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グーグルが7万円台「Pixel 8a」発表! AI機能が充実、気になる内容は?

ASCII.jp / 2024年5月8日 1時0分

 グーグルがAndroid 14を搭載する「Google Pixel 8a」を5月14日に発売します。Google ストアでは5月8日から予約販売が始まりました。ストアの価格は7万2600円。ソフトウェアアップデートにより独自のAIモデル「Gemini Nano」に対応することも予告されている新しいPixel Aシリーズです。

 カラーバリエーションにはグリーン系のAloe(アロエ)のほか、ブルー系のBay(ベイ)、ホワイト系のPorcelain(ポーセレン)、ブラック系のObsidian(オプシディアン)の4色があります。

Aloe(アロエ)
Bay(ベイ)
Porcelain(ポーセレン)
Obsidian(オプシディアン)

 プロセッサーはグーグルが独自に設計した「Tensor G3」。そのパフォーマンスはほかのPixel 8シリーズから変更ありません。5G通信はSub-6に対応。nanoSIMとeSIMによるデュアルSIMをサポートします。RAMは8GB、ストレージは128GB。

 価格は2023年5月11日に6万2700円で発売されたGoogle Pixel 7aよりも約1万円アップしていますが、そのぶんPixel 8aのどこがパワーアップしたのか差分を解説します。

6.1インチのコンパクトサイズ。キズにも強い

 Pixel Aシリーズはグーグルが「安価なスマホで最高のユーザー体験を提供すること」を目指して、毎年初夏ごろに新製品を投入してきたミドルレンジのスマートフォンです。今回のPixel 8aは「カメラ体験」「AIの活用による生産性」「安全性」「ハードウェアとソフトウェアの体験」のそれぞれを向上することが、大きな4つの強化ポイントだったと、グーグル本社のGoogle Pixel製品管理担当ディレクターであるシェナズ・ザック氏が話しています。

 ハードウェアによる体験については片手でホールドしやすいデザインを継承しながら、耐久性を高めています。本体の厚さが0.1mm薄くなり、質量は約5.5gほど軽量化されました。

 ディスプレーは6.1インチの有機EL。解像度は2400×1080ピクセル、画素密度は430ppiと、ここまではPixel 7aと同じですが、Pixel Aシリーズに初めてActuaディスプレーを採用しています。

 Actuaはグーグルが独自に開発した傷が付きにくいディスプレー。スマホ本体もIP67相当の防塵・防水設計です。サイドフレームとカメラバーは金属製。筆者はまだ実機に触れていませんが、背面はマット加工に仕上げているようです。

本体とカメラバーにリサイクルアルミニウム素材を100%使用し、バックカバーにはリサイクルプラスチック素材を76%使用している

 Pixel 7aでは詳細な数値を公表していなかったディスプレーの輝度性能については、Pixel 8aではHDRコンテンツ表示時に1400ニト、ピーク輝度は2000ニトであることが明かされています。リフレッシュレートもPixel 7aは最大90Hzでしたが、Pixel 8aではデバイスの設定から「スムーズディスプレー」をオンにすると、コンテンツに応じて最大120Hzまで自動的にリフレッシュレートを可変します。動きの速い動画も滑らかに表示ができそうですが、機能オン時には多くのバッテリーを消費します。

 バッテリーの容量は4400mAh前後で、新旧機種間でほぼ一緒。ですが、Pixel 8aではTensor G3を搭載したことによりバッテリーパフォーマンスが少し改善することも期待できそうです。ワイヤレス充電、急速充電の機能はPixel 8aにも載ります。

グーグルのAIスマホが「できること」とは

 グーグルは最新のTensor G3チップのパフォーマンスを活かして、Pixel Aシリーズにも独自のGoogle AI機能の数々を搭載しました。

 Pixel 8aは、発売後に予定するFeature Dropによるアップデート後から、デベロッパーオプションとしてGemini Nanoが使えるようになります。ソフトウェアアップデートの提供開始時期については、発表時点ではまだ明言されていません。

 先にGoogle Pixel 8 ProがGemini Nanoに対応していますが、オンデバイスのGemini Nanoにより当初「できること」はPixel 8aも一緒のようです。

 純正レコーダーアプリの「要約」と、メッセージアプリなどでGboardを使ったスマートリプライ(AIによる応答テキストの先読み提案)が使えます。ただし5月8日時点ではまだ、どちらの機能も「グローバル提供ながらも、対応言語は英語のみ」というステータスです。

 Google Playストアから提供されているGeminiアプリは、日本語にも対応しました。生成AI処理はクラウドベースになりますが、Gmailに届いたメールやGoogleドキュメント、YouTube動画の内容をGoogle AIが解析して要約を自動生成する機能などが使えます。

 ほかにも「かこって検索」や「リアルタイム翻訳」のように、ユーザーの作業効率や時短をサポートするGoogle AI機能が揃います。

 そして、Pixel 8aのカメラもGoogle AIにより賢くなります。

写真・動画のAI編集機能が充実

 背面のメインカメラは64MPのクアッドPD広角カメラと、13MPの超広角カメラによるデュアルカメラシステムです。広角カメラによる8倍超解像ズームや4Kビデオ撮影、120度の画角をカバーする超広角カメラのスペックはPixel 7aと変わりません。Google Pixel 8 Proが搭載するプロ設定や温度センサーは非対応です。

 ハードウェア的にはPixel 7aを継承しているようですが、Tensor G3チップが載ったことで、撮影した写真や動画を後からAIで編集できる機能が充実します。ボケ補正、消しゴムマジック、夜景モードなどはPixel 7aから継承しつつ、Pixel 8シリーズからの新機能を追加しました。

撮影後の写真をスマホだけで加工できる「編集マジック」

 例えば撮影後の写真をスマホだけで加工できる「編集マジック」、似通った複数の写真から最もきれいに撮れている顔画像を選択できる「ベストテイク」、そして動画音声の後処理加工ができる「音声消しゴムマジック」などが挙げられます。

似た複数の写真からきれいに撮れている顔画像を選択できる「ベストテイク」
風、人混み、そのほかの騒音など、気になる音を簡単に削除して、聞きたい音だけを残すことができる「音声消しゴムマジック」

 Pixelシリーズの安全性を支えるTensorセキュリティコア、Titan M2セキュリティチップにより、Pixel 8aも複数のセキュリティレイヤーによりユーザーの個人情報を護ります。生体認証にはPixel 8シリーズと同様にディスプレー内蔵指紋認証センサーと顔認証の両方を搭載しています。

 Pixel Aシリーズとしては初めてとなる、7年間のOSとセキュリティのアップデート提供、Feature Dropのサポートも発表されています。

 Pixel Aシリーズの最新機種は約1万円の価格アップとなりますが、Google AIやAIを活用するカメラの機能が、購入後も長く快適に使えるお得なグーグルのミドルレンジスマホになりそうです。実機の使用感もまたレポートしたいと思います。

   

筆者紹介――山本 敦  オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。

 

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