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これ、見たことある! 昭和のレコードプレーヤーを現代の技術で完全復刻した「GP-N3R」が懐かしカッコイイ

ASCII.jp / 2024年3月21日 18時0分

レコードプレーヤー「GP-N3R」
アナバス「GP-N3R」実売価格2万1780円(レコードは別売ですよ)

 筆者はアナログレコード現役世代。子どものときに購入した雑誌にはたまにレコードのような「ソノシート」という塩化ビニール製レコードのペラペラの薄い付録が挟まれており、よく聴いたものです。ただそのとき(たぶん幼稚園~小学生低学年ぐらい)には父親のオーディオシステムに触ることは許されておらず、子ども用としてちょっとチープなレコードプレーヤーを買い与えられていました。

 当時の写真は残っておらず、今となっては型番などもわからないのですが、赤とベージュを組み合わせたカラーリングだったなぁ、ということはしっかりと覚えています。「……あ、これじゃん?」というわけで借用したのが、アナバスのポータブルレコードプレーヤー「GP-N3R」なのです。

コロムビア製「GP-3R」を現代の技術で完全再現!

 アナバス「GP-N3R」は、コロムビア製「GP-3R」をモチーフにしたポータブルレコードプレーヤー。「GP-3R」の製造販売会社の承諾を受けて企画・生産されており、当時のカタログまで忠実に再現しているとのこと。

レコードプレーヤー「GP-N3R」
昭和感あふれるイラストがあしらわれたカタログは、「GP-N3R」の製品公式サイトからダウンロード可能です

 派手なカラーのポップなデザインは「GP-3R」を踏襲。ただし復刻するにあたって、回路や部品を一新し、カートリッジにはオーディオテクニカ製「AT-3600LA」を採用。音質は「GP-3R」よりグレードアップしていると謳われています。

レコードプレーヤー「GP-N3R」
カートリッジは「AT-3600LA」、レコード針は「ATN-3600L」を使用。レコード針が消耗しても交換することで、本製品を長く愛用できるわけです

 ポータブルレコードプレーヤーにカテゴライズされる本製品は、電源にACアダプターと、単1型乾電池×6本を使用可能。リビング、キッチン、寝室だけでなく、ピクニックやハイキングなどに持ち出して、レコード演奏を楽しめるわけです。たき火に照らされたレコードがくるくる回転する光景を眺めれば、同じ曲でもさらに美しく、もしくは情熱的に聞こえること間違いなしであります(ただし火の近くや真夏の直射日光下での使用には注意を)。

レコードプレーヤー「GP-N3R」
単1型乾電池は6本使用。ちなみにこのAmazonベーシックの電池は12本で1394円(記事執筆時)なので、6本なら697円。乾電池での駆動時間はスペックに記載されていませんが、家ではACアダプターで運用した方が地球とお財布に優しいですね

 本体サイズは220×385×80mm、重量は約1.3kg(電池を除く)。プレーヤーとしてのスペックは、33回転、45回転に対応した2スピードプレーヤーで、プラス5%以上の回転スピード調整機構を装備。トーンアームはダイナミックバランス型、モーターはDCモーター、駆動方式はベルトドライブ、ターンテーブルは17cm。そしてスピーカーは定格出力約2W(ドライブユニット:10cm、インピーダンス:8Ω)×1のモノラル仕様です。

レコードプレーヤー「GP-N3R」
パッケージデザインはオリジナルの「GP-3R」を再現。ただし右下の「2kg」が「1.8kg」に変わっています
レコードプレーヤー「GP-N3R」
パッケージには本体、レコードホルダー、ドーナツ盤用アダプター、ACアダプター、保証書付き取り扱い説明書が同梱
レコードプレーヤー「GP-N3R」
ACアダプターのコード長は実測190cm

 操作部のロゴは「COLUMBIA」から「ANABAS」に変更されていますが、操作方法はオリジナルを踏襲。音量ツマミが電源スイッチを兼ねていたり、ピックアップを持ち上げるとレコードが回転するなどシンプルな作りが好印象です。

レコードプレーヤー「GP-N3R」
本体上面。上ブタを装着しても操作部は露出しています
レコードプレーヤー「GP-N3R」
上側にはレコードスピード調整ツマミ、電源スイッチ・音量調整ツマミ、イヤホン・録音端子、右下には速度切り替えツマミが配置
レコードプレーヤー「GP-N3R」
ドーナツ盤用アダプターは本体の上、レコードホルダーは上ブタの裏に装着可能。なくす心配はありません
レコードホルダーの注意書きがオリジナルにも貼られていたかどうかは……覚えていません。オリジナルを所有している方、ぜひ教えてください
本体底面。壁掛け用の穴が設けられており、壁フックさえ用意すればすぐにセットできます
前面と背面。前面には持ち運びに便利なハンドルが用意
右側面と左側面。左側面には電源端子が配置されています
実測重量は1282g(電池を除く)

一連の操作は音楽を聴くための儀式のようで新鮮です

 本製品の使い方は少し独特で、上ブタをはずす、電源スイッチ・音量ツマミを右に回す、ピックアップをアームキャッチャーからはずしてアームレストに乗せる、速度切り替えツマミをレコードの回転数に合わせる、レコードをターンテーブルに乗せる、ピックアップの針先をレコードに乗せる……という流れになります。

 CDだったら挿入するだけで再生が始まるので、「GP-N3R」の操作を面倒に感じる方が多いかもしれませんね。また、経験のない方は針先をレコードに乗せるのがドキドキしたりするかもしれません。しかし、一連の操作は音楽を聴くための儀式のようで、新鮮に感じられること間違いなし。ぜひ一度ご体験ください。

一応触ったことがあるはずの筆者は、マニュアルを読まずに操作できました。ただし、説明書とは手順が違っていますね。昔から、自分がマニュアル読まない星人だったことを思い出しました
レコードホルダーを装着すると、柱や壁に掛けたり、斜めに立てかけて17cmレコードを再生できます

 音質は予想よりよかったです。さすがに昔聴いたレコードプレーヤーの音は覚えていないので、それと比べてよいのか、いまいちなのかはわかりません。しかし、今回実際に「GP-N3R」でアナログレコードを聴いてみたところ、ややボディー内で音が響くような傾向はありますが、再生される音は伸びやかでボリュームも十分です。モノラルではあっても音楽鑑賞を楽しめるレベルに達しているというのが率直な感想です。

今回はQUEENの「JAZZ」を聴いてみました。復刻版ではなく発売当時のレコードです
QUEEN「JAZZ」に収録されている「DEAD ON TIME」を最大ボリュームで再生した際の音圧は85.0dBA(50cmの距離で計測)。同じ部屋で聴くなら十分なボリュームです

初めてのレコードプレーヤーにぴったり

 「GP-N3R」はまずとにかくデザインが可愛いです。ベージュとレッドのカラーの組み合わせは、天才かよ、と素直に思います。また、ボディーが現代の基準からしても十分コンパクト。適当な棚に突っ込んでおいてもジャマになりませんし、なんなら壁に掛けてもよいですよね。そして乾電池駆動可能なので、利用する場所を選びません。今回も前回に引き続き、エモ度、レトロ度とも100点を迷わず付けざるを得ません。

 安価なレコードプレーヤーだと耐久性などが不安ですが、本製品は構造がシンプルであり、今でもカートリッジの入手が容易。「GP-N3R」は初めてのレコードプレーヤーにぴったりの製品と強くお勧めできます。

この記事を書いた人──ジャイアン鈴木

 EYE-COM、TECH Win、TECH GIAN、PDA Magazine、DIGITAL CHOICE、ログイン、週刊アスキー、週アスPLUSと主にPC系メディアで勤務。2015年1月よりフリーの編集兼ライターとして活動を開始した。

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