ファーストサマーウイカ「下の世代は気にしすぎ!」 大久保佳代子と語る“おばさん構文”“マルハラ”問題
ananweb / 2024年4月23日 19時0分
異なる世代と接する時、価値観や文化の違いから会話がかみ合わなかったり、うまくコミュニケーションがとれないことがある現代。そこで、バラエティ番組などで幅広い年齢層の人と接する機会が多い、大久保佳代子さんとファーストサマーウイカさんに、世代間ギャップについての本音を伺ってみました。
人気バラエティ番組『上田と女が吠える夜』の新シリーズとなる、ディープなテーマで女性のリアルに迫るトークバラエティ『上田と女がDEEPに吠える夜』が4月にスタート。そこで当番組に出演中の大久保佳代子さんと、ファーストサマーウイカさんがananに登場。最近、「マルハラ」「おじさん構文」「おばさん構文」といったワードが取り沙汰されていることもあり、いま気になるマナー&コミュニケーションの世代間ギャップについて、年齢差19歳のおふたりにディープに語り尽くしてもらいました。
――タレントとしてご活躍のおふたりは芸能界の方や番組に携わる方など、様々な世代の人と関わることが多いと思います。大久保さんは下の世代と考え方が違うなと思ったり、違和感を覚えることはありますか?
大久保佳代子(以下、大久保):一番は恋愛の仕方かな。マッチングアプリで出会うのが当たり前と聞いて、時代は変わったとしみじみ感じています。
ファーストサマーウイカ(以下、ウイカ):そうですね。結婚式でも「新郎新婦の出会いはマッチングアプリです!」とか普通に言っていると聞きますよね。
大久保:あとジェンダーやルッキズムの観点から、見た目についてもあまりツッコまないようにしています。昔は私もよく見た目についてイジられましたが、最近はそういうことも少なくなりましたね。でも下の世代の方と話していて、世代間ギャップを無理に埋めようとすることはないです。価値観の違いは感じるけど、それはそれで受け入れる。わからない言葉が出てくることも多くありますが、その時は素直に「それってどういう意味なの?」と、こちらから歩み寄って教えてもらっています。知ったかぶりしても、自分の首を絞めるだけだから。
――ウイカさんは、上の世代の方と話していて、ギャップを感じることはありますか?
ウイカ:私は平成2年生まれで時代の狭間を生きてきたんですが、上の世代よりは下の世代にギャップを感じることが多くなってきました。たとえば教室でTikTokを撮って、学校名や名前とか全部さらけ出している人を見ると、「デジタルネイティブ世代が、そのネットリテラシーの低さで大丈夫?」と恐ろしさを感じます。逆に上の世代は、まだ今の時代に馴染めていないのも仕方ないと思うので、寛容に受け止められますね。でも上の世代の方が、時代錯誤な発言を平気でしていると、「おいおい炎上しちゃうよ!」と、こっちがハラハラしてきちゃいます。
大久保:わかる! 私もテレビで危うい発言をしている人を勝手にパブサしますもん。
ウイカ:悪趣味(笑)。
大久保:その発言がセーフなのかアウトなのかわからないことがまだまだあるから、世間の反応を見て反面教師にしてるの!
ウイカ:現代の感度をチューニングしてるんですね。
大久保:そんな感じかな。たしかに発言ひとつするにもいろんなことに配慮して言葉を選ばないといけないので、窮屈ではありますが、でもそれはそれでゲームのように、ルールやマナーがある中ですり抜けていくことを楽しめばいいんじゃないかなって。あまり考えすぎずにポジティブにね。
ウイカ:以前「大久保さん、すごい」と率直に思ったことがあったんです。それは収録で、男性ゲストが出演した時、「彼女とデートしてる時にどこに行きますか?」と書かれたカンペを見て、彼女をパートナーという言葉にさらっと変えて質問したんです。そのさりげないアップデート感にすごく気遣いを感じましたね。
――いま話題になっていますが、「マルハラ」「おじさん構文」「おばさん構文」についておふたりはどう思いますか?
大久保:国語の授業で、文章の最後には句点を打つと習ってきたわけだから、なんでそれをしただけで威圧的って言われないといけないのかギモンです。
ウイカ:歌人の俵万智さんも×ではなくで必ず終わるのが日本語の良さだって言ってましたよね。本当にそういう日本語の風情を大切にしてほしい。大久保さんが下の世代に歩み寄ると言っていたけれど、下の世代も上の世代に歩み寄ることが大事なんじゃないかな。
大久保:確かに若い世代の“ハラ”を気にしすぎな部分はある。なんでこっちが合わせなきゃいけないんだってのが本音。絵文字や句読点を多用する「おばさん構文」だって素敵じゃない。
ウイカ:義理のお母さんから送られてくるメールも絵文字ばっかりだけど、すごく愛に溢れていて、ありがたみを感じますよ。だってメール1通打つのにすごく時間をかけてくれている。それだけ手間ひまかけてコミュニケーションをとろうとしている表れだと思うんです。贈り物する時だってきちんと包装紙に包んで紙袋に入れて渡すじゃないですか。今はサステナブルな時代だけど、言葉やコミュニケーションが簡素化されるのはちょっと違う気がします。
大久保:それが人に対する思いやりや心遣いだよね。コミュニケーションは、相手とどういう関係を構築していきたいか、いろいろ考えながら深めていくものだと思うけど、こんな「マルハラ」だとか「おばさん構文」だとか言われちゃったら、関係も構築したくなくなりますね。
ウイカ:そう。「最後に句点がついてるから怒っているのかな」とか、下の世代は気にしすぎ。はっきり言って自意識過剰! そんな浅いところばかりで相手の考えを読み取ろうとしていたら、世代間ギャップは埋まらない。顔色ばかり窺っても仕方ないし、特にSNSなんて顔の見えないやりとりなんだから、もっと話の内容に注目しないと!
大久保:相手が自分のことをどう思っているのか必要以上に考えても無駄。相手の気持ちを想像するのは大事なことだけど、他人のことなんて過度に気にしてもわからないことばかりだし、翌日には相手の感情も変わっているかもしれない。考えすぎて重く受け止めるぐらいだったら、ごはん食べてゆっくり寝て、翌日を迎えなさい!
ウイカ:そうそう。上とか下とかばかり気にしていたら、良い関係性は絶対に生まれない。だからみんな各々頑張ってこうぜ。
『上田と女がDEEPに吠える夜』 日本テレビ系にて毎週火曜23:59~24:24放送中。毎週水曜21:00~放送中の『上田と女が吠える夜』の新シリーズ番組で、家族や友人とも話さないかもしれないディープなテーマで語り合う、大人のためのトークバラエティ。MCは上田晋也。レギュラーメンバーの大久保佳代子、いとうあさこ、MEGUMI、若槻千夏、ファーストサマーウイカ(毎回1~2名登場)がゲストを迎え、社会のリアルな価値観に注目し、意見を交わしていく。
ファーストサマーウイカ(写真・右) 1990年6月4日生まれ、大阪府出身。タレント、俳優、歌手。アイドルを経て、バラエティやドラマ、ラジオなどジャンルレスに活躍の幅を広げている。大河ドラマ『光る君へ』(NHK)で清少納言を好演中。
おおくぼ・かよこ(写真・左) 1971年5月12日生まれ、愛知県出身。タレント。お笑いコンビ・オアシズのメンバー。多数のバラエティ番組や情報番組に出演し、歯に衣着せぬ物言いで本音が話せるタレントとして支持されている。
※『anan』2024年4月24日号より。写真・小笠原真紀 取材、文・鈴木恵美
(by anan編集部)
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