「もしかして私ワキガかも…？」ワキガの原因と対策について医師に聞きました

暑くなると気になるのが汗の臭い。今回は、ワキガについて「TCB 東京中央美容外科」秋葉原院院長の高柳佑衣子先生に伺いました。

ワキガの原因を教えてください。

ワキガとは、医学的には「腋臭症」や「アポクリン臭汗症」と呼ばれています。私達の体には、汗を分泌する組織「汗腺」があり、この汗腺には「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」という2つの種類があります。ワキガは脇からツンとする特有の臭いのする体質のことで、脇以外にも汗をかきやすい乳輪や、デリケートゾーンにかけてなどからもこの臭いが発生します。これらの部位には「アポクリン汗腺」という、ワキガの臭いもととなる汗を分泌する器官が多く存在し、この汗腺から出る汗には動物におけるフェロモンのような役割をもっていると言われています。アポクリン汗腺は誰もが持っていますが、とくにアポクリン汗腺の割合が多く、臭いの気になる方がワキガ体質といわれています。日本人の場合では10％～15％の割合でワキガ体質の方がいらっしゃり、決して珍しい悩みではありません。ワキガのツンとした独特なニオイは、アポクリン汗腺から分泌される汗に含まれるタンパク質や脂質等の有機酸が原因で、それが腋に存在する常在菌により分解されることで、あの独特の嫌なニオイが発生します。エクリン汗腺は体全体にあるのに対し、アポクリン汗腺は、腋や乳輪、デリケートゾーンといった毛根の多い部位に存在します。アポクリン汗腺の数は毛量と関係があるため、重症のワキガの方は毛量が多いことがほとんどです。

ワキガは遺伝しますか？

ワキガの原因となるアポクリン腺の量や大きさは、両親からの「優性遺伝」により発症するといわれています。そのため、誰かから感染したり急に体質が変わるということはなく、生まれつきのものです。両親共にワキガの場合には80％と高い確率で遺伝し、どちらか1人がわきがの場合でも50％が遺伝し、ワキガ体質になることが分かっています。また、日本人よりも欧米人の方がワキガの方が多いのは、人種によって遺伝子の発現率が異なるためと言われています。思春期以降に突然発症したように感じる方の場合でもほとんどは遺伝が原因で、もともと保有していたアポクリン汗腺が何らかの理由で活発化した可能性が高いです。アポクリン汗腺が活発化した理由としては、ストレスや、食生活の乱れや肥満、過度な喫煙や飲酒、運動不足などがあげられます。

ワキガの対策について教えてください。

ワキガの臭いが普段は気にならないけれど汗をかくと気になる程度であれば、生活習慣の見直しでもワキガ対策が可能です。
ワキガの原因となる汗の成分が常在細菌によって分解されることで臭いが発生します。臭いが発生する前に早めにふき取ったり、着替えをこまめにすることで、臭いを抑えることが可能です。また汗の分泌自体を抑えるために制汗剤を使うこともおすすめです。ワキガの臭いを抑えるだけでなく、香りもさまざまあるので好みの香りを選んでいただくとよいでしょう。また、運動不足で普段から汗をかかない生活をしていると、毛穴の内部に汚れが溜まってしまいます。汗をかいた時に体内にたまっていた老廃物が一気に排出され、強いニオイを放つことがあります。適度に汗をかくために、普段から軽く運動する習慣を身につけるとよいでしょう。ワキガの臭いに普段から悩まれている方や、生活習慣の見直しだけでは改善が難しい方、仕事や生活の中でこまめにケアができない方は、クリニックでの治療をおすすめします。ワキガ治療には、切らない施術として人気のある「ボトックス注射」と、メスを使う施術としては「剪除法」と「シェービング法」があります。「ボトックス注射」は、根本的な治療ではありませんが、薬が効いている3〜6ヶ月の間は汗の分泌を抑えてくれます。注射だけなのでダウンタイムもほとんどなく、傷跡もないため、初めての方にも安心して受けていただけます。「剪除法」や「シェービング法」は、汗腺自体を切除することができます。これらは皮膚を切開するので、術後に固定が必要で傷跡が残る治療法です。ワキガ対策として自分に何が適しているか分からない方も多いと思いますので、お悩みの方はぜひお気軽にクリニックにご相談ください。

教えてくれたのは

出典: 美人百花.com

TCB 東京中央美容外科 秋葉原院院長 高柳佑衣子先生

都内大学病院で皮膚科医として研鑽を積み、現在はTCB 東京中央美容外科 秋葉原院院長として、数多くの施術を担当。とくに二重・豊胸ではデザイン力の高さから圧倒的に指名が多い。YouTube「ゆいこ先生の美容チャンネル」では人気施術や女性特有のお悩みに対して、「ゆいこ先生」こと高柳先生がわかりやすく解説している。

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