日銀総裁、生産拠点分散で経済に負の影響 地政学リスクで見解
ロイター / 2023年8月28日 19時54分
日銀の植田和男総裁は26日にジャクソンホール会合で行われた討論会で、地政学リスクの高まりなどによる生産拠点の分散化が日本や世界経済に負の影響を及ぼし、金融政策運営にも難しい課題をもたらしかねないとの認識を示した。写真は5月23日、東京で撮影(2023年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
[東京 28日 ロイター] - 日銀の植田和男総裁は26日にジャクソンホール会合で行われた討論会で、地政学リスクの高まりなどによる生産拠点の分散化が日本や世界経済に負の影響を及ぼし、金融政策運営にも難しい課題をもたらしかねないとの認識を示した。
日銀が28日、植田総裁による講演の抄訳をホームーページに公表した。
植田総裁は、アジアで「グローバル化を進める力はなくなっていない」としつつ、地域経済統合の動きが逆流すれば「製造業集積がもたらす効率性向上に伴う利得も失うことになる」と指摘。より長い目で見た地政学的な要因の日本経済への影響は「きわめて不確実だ」と述べた。主要先進国と中国との間で半導体分野を中心に対抗策の応酬が激化するリスクもあるとした。
また、政府が補助金を出して重要分野の国内生産を強化しても「進められているプロジェクトを支えるにはインフラなどが不十分かもしれないし、トップ企業を引き付ける世界的な競争に負けることも考えられる」と述べ、「グローバルに各国が産業政策を積極化することは、結局は生産拠点立地を非効率なものとするだけかもしれない」と警戒感を示した。
足元の日本経済については「内需の基調はしっかりしている」と説明。物価は7月の消費者物価指数(除く生鮮食品)の伸び率が前年比3.1%になったが「年末ごろにかけて低下していくとみている」とした。物価の基調は「なお2%の物価安定目標に達していない」とし、こうしたもとで日銀は従来からの金融緩和の枠組みを維持していると説明した。
この記事に関連するニュース
-
円安、物価上昇通じて賃金に波及するリスクに警戒感=植田日銀総裁
ロイター / 2024年4月26日 18時5分
-
基調的な物価、2%に向けて上昇なら金利引き上げていく=日銀総裁
ロイター / 2024年4月23日 11時54分
-
利上げの可能性、物価上昇継続なら「非常に高い」=日銀総裁
ロイター / 2024年4月20日 10時44分
-
為替変動による直接的な政策の変更検討、「全くない」=日銀総裁
ロイター / 2024年4月10日 12時3分
-
訂正物価の基調上昇なら、緩和度縮小「考えないといけない」=日銀総裁
ロイター / 2024年4月9日 16時33分
ランキング
-
1日本の名目GDP、2025年にインドに抜かれ世界5位へ…円安でドル換算が目減り
読売新聞 / 2024年5月5日 18時59分
-
2相鉄線「屈指の閑散駅」ついに一新へ! 大幅イメチェン&新改札も 完成時期は?
乗りものニュース / 2024年5月4日 8時42分
-
3投資家・バフェット氏、AIによる詐欺「史上最高の成長産業になる」…皮肉を込め警鐘
読売新聞 / 2024年5月5日 19時57分
-
4「有料化」されたのはレジ袋だけではない? 有料化のレールにのったモノにはどんなものがある?
ファイナンシャルフィールド / 2024年5月4日 3時0分
-
5コスパの高さが異常…スズキの新型軽「スペーシア」が、「これで153万円は安すぎる」と絶賛されている理由
プレジデントオンライン / 2024年5月5日 11時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください