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仲里依紗「秋山竜次さんは私にとって“レジェンド”」初監督作で主演に指名した理由

ananweb / 2024年2月29日 20時20分

仲里依紗「秋山竜次さんは私にとって“レジェンド”」初監督作で主演に指名した理由

2021年にWOWOWが開局30周年を記念して始めたプロジェクト『アクターズ・ショート・フィルム』。予算や撮影日数など同条件のもと、個性豊かな俳優たちがオリジナルのショートフィルムを制作する人気の企画です。今回は、第4弾で監督と主演としてタッグを組んだこちらの方々にお話をうかがってきました。

仲里依紗さん & 秋山竜次さん

【映画、ときどき私】 vol. 638

『撮影/鏑木真一』で映画監督に初挑戦したのは、俳優からYouTube配信まで幅広い活動を続けている仲里依紗さん。主演には、大河ドラマの演技でも大きな反響を呼んでいるお笑いトリオ「ロバート」の秋山竜次さんを指名しています。

本作の主人公となるのは、有名人たちを執拗に追いかける週刊誌カメラマンの鏑木真一。あるスキャンダルを暴露し、女優を死に追いやってしまった鏑木の身に起きる恐怖体験を描いています。そこで、撮影の秘話や初めて出会った日のこと、そしておふたりが心がけていることなどについて語っていただきました。

「秋山さん主演で撮れるならやりたい」と思った

―仲さんは、もともと監督をしてみたいと思っていたのでしょうか。



仲さん というよりも、「秋山さん主演で撮れるならやりたい」のほうですね。



秋山さん こんなにうれしいことはないですよ。ただ、仲さんの初監督作ということでプレッシャーもありましたし、いざ挑んでみたらセリフがないのでびっくりしました。



仲さん 秋山さんはお忙しいので、断られないためにどうしたらいいかを考えたときに、やっぱりセリフを覚えるのが大変かなと思いまして。



秋山さん 長崎で一緒にやっているバラエティ番組での食事会で、「大河も入っているし、ご負担をかけないように作戦を立てています」とは聞いていましたけど、まさかこんなことを考えていたとは…。というか、大河のことまで気遣ってくれる監督なんていないですよね!

―実際、挑戦されてみていかがでしたか?



秋山さん セリフがないから楽かなと考えていたのにすべてを表情だけで出さないといけないので、思っていた以上にやることが多い。そもそもお芝居とコントではギアがまったく違いますが、「お芝居ってどんだけ難しいんだ!」と思いました。

―しかも、ホラーということでお笑いの要素を封印するのも大変だったのではないかなと。



秋山さん そうですね。これまではどんな場もコメディフェイスでくぐり抜けてきましたけど、今回は恐怖の隣にいるような状況。普段はあまり怖い顔をしないようにしていることもあって、そこも難しかったです。そんななか、仲さんが表情の演技指導を直接してくださったのでわかりやすくて助かりました。この作品の僕は、仲さんを完コピしているだけです(笑)。



仲さん あははは!

初めてのジャンルで新境地を切り開くことができた

―やはりそれは俳優ならではの演出方法ということなのでしょうか。



仲さん というよりも、うまく説明できなかったので、表情で伝えたらいいかなと思って。秋山さんは本当に飲み込みが早いし、人を見る力が長けているのですごかったです。



秋山さん 普段から人のことはめちゃくちゃ見ていて、人を見るために街を歩いているくらいですからね(笑)。

―原案から考えたというストーリーも攻めた内容だと思いましたが、どういったきっかけで生まれたのか教えてください。



仲さん もともとホラーとかサスペンスが大好きなので、ただ自分が好きなものを詰め込んだだけです。



秋山さん もっとポップな感じで変な表情とかを求められると思っていたので、まさかのこっち系で驚きました。けっこう切り込んでいて面白いですが、めちゃくちゃ怖かったので、「仲さんこんなこと考えてたの!?」とはなりましたけど(笑)。僕にとってはいままでに挑戦したことのないジャンルということもあり、新境地を切り開いた気がしています。

―演じるうえで、これまでに出会った週刊誌のカメラマンさんを参考にしたようなこともありましたか?



秋山さん 僕は特に追い回されるようなことはないのでそれはなかったですが、多くの芸能人はこういう状況と隣り合わせにいるんですよね…。この作品はぜひ撮っている側の人にも観てもらいたいなと思っています。

いまや誰もが同じことをしてしまう可能性がある

―仲さんも撮られる側ですが、そういう経験を反映している部分もあったのでしょうか。



仲さん こういう話になったのは、ホラーやサスペンスが好きだからというのが一番ですが、「こちらはこんな気持ちだけど、撮っている人はどうなんだろう」というのは前から考えていました。



秋山さん それは僕も思っていました。



仲さん しかも、最近はSNSでの拡散によって一般の方も同じようなことをしている場合もありますからね。なので、誰もが同じことをしてしまうかもしれないというのを心に置いてほしい気持ちはあります。

―普段から撮られることが多いと思いますが、何か対処法などはありますか?



秋山さん 一般の方はこっちにバレていないと思ってスマホを向けてくることが大半ですが、表情でバレバレ(笑)。やっぱりプロではない方のお芝居には限界があるんだなと。撮影中のときはわざと番組以上のテンションで向かっていくこともあるんですけど、そうすると逆に向こうが「やめてください」みたいにドン引きしちゃうので、それを楽しんでいます(笑)。ただ、家族といるときとかに撮られるのはやっぱり嫌ですね。

学生時代は秋山さんの話題から一日が始まっていた

―おふたりが初めて会われたのは7年前ですが、秋山さんのファンでもある仲さんは「いつか共演したい」「100年分の勇気を振り絞って写真を撮ってもらった」とSNSに書かれていたので、現在の関係性には感慨深いところもあるのではないかなと。



秋山さん そんなこと言ってくれていたんですか!? 僕もあの日のことは忘れていませんよ。バラエティ番組で芸人グループとドラマに出演されている俳優さんたちはまったく別なのに、いきなり仲さんが「前からファンなので写真撮ってください」って来てくれたんですよね。



仲さん 私の世代にとって、“レジェンド”ですから。学生時代は秋山さんが出ていた番組の話題から学校生活が始まっていたくらいです。



秋山さん いやいや。僕も仲さんには感謝しかないんですけど、それはなぜかというと、どんなに小さいイベントでも、声をかけると毎回引き受けてくださるからです。「女優さんとかでお知り合いはいませんか?」とよく聞かれますが、申し訳ないことに仲さんしかいなくて(笑)。シャーペンの芯が入った消しゴムの手術をしたりする誰も見ていないようなロバートのどうしようもない番組でも来てくれますからね。



仲さん そういうところが大好きなんですよ。最高です!

大問題になりそうな企画を次回も一緒にしたい

―監督と主演という形で一緒に映画を作る未来は想像されていましたか?



仲さん 秋山さんを主演にできた喜びはすごいですよ。本当にしつこく言い続けてよかったです。



秋山さん 僕もめちゃくちゃうれしいですよ。



仲さん そのために「負担をなくせー!」と叫んでセリフをなくしたくらいですから(笑)。



秋山さん セリフがあったとしても絶対に出させていただきますよ。



仲さん でも、もし覚える時間がなかったら、今度はカンペ出しますね(笑)。



秋山さん あははは! てか、全方向にカンペを置く企画も面白そうですね。タイトルは『KANPE』にして、演者全員がカンペを見て演技をするとか。



仲さん いいですね! カンペありバージョンと覚えてきたバージョンを比べて審査するのもいいかも。もし、カンペの作品が賞を獲ったらどうします?



秋山さん 大問題になりますね(笑)。 ぜひ、次の企画でやりましょう。

エネルギーを使い切る毎日にしてほしい

―おふたりとも自分のしたいことを口にして着実に形にされていますが、どんなに忙しくてもフットワークの軽さを維持できている秘訣は?



仲さん 私はじっとできないタイプなんですよ。最近もやりたいことがいろいろありすぎて、寝る時間もないくらいです。



秋山さん 仲さんはドラマに出ながら動画の編集もするし、バラエティにも出るし、バイタリティがすごいですよね。以前、ドラマ『黒い十人の秋山』に出演をお願いしたときも、映画とドラマに入っているのにそれでもオッケーしてくださって。



仲さん でも、あの作品はセリフが多かったですよね…。もちろんカンペなしでやりましたけど!



秋山さん (笑)。いやー、あのときにカンペのシステムを思いついていればよかったですね。僕もただ好きなことをしているだけで、それをさせていただける場所を渡り歩いているだけ。プライベートでもつい仕事のことを考えてしまいますけど、好きなのであまりストレスも感じていません。

―それでは最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。



仲さん 省エネは環境にはいいですが、自分的にはよくないと思うので、ぜひエネルギーを使い切る毎日にしてほしいですね。私は気絶レベルで寝ている感じですが、それくらい「やり切った!」と思えるような日々を送っていただけたらいいなと思います。



秋山さん めちゃくちゃいいですね。というか、僕もまったく同じです! 布団に入ったら記憶がないくらいの早さで寝ちゃいますし、朝は「さあ寝よう」みたいな顔のままで起きているくらいですから(笑)。でも、それくらいフルで動いたほうがいいですし、疲れ切ったほうがよく寝れますよね。



仲さん そうなんですよ! 一日一日がもったいないので、みなさんもぜひ。

インタビューを終えてみて…。

息のあったテンポのいいやりとりを繰り広げていた仲さんと秋山さん。これまでに数々の取材を行なってきましたが、エネルギッシュで頭の回転が早いおふたりということもあり、撮影中も取材中もこんなに笑い続けた取材はなかったのではないかと感じたほど楽しませていただきました。今回の作品では、そんなおふたりが見せるギャップと渾身の表情にも注目です。

独自の世界観へと引き込まれる

いい意味で期待を裏切られるような、仲さんと秋山さんの新たな一面を堪能することができる本作。そのほかにも、豪華俳優陣が手掛けたオリジナリティあふれる作品が揃っているので、あわせてお楽しみください。

写真・大内カオリ(仲里依紗、秋山竜次) 取材、文・志村昌美
仲里依紗 スタイリスト・黒瀬結以  ヘアメイク・本岡明浩
ジャケット¥86,240(メゾン ジー シモーヌ/ハイシックスティーファイブ https://hi65.official.ec/)、中に着たトップス¥49,500(ディーゼル/ディーゼル ジャパン 0120-55-1978)、メガネ¥36,300(ジェントルモンスター)、イヤリング¥17,600、リボンネックレス¥14,300、チョーカー¥17,600、両手人差し指リング[2本セットで]¥15,400、右手薬指リング¥9,900、右手小指リング[2本セットで]¥11,000(以上ビジュー アール・アイ 03-3770-6809)、左手薬指リング¥16,500(モイラエックスメル/イノメント info@innoment-tokyo.com)
秋山竜次 スタイリスト・古澤愛

ストーリー

週刊誌のカメラマンとして有名人を追い回してきた鏑木。あるとき、自身が暴露したスキャンダルが原因で女優を死に追いやってしまう。その出来事をきっかけにスランプに陥った鏑木は、上司や同僚に再起を誓うが、思うようにいかない。そんなある日、鏑木は追いかけていたアイドルの情報をタレコミする発信元不明のメッセージを受け取るのだった…。

裏側が垣間見れるメイキング映像はこちら!

作品情報

『アクターズ・ショート・フィルム4』
3月1日(金)午前0:00 WOWOWオンデマンドで全作配信開始!
WOWOWオンデマンド:
3月8日(金)より毎週1本ずつ放送! WOWOWプライム
・3月8日 (金) 午後11:30~ 千葉雄大監督作
・3月15日(金) 午後11:30~ 仲里依紗監督作
・3月22日(金) 午後11:30~ 福士蒼汰監督作
・3月29日(金) 午後11:30~ 森崎ウィン監督作
監督:千葉雄大、仲里依紗、福士蒼汰、森崎ウィン(※五十音順)
主演:一ノ瀬颯・秋山竜次・清水尋也・芋生悠・中尾ミエ・鈴木伸之(※監督の五十音順)
製作著作:WOWOW

写真・大内カオリ(仲里依紗、秋山竜次)

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