「いつものサラダ」がなぜおいしい?心に余裕ができる、時間に追われない食事を
ANGIE / 2016年7月19日 23時30分
「私のお料理は、特別なことはなにもなくて、普通につくるだけ。でも大事なのは、熱を加える途中で何度も火をとめて休ませること。人生も、人間もね、たまには休むのが大事です」
そうおっしゃったのは、青森県の岩木山のふもとで癒しの場「森のイスキア」を主催した佐藤初女(はつめ)さん。
残念ながら94歳で今年の2月に亡くなられましたが、生きる希望を失ってイスキアを訪ねてきた人々の話に耳を傾け、食でもてなして人生の再出発をサポートしてきた方の言葉です。
「野菜が痛くないように、皮をむくときピーラーは使いません」「今日はお庭で一緒に山菜を摘みましょう」「おにぎりという人もいるけれど、私は、おむすびと呼んでるの。人と人をむすぶたべもの、ということで、おむすび」そんな初音さんの言葉がつづられた『いのちのエール』を読むと、カレンダーの日にちを追いかけ、時間に追われる毎日では気づけないことを、初女さんは大切に大切に、生きていらしたんだなと思います。
「数字」ではなく太陽や月、自然に寄り添う生活を意識するとイライラもおさまり、気持ちもまぁるくなって、感謝の気持ちがわいてきます。体の底からエネルギーが高まるのを感じられるでしょう。
自然は、食事をとおして感じることができます。今日はこの時季の七十二候、旬のおいしい食材をいかした絶品エスニックサラダのレシピをご紹介しましょう。
七十二候とは?
時間に追われて生きることに疲れたら、ひと休みしませんか? 流れゆく季節の「気配」や「きざし」を感じて、自然とつながりましょう。自然はすべての人に贈られた「宝物」。季節を感じる暮らしは、あなたの心を癒し、元気にしてくれるでしょう。
季節は「春夏秋冬」の4つだけではありません。日本には旧暦で72もの豊かな季節があります。およそ15日ごとに「立夏(りっか)」「小満(しょうまん)」と、季節の名前がつけられた「二十四節気」。それをさらに5日ごとに区切ったのが「七十二候」です。
「蛙始めて鳴く(かえるはじめてなく)」「蚯蚓出ずる(みみずいずる)」……七十二候の呼び名は、まるでひと言で書かれた日記のよう。そこに込められた思いに耳を澄ませてみると、聴こえてくるさまざまな声がありますよ。
生きるための準備をする時期
7月17日~21日頃は第三十三候「鷹乃学をならう(たかすなわちわざをならう)」。「鷹乃学習」とも書きます。なかなか、読めませんよね? でも言葉の意味を知ると、「なるほど~」と納得しますよ。
「鷹乃学習」は、鷹の子どもたちが飛び方を学ぶ時季という意味なんです。鷹も最初から上手に飛べるわけではありません。生まれてから1ヶ月ほどして体が大きくなったら、巣の中でパタパタしてみたり、ジャンプをしてみたり、隣の枝にピョーンと移ってみたり。羽ばたく練習をするのだそう。
鷹は飛ばなければ、獲物をとることは出来ません。この言葉には、生きるためのわざをならうという意味が込められています。勇ましいイメージのある鷹ですが、鷹の子どもたちの巣立ちの準備を知ると、人間の子どもと一緒だなとちょっとだけ親近感が。
いにしえの人は、鳥や水の中の生き物、草花と、あらゆるいのちに目をこらし、季節を感じていたのですね。
自然を感じて、心の準備!今が旬のおいしい野菜といったら?
今の時季、瓜の仲間たちが実りの季節を迎えています。食卓でおなじみのきゅうりも夏が旬!
夏休み、田舎にかえると、水桶できゅうりとトマトを冷やしてみんなで食べた思い出があります。皆さんは、おいしいきゅうりの見分け方はご存知ですか? ハリとツヤがあって、濃い緑色をたたえ、表面のイボイボがピン! ととがっているものが新鮮。
そんなきゅうりを使った、絶品エスニックサラダをご紹介します。使う食材は、今が旬のきゅうり、プチトマト、そしてさつま揚げ。ちょっとミスマッチ!? と思った皆さん、これがまた絶品なんですよ! 調理時間はわずか5分です。
簡単!誰でもつくれる絶品サラダのレシピ
【材料:2人前】
きゅうり・・・2本
プチトマト・・・4個
さつま揚げ・・・2枚
バター・・・適量
スイートチリソース・・・分量はお好みで
1. 野菜は水洗いして、キッチンペーパーなどでよく水気をふき取りましょう。きゅうり、プチトマト、さつま揚げは角切りに。
2. 器にカットしたきゅうりとプチトマトを盛りつけます。
3. バターを熱したフライパンでさつま揚げをこんがりと炒め、2にのせて完成。スイートチリソースをかけていただきます。
きゅうり、プチトマト、さつま揚げがミックスされた不思議な食感と、さつま揚げの甘い香りが食欲をそそりますよ。きゅうりのおいしいこの時季、ぜひおためしあれ!
自然はみんなつながっている
7月第3月曜日の7月18日は「海の日」ですね。実は、海に面していない奈良県では、「山の日・川の日」というのだそうです。奈良の美しい山と川を次世代に残そう! と、河川のゴミ拾い活動や、木工クラフト体験などが行われるのだとか。
同じ日本でありながら「海」「山」「川」と、それぞれ身近な自然に思いを馳せる日。素敵だなと思いました。
雨や雪が山や森に降り注ぎ、大地にしみこみながら川へ流れ、いつしか海へ。海の水は蒸発して雲をつくり、雨や雪を降らせると思えば、自然はつながっていますね。
自然の中のちいさないのちを愛おしみ、自然を感じ、自然をいただく。そんな毎日が、私たちの心を豊かに、元気にしてくれるでしょう。
【参考】『くらしを楽しむ七十二候』広田千悦子/泰文堂
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