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ホルモンバランスの乱れとは?整える方法は?医師がアンサー!

美人百花デジタル / 2022年9月11日 17時35分

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“女性のホルモンバランスは乱れやすい”とはよく聞きますが、いまいち理解しきれていない女性は多いのでは? 今回は、「ケイ・レディースクリニック新宿」理事長の川越信隆先生にホルモンバランスについて伺いました。

 

そもそもホルモンとはどのようなものでしょうか。

ホルモンとは、生物の体内において合成・分泌され、体内を循環し、特定の細胞で特定の効果を発揮する生理活性物質です。ホルモンが伝える情報は生物の健康維持に欠かせない重要な役割を果たします。さまざまなホルモンが私たちの体内には存在しますが、今回は女性ホルモンのみについて解説します。

女性ホルモンには「エストロゲン」と「プロゲステロン」という2種類があります。そ れぞれ、一定の周期で分泌量が増減します。

■エストロゲン=卵胞ホルモン。脂肪を蓄える作用があり、コラーゲン生成に不可欠なホルモンです。肌だけでなく、髪も骨もコラーゲンから作られています。閉経を迎えるとエストロゲンが激減するため骨密度が下がります。(閉経後に)骨粗鬆症が増えるのはそのためです。

■プロゲステロン=黄体ホルモン。子宮内膜を妊娠に適した状態にします。妊娠が成立した場合には、出産までの間、妊娠を維持する役目も果たします。

ホルモンバランスが乱れる原因を教えてください。

ここでは女性ホルモンのみに関して説明します。なぜ女性ホルモンが乱れるのか、これは毎月排卵することが原因であると考えられます。実は「毎月排卵するのは(生物学的観点からは)本来の姿ではない」のです。

ありとあらゆる全ての動物は生きている限り子作りを続けます(ちなみに閉経という現象が確認されているのはヒトだけです。生殖能力を失った後も生きることができる稀有な種といえます)。生殖を行わない生物は報告されていません。すなわち、生物の本質は生殖行為である、とも言えます。

できる限り生殖に時間とエネルギーを費やすというのは、“生きている限り心臓が動いている”のと同じくらい当然の話。これは哺乳類に限りません。爬虫類、鳥類、昆虫、全てそうです。例外はありません。仮に繁殖に充分な個体数を次世代に残せなかったら、その種はやがて絶滅してしまいます。つまり、絶滅を避けるには、できる限り多くの子孫を残すしか道はありません。実際、数多くの種がこの地球上に誕生し、90〜99% は絶滅しました。絶滅した種の数は50億から500億にものぼると推定されています。

現存する約4000種の哺乳類の中で、避妊する生物は当然ヒトだけです。それでは避妊という行為はヒトに備わった特徴なのでしょうか? 今から1万年前に避妊しているヒ がいたでしょうか? 当然いないはずです。文字の存在すら怪しいのに、避妊という概念が成立するわけがありません。ヒト属に限ってみても、500万年ほどは避妊という行為とは無縁でした。つまりヒトという種の間に「避妊」という概念が広まったのはごくごく最近のことなのです。こうやって考えると、性的に成熟した後、ずーっと妊娠している のが「ヒトとして当たり前」であることが容易に理解できると思います。普通は出産後半年も経たずに排卵が復活し、妊娠可能になりますから、性的に成熟したら死ぬまで妊娠し続ける。妊娠している間は排卵もしない。これが極めて“自然な状態”です。冒頭の 「女性が毎月排卵するのは本来の姿ではない」という意味がご理解頂けたかと思いま す。

「生涯に妊娠するのは数回」「妊娠するのは特別な状態」だと勘違いしている人がとても多いです。しかし繰り返しますが、哺乳類のメスは命が尽きるまで妊娠し続けるのが当たり前です。

婦人科学観点からも、妊娠しているのが当然であることを示す証拠があります。卵巣癌、子宮体癌の発生率は生涯の妊娠期間に比例して低くなります。つまり、出産回数が多いければ多いほど(=排卵回数が少なければ少ないほど)これらの癌にかかりにくく、少なければ少ないほど(=排卵回数が多ければ多いほど)これらの癌に罹りやすくなる、ということです。言い換えれば「妊娠しないことは体に悪い」とも表現できます。

ホルモンバランスを整える方法を教えてください。

「妊娠している方が自然」「妊娠している方が体にいい」これらをきちんと理解したとしても、「じゃあ今から子作りします」とはならないですよね。産んだからには責任が出ますし、現代の日本の場合は経済的な制約から子供は一人、せいぜい二人というのが現実です。

では、どうすればホルモンを整えることができるのか。それには、低用量ピルの服用が唯一の解決策です。低用量ピルに含まれているホルモンは、体内を妊娠と同じ状態に保ちます。もちろん、排卵もしません。ピルは排卵を「無理に抑えている」と勘違いしている方がいますが、その考えは誤り。妊娠中は排卵しない、のが胎盤哺乳類の基本的な機能なのです。ですので、専門家の立場からすると「妊娠する」もしくは「妊娠により近い状態を低用量ピルで実現する」のが良いと言えます。

教えてくれたのは

ケイ・レディースクリニック新宿」理事長 川越信隆先生

慶応義塾大学病院、日本医科大学病院勤務後、現在は低用量ピル処方数日本一の「ケイ・レディースクリニック新宿」理事長。

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