ち着くかどうかを注視しつつ、必要に応じて追加利上げと資産圧縮を行う意向も示した。

利上げとバランスシート圧縮のペースについては、ほぼ何もきまっていないと説明した。

一方で、インフレ率が高止まりし、悪化する兆しがある中、今年は金融引き締めを着実に進め、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)下での緩和政策から脱却する姿勢を強調した。

パウエル氏は、12月のFOMC以降、「インフレは改善しておらず、恐らく悪化している。状況が悪化する限り、われわれの政策に反映させる必要がある」と語った。

<米株は再び下落>

パウエル氏が会見で経済の底堅さとインフレの執拗さに繰り返し触れ、引き締めを加速する可能性を否定しなかったのを受け、米株式市場のS&P総合500種は下落して終了した。一時は2%超上昇していたが、会見中に売り込まれる展開となった。

パウエル氏が8兆ドルを超える米国債と住宅ローン担保証券(MBS)保有の圧縮を開始する時期が近く決まると示唆したことを受け、長期金利は上昇した。

スパルタン・キャピタル・セキュリティーズ(ニューヨーク)のチーフマーケットエコノミスト、ピーター・カルディロ氏は、パウエル氏は「懸念要因のバランスを取ろうとしたのだろうが、インフレが悪化し、一段の手段を講じなければならない可能性に触れ、バランスシートの縮小に言及した」とし、「市場が不確実性を恐れる」状況を生み出したと指摘した。

<前回の利上げ局面との違い強調>

パウエル氏は高インフレと低い失業率を挙げ、前回の利上げ局面が始まった2015年と経済状況は「大きく異なる」と指摘。労働市場の改善や景気回復を脅かすことなく「金利を引き上げる余地が十分にある」と当局者らは認識しているとした。

市場では3月15─16日の次回FOMCでゼロ金利政策が解除されるとの見方が大勢。FF金利先物市場では3月の利上げ後に年内に3回の追加利上げが実施されるとの見方が織り込まれている。

FOMCの声明では、満期を迎える債券の償還で得た資金の毎月の再投資額を制限することによって保有資産の規模を「大幅に縮小」することについてメンバーが合意したと表明。こうした措置は利上げ後に着手されるとしたが、具体的な日程やペース、最終的な規模はまだ決まっていない。

バランスシートを縮小するだけでなく、住宅ローン担保証券(MBS)から米国債にシフトし、「それによってFRBによる保有が経済の各セクターの信用配分に与える影響を最小化する」とした。

新型コロナウイルスのオミクロン変異株の出現により1日当たりの新規感染者数が過去最高水準に達しているにもかかわらず、FRBは最近の雇用の伸びは「堅調」と指摘。インフレ緩和時期に関する評価は示されなかったが、世界のサプライチェーンの改善に伴い物価上昇ペースの鈍化が引き続き想定されるとした。

今回のFOMCでは新たな経済および金利の見通しは発表されなかった。

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