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東海道新幹線の「個室」が100系以来、四半世紀ぶりに復活! 「どこに設けられる?」JR東海に聞いた

オールアバウト / 2024年4月19日 21時45分

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東海道新幹線に個室を導入することが発表された。詳細は未定部分が多く、大まかなことしか分からないが、グリーン車よりもさらに上質な設備・サービスを備えた個室とのことで、どんな個室になるのか期待が膨らむ。

2026年、東海道新幹線がおよそ四半世紀ぶりに個室を導入するらしい。今分かっていることをJR東海に取材したが、未定な部分が多そうだ。どんな個室になるのか期待が膨らむ。

取材した内容とともに、ヨーロッパの国際列車からわが国の豪華列車まで、さまざまな列車の個室も紹介しておこう。

東海道新幹線の個室は100系以来、四半世紀ぶりの復活


現在では、ビジネス特急の性格が強い東海道新幹線であるが、かつては食堂車や個室車両も連結された華やかなものだった。1985年に登場した100系には、2階建て車両が2両組み込まれ、1両は食堂車、もう1両はグリーン車で階下に個室グリーン車が組み込まれていた。

列車の高速化に対応できなくなり、2003年に東海道新幹線区間から撤退。個室が組み込まれた車両は、それ以来のこととなり、およそ四半世紀ぶりの復活となる。

個室導入の理由は、「生活様式や働き方の変化により多様化する利用者のニーズに応えるべく、 新幹線の新たな座席の在り方の検討を進めてきた結果」だとのこと。会社役員などのエグゼクティブやリッチな観光客の利用を想定しているようだ。運行区間は、JR西日本との協議を待って決定する。東京~博多間での走行となれば、航空機よりも新幹線を選択する乗客が増えることになるかもしれない。

詳細は未定部分が多く、今後発表

発表された個室のイメージ画像(提供=JR東海)列車の座席数を減らすことはないとのことで、個室をどこに設けるかが興味の対象となる。

JR東海広報部に問い合わせたところ、「既存のN700Sを改造するのではなく、今後新しく製造するN700S系2次車に新設するので、まだ計画段階」とのこと。一部でささやかれているような、不要となった喫煙ルームや車内販売の基地などを活用するかどうかは全くの未定だという。1号車から16号車のどこになるかも検討中という。

決まっているのは、1列車に2室限定ということ。定員は1人ないし2人程度となる模様だ。個室数が少ないので、プラチナ・チケットとなるかもしれない。航空機のファーストクラスや東北新幹線などのグランクラスに匹敵する上質なサービスが期待される。 

ヨーロッパの国際列車からわが国の豪華列車まで……さまざまな列車の個室

ところで、列車の個室といえば、ヨーロッパの鉄道が本場だ。国際列車などに数多くの個室(コンパートメント)が設置されてきた。近年は少しずつ数を減らしているものの、伝統的な客室である。ただし、寝台車を除けば、1等車といえども6人向かい合わせのものが一般的だった。

 「サンライズ瀬戸・出雲」のグリーン車に相当するA個室(シングルDX)日本国内では、寝台車以外、個室は珍しい存在だった。夜行列車がほぼなくなった現在、「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」のシングルDXが、グリーン車に相当するA寝台としてかろうじて残っているにすぎない。

一方、観光列車では、いくつもの個室が設置されている。近鉄の豪華観光特急「しまかぜ」、東武の新しい観光特急「スペーシアX」の個室は、3人以上での利用が原則だ。

JR九州の観光列車(D&S列車)の1つ「36ぷらす3」の個室は水戸岡鋭治氏のデザインらしく異彩を放っている。そして、さすが豪華列車の個室は立派そのもので、例えば「トワイライトエクスプレス瑞風」(JR西日本)のロイヤルツインなどは鉄道車両とは思えないグレードの高さだ。

2026年度中に運行が予定されている東海道新幹線の個室がどんなものとなるのか、今から楽しみである。

取材協力=JR東海 最初から読む この記事の筆者:野田隆
名古屋市生まれ。生家の近くを走っていた中央西線のSL「D51」を見て育ったことから、鉄道ファン歴が始まる。早稲田大学大学院修了後、高校で語学を教える傍ら、ヨーロッパの鉄道旅行を楽しみ、『ヨーロッパ鉄道と音楽の旅』(近代文芸社)を出版。その後、守備範囲を国内にも広げ、2010年3月で教員を退職。旅行作家として活躍中。近著に『シニア鉄道旅の魅力』『にっぽんの鉄道150年』(共に平凡社新書)がある。
(文:野田 隆)

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