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歌舞伎界の未来を担う、市川染五郎×市川團子「関係が死ぬまで変わらずにあったらいいな」

ananweb / 2022年7月22日 19時0分

歌舞伎界の未来を担う、市川染五郎×市川團子「関係が死ぬまで変わらずにあったらいいな」

1歳違い。同時代に「歌舞伎」という同じ世界に生まれ、切磋琢磨し合う市川染五郎さん、市川團子さん。舞台では見せない等身大の表情で語り合う、ふたりの関係性、ふたりの未来とは――。



――おふたりの関係を一言で表すとしたら?



市川染五郎:ライバルであり、仲間ですね。



市川團子:そこに大親友も追加しておいてください。



染五郎:彼にだけでなく歌舞伎役者の皆さん全員に対してそう思っていますが、特に自分たちは年齢の近い役者が少ないので、そういう意味でもすごく貴重な存在です。



團子:年が近くなかったら仲良くなっていないってこと?(笑)



染五郎:そういうことではなくて。年齢は彼の方が1歳上で、歌舞伎役者としては自分が先輩ですけど、小さい頃から共演していたので、先輩・後輩感がないのがいいのかもしれない。彼はどちらかといえば弟っぽい性格だから、年上という感じもしないですし。



團子:年齢は関係なく、僕はいっくんを年上だと思っています。



――お互いをどう呼んでいます?



團子:僕はいっくんです。いっくんは、名前を呼ばないですね。本当に俺の名前、生涯で呼んだことないんじゃない?(笑)



染五郎:流れで今まで呼ばないできてしまったので、今更何て呼んでいいのかわからないんだよね。



――プライベートで一緒に遊びに行ったりはしますか?



團子:昔はありましたね。



染五郎:初共演した頃に、父がしながわ水族館に連れていってくれて。それくらいですかね。



團子:5年くらい前に大江戸温泉物語に一緒に行こうと言って断られました。



染五郎:入り口まで行ったじゃん。年齢的に保護者がいないと駄目と言われて入れなかったんです。



團子:そうだった、懐かしい。



――ふたりの役割分担は?



染五郎:どっちかというと、彼がずっとボケてます。



團子:僕がボケで、いっくんがツッコミです。



染五郎:ツッコミなのかもわからないけど。



團子:みたいに冷静なコメントをしてくれるんですが、こう見えて、内心は笑ってるんですよ。なので、常に仕掛けています。10発に1発くらいは当たるので。



染五郎:弥次喜多もですが、新作の稽古は1日がかりだったりして。そうなると、必然的に一日中一緒に過ごすことになる。自分は徐々に集中していくタイプだけれど、彼は集中しつつもテンションが上がってどんどんボケ始める。たまにちょっと集中させてくれよ、と思います。



團子:それはごめん(笑)。いっくんには素を出せるというか、つい変なボケが思い浮かんじゃうんです。笑ってない感を出しているけど、実は顔はけっこう笑っているから、嬉しくなっちゃって。昔は、ボケが行くところまで行くと意外と乗ってくることもあったので。



染五郎:小さい頃は自分もやんちゃだったので。昔は一緒に楽屋の大浴場で、父が後から風呂に入ってくるのを待機してね。



團子:全部で5つあるシャワーが(十代目松本)幸四郎さんに一点集中するようにセットして、「おつかれさまです!」って迎えてね。でも、いっくんの心の奥は昔と変わらないと僕は感じているので、そんなに印象は変わってません。



――今後、お互いがどんな大人になっていくと思いますか?



團子:幸四郎さんがボケるタイプなので、いっくんもどこかで変わるんじゃないかと踏んでいます。



染五郎:人前に出たときに、2~3発は笑いを取りたいという気持ちは正直あります。



――大人になったとき、どんな関係でありたいですか?



染五郎:歌舞伎にはふたりで演じる演目が結構あるので、それを一緒にできたらなと思います。



團子:一緒に舞台に出続けたいですし、関係が死ぬまで変わらずにあったらいいなと思います。

『八月納涼歌舞伎』 染五郎さん、團子さんが共に出演する第三部「東海道中膝栗毛 弥次喜多流離譚(やじきたリターンズ)」では、シリーズ内初の女方にふたりで挑戦する。8月5日~30日(10日、18日は休演)、歌舞伎座にて上演。

いちかわ・そめごろう(写真右) 2005年、東京都生まれ。’07年に初お目見え。’18年、八代目市川染五郎を襲名。’21年、アニメ映画『サイダーのように言葉が湧き上がる』では映画初主演、声優に初挑戦。’22年NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に木曽義高役で出演。
シャツ¥24,200(ジョン ローレンス サリバン TEL:03・6721・0406) パンツ¥37,400(ガラアーベント/サーディヴィジョンピーアール TEL:03・6427・9087) その他はスタイリスト私物

いちかわ・だんこ(写真左) 2004年、東京都生まれ。本名は香川政明。屋号は澤屋(おもだかや)。父は九代目市川中車(香川照之)。’12年、新橋演舞場『スーパー歌舞伎 ヤマトタケル』で初舞台。五代目市川團子を襲名。八月納涼歌舞伎「浮世風呂」では、なめくじを演じる。
シャツ¥35,200(ジョン ローレンス サリバン) パンツ¥46,200(ウジョー/エム TEL:03・6721・0406) ブーツ¥99,000(ユハ TEL:03・6659・9915) その他はスタイリスト私物

※『anan』2022年7月27日号より。写真・鈴木 親 スタイリスト・中西ナオ ヘア&メイク・AKANE(染五郎さん) 森 智聖(VRAI Inc./團子さん) 取材、文・小川知子

(by anan編集部)

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