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「大学生活頑張らなかった」→就活で「高校時代の話」をしてもいい?企業が真に求める“ガクチカ”とは

オールアバウト / 2024年4月12日 20時45分

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就職活動の中で必ずと言っていいほど聞かれる「学生生活で力を入れた体験」(通称ガクチカ)。大卒の就活の場合は「大学生活の経験」を話すことになりそうだが、高校生時代の経験を話すのは果たしてアリなのだろうか?

「学生生活で最も力を入れて取り組んだ経験を教えてください」

就職活動のエントリーシートや面接で最も多く聞かれる質問の1つである、通称「ガクチカ」。

この質問に対してどんな経験を話すかで自分の評価が決まってしまうと思うと、就活生の立場としては少しでも他の学生と差別化できる体験を伝えたいはずだ。しかし一般的な大学生活を過ごしてきた学生にとって、他の学生と差別化できる体験などしている学生の方が少ないだろう。

ただのサークルやアルバイトの経験では埋もれてしまいそうで不安になる。

そこで高校時代の部活動や生徒会活動などの経験をガクチカとして使おうとする学生も出てくるのだが、これは果たして有効なのだろうか?

少しでも自分をアピールしたい学生心理としては分からなくもないが、企業側の「ガクチカを通じて知りたいこと」に応えていなければ逆効果であろう。

一方で、企業側の意図を理解した上での「使い方」次第では、大卒の就職活動であっても高校時代のエピソードは自分をアピールする武器となる場合がある。

「ガクチカ」を通じて企業は何を知ろうとしているのか?

企業の採用活動の目的は「自社で活躍できる人材を採用すること」である。そのためにエントリーシートや面接でさまざまな質問を投げかけて情報を得ることで、自社で活躍できる人材かどうかを判断する。

その点「学生時代に最も力を入れた経験」は、その学生自身が培った「能力」や「価値観」を知る上で大変効果的な設問である。例えばサークルなどで多くの学生と関わる経験をした学生であれば「対人力」があると判断できるし、研究で1つのテーマを突き詰めた経験があれば「探究心が強い」という評価になる。

どんな能力や価値観を持った人材を求めているかにもよるので、評価軸は企業によって異なる。

学生はどうしても「他の学生とは異なる“すごい経験”を話さなければ」と思ってしまうが、企業側は全くそんなことは期待していない。大学の授業や研究、サークルやアルバイトなど一般的な経験でも構わない。その代わり、その経験を通じてその学生がどんな学生なのかを知ろうとしているので「自分らしい経験」を話してほしいと願っている。

そしてできるだけ「現時点での学生」を評価したいと思っている。のんびりと大学生活を過ごしてきた学生としては、現時点の自分よりも、部活動などを一生懸命やってきた高校時代の自分をアピールしたくなるかもしれないが、企業としてはのんびり大学生活を過ごしてきたその時点での学生について知りたいのである。

企業側の意図を考慮すると、大卒の就活での「ガクチカ」はできるだけ「大学生活の経験」を中心に伝えるべきであろう。逆に企業側が知りたいことを理解することで、そのガクチカの経験自体は他の学生と差別化にならなくても、「伝え方」次第で十分評価に値するものになる可能性もある。

「ガクチカ」は経験内容よりも自身の「行動」と「思考」を伝える

学生が「ガクチカ」を伝える際に最もやってしまうことは「その経験内容を1から10まで全部説明しようとすること」だ。

例えば自分が所属していたサークルがどんな活動をしていて、どんなメンバーがいて、こんな問題があって、それでその後どうなって……というように、「そのサークルについて」長く説明してしまうのだ。残念ながら採用担当者は「そのサークル」について知りたい訳ではない。

知りたいのは、そのサークルで「その学生が何を考え、どのように動いたのか」なのだ。

その学生時代のエピソードの中にある「行動」と「思考」を情報源として、その企業の社風や仕事内容とマッチするかを判断しようとしている。

その意図を汲み取れば、エントリーシートでも面接でも、自身の所属していた組織や研究テーマなどの説明は必要最低限にしておき、その組織や研究活動の中で自分がどのようなことを考えたのか、どういう行動をとったのかを中心に伝えることで、企業側としては「こちらの知りたいことを的確に伝えてくれている」という「コミュニケーション力」としての評価にもつながる。

例え自身の大学生活での経験が他の学生と差別化にならない一般的なものであったとしても、その経験の中での自身の「行動」や「思考」を抜き出して伝えることで、企業からの評価につなげることは十分可能なのだ。

高校時代の経験は「土台のアピール」としてうまく活用しよう!

一方で、「高校時代の経験」がエントリーシートや面接で活用できる場合もある。

1つのやり方としては、大学生活の経験を中心に伝えながら、それらの「行動」や「思考」の原点となる「土台のアピール」として活用する方法だ。

例えば、「ガクチカ」でカフェのアルバイトの経験を取り上げ、店長とお店の運営方法などで意見が合わなかった際に、何度も意見を交わしながら相互理解を深めたエピソードを紹介したとしよう。

それだけでも「上司にも積極的に意見が言える」という「行動」が伝えられているのだが、こういった行動をするようになった理由や背景に、高校時代のエピソードを活用する。テニス部で監督と意見が割れても何度も話し合ったことで理解し合えた、といった経験を補足で伝えることで、より納得感のある内容として伝えることができる。

その学生のイメージも「カフェ店員」だけでなく、「高校時代はテニス部の、カフェ店員」という幅を持たせることができ、かつ高校時代のテニス部の経験で培った能力や行動をそこで終わりにせず、大学時代のアルバイトの現場でも実践できているというアピールにもつながる。

高校時代の経験をガクチカのメインとして書くのではなく、大学生活での経験の補足として活用することで、自分らしい行動や思考の原点となる裏付けにすることが可能なのだ。

自分の経験に自信を持って、ガクチカではぜひ自分らしさを伝えてほしい。
(文:小寺 良二(ライフキャリアガイド))

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