バイクでの夜間走行時はハイビームが基本なのか?
バイクのニュース / 2021年3月31日 9時0分
夜間にバイクを運転する時は、当然ライトを点灯させますがハイビームとロービームどちらにするのが正しいのでしょうか?ライトの切り替えるタイミングや、罰則の有無についてもライダーなら正しく知っておきたい情報と言えます。
■バイクの夜間走行時はハイビームが基本?
夜道を走っていると対向車や後続車にとっては、バイクやクルマのハイビームはまぶしく感じるものですが、夜間走行時は常にハイビームにしておくべきなのでしょうか?
まず、道路運送車両法保安基準第29条(前照灯)を見てみると、ハイビームは「走行用」の前照灯、ロービームは「すれ違い用」というのが、利用法に沿って付けられた正しい名称になり、この名称からもわかるようにバイクの夜間走行はハイビームが基本となります。
通常は、暗い道での視認性を確保するために、常に100m先を照射するハイビームでの走行を行い、40m先までを照らすロービームについては、状況に応じて必要なときに切り替えて利用しなくてはなりません。
ここで注意したいのが、バイクの夜間走行中は適切な状態でハイビームにしていないと、ライトを点けていない時と同じ「無灯火違反」の適用が考えられ、違反点数1点と反則金(二輪車6000円・原付5000円)が科せられることもあるということです。
では、どのようなときに「ロービームに切り替えるべき状況」になるのかというと、道路交通法第52条2(車両等の灯火)のなかで「ほかの車両と行き違う場合」・「他の車両等の直後を進行する場合」など交通を妨げるおそれがあるときは減光しなければならないとしていて、このような状況で減光しなかったときには「減光義務違反」となり、反則金(二輪車6000円・原付5000円)が科せられます。
警視庁の推奨する適切なライトの切り替えるタイミングの例としては、ハイビームの使用は「暗い道で対向車や先行車がいない場合」としており、自分が先頭を走っているときや対向車が来ないときは、ハイビームでの走行をすることとし、「交通量の多い市街地や対向車や先行車がいる場合」については、対向車が自転車であってもロービームでの走行を促しています。
「無灯火違反」と「減光義務違反」の2つの違反が関わるライトの向きについては、私たちが思うよりも、忙しく切り替える必要があるようで、警視庁も「ライトの上向き・下向きの切り替えはこまめに行うこと」としています。
ただ、ハイビームが基本になるのは、夜間走行に限っての内容になりますので、視界が明るくなる昼間はロービームでの走行をするようにしてください。
■バイクは昼間もライトオン
道路運送車両の保安基準の細目を定める公示第120条(前照灯)7項十二(原付は260条2項3)に定められているように、1998年4月以降に生産されたバイクには、昼間の走行も前照灯の常時点灯義務があります。
昼間のライトONが1998年4月以降に生産されたバイクには、義務付けられています
昼間でもライトが切れていた場合には、保安基準法違反「整備不良(尾灯等)」になり、違反点数1点と反則金(二輪車6000円・原付5000円)が科せられますので、250cc以下の車検のないバイクは、特にライト切れには注意してください。
この法律について、1998年4月以前に生産されたバイクには昼間の点灯義務はありませんが、夜間については道路交通法第52条(車両等の灯火)で「日没から日の出まで前照灯・車幅灯・尾灯その他の灯火をつけなければならない」となっており、これに違反すると「無灯火違反」として点数1点と反則金(二輪車6000円・原付5000円)が科せられることになります。
また、1998年4月以降に製造されたバイクに、ライトのオン・オフ切替スイッチを取り付けると、保安基準に適合しなくなり車検にも通らなくなります。
このような車検に通らない状態のバイクは、一般道路では使用を禁じられており、取り締まりでも「不正改造」とみなされ、罰則は「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」と厳しいものになりますでの注意してください。
自分でライト周りのカスタムや電球交換をした場合は、取り付け後に光軸のズレが出ていないか十分に確認するようにしましょう。
車検時のライト測定は、クルマでは基準がロービームになりますが、ハイビームを主体に走行するバイクは、ハイビームを基準に測定する陸運支局も存在しているので、どちらにしても光軸のズレがないかをチェックしておく必要があります。
ライトの測定方法は、1mと10mの範囲で照射が基準内に収まるかという判断になり、左右27cm・上部10cm・下部地面から20%以内の規定数値が決まっています。
ライトの光軸調整は自分でもできますが、誤った位置にしてしまうと、対向車に迷惑をかけるだけでなく、夜間の安全な視界確保もできなくなる恐れがありますので、不安なときはバイク専門店で行ってもらうようにしてください。
※ ※ ※
バイクは、夜間はハイビーム、昼間はロービームでの走行が基本となり、状況に合わせて切り替えをしなければなりません。また、車検がない排気量のバイクほど、電球切れや光軸のズレを見落としやすいので整備不良違反にならないように、日常点検はしっかりと行っておきましょう。
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