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【現地】2023年「マン島TTレース」 本番までにどれだけ走れるか!? 予選2日目の様子

バイクのニュース / 2023年6月1日 10時0分

現存する世界最古のバイクレースとして知られる「マン島TTレース(Isle of Man TT Races)」が、2023年5月29日~6月10日の日程で始まりました。予選2日日の模様をお伝えします。

■1周約60kmのTTマウンテンコース、どれだけ周回できるのか!?

 2023年5月29日に開幕した現存する世界最古のバイクレースとして知られる「マン島TTレース(Isle of Man TT Races)」(以下、TTレース)、雲ひとつない好天に恵まれた5月30日の火曜日に、クオリファイ(予選)2日目が現地時刻18時20分から行なわれました。

コースの安全を見守るトラベリング・マーシャル。元TTライダーかつ地元ライダーで構成されている彼らは、バイクと装備一式を貸与され、1年中TTコースを走っては安全面でのチェックを行っている(写真/小林ゆき)コースの安全を見守るトラベリング・マーシャル。元TTライダーかつ地元ライダーで構成されている彼らは、バイクと装備一式を貸与され、1年中TTコースを走っては安全面でのチェックを行っている(写真/小林ゆき)

 最初のセッションは「スーパーバイク」と「スーパーストック」(4ストローク4気筒1000ccがメイン)、続いて「スーパースポーツ」(4ストローク4気筒600ccがメイン)と「スーパーツイン」(4ストローク2気筒650ccがメイン)、最後に「サイドカー」(4ストローク4気筒600ccがメイン)が行なわれる予定でした。

 しかし、エンジントラブルを起こしたマシンからオイル漏れが発生し、バリガローからカークマイケルまで約2kmの広範囲にわたり路上にオイルが流出したため、スーパースポーツとスーパーツインのセッションは中止。この影響で、この2クラスのみに参戦している日本人ライダー・山中正之選手は走行することが叶いませんでした。

 TTレースのレギュレーションでは、TT経験ライダーは予選終了日までに5周(サイドカーは3周)、各カテゴリーそれぞれ2周以上を完走することとなっています。

 TTマウンテンコースは1周約60kmで17分から20分かかるので、1日の予選で走れる周回数は2周から3周です。山中選手は予選1日目で転倒を喫しているので、完走周回数はまだ1周となっています。このあと、水・木・金の3日間でどれだけ周回を重ねられるかも注目です。

TTレース予選2日目、サイドカーでトップタイムを記録したのはトム&ベン・バーチャル選手の兄弟チーム。サイドカー世界グランプリの年間王者も獲得している有力チームだ(写真/小林ゆき)TTレース予選2日目、サイドカーでトップタイムを記録したのはトム&ベン・バーチャル選手の兄弟チーム。サイドカー世界グランプリの年間王者も獲得している有力チームだ(写真/小林ゆき)

 路上のオイル処理を施し、サイドカーのセッションは20時10分からの予定より少し遅れて20時25分にスタートしました。このため、2周できたチームはほんの数チームとなり、こちらも予選通過条件の周回数に影響が出る可能性があるため、5月31日に改めてスーパーストックとスーパーツインも含めて予選のスケジュールを見直すとの発表がありました。

 予選2日目の結果は、スーパーバイククラスは昨年の覇者ピーター・ヒックマン選手(BMW M 1000 RR)が平均時速132.079マイル(211.326km/h)で最速ラップとなりました。

 スーパーストッククラスは1日目に引き続き、マイケル・ダンロップ選手(Honda CBR1000RR-R Fireblade)が平均時速131.843マイル(210.949km/h)のトップタイムを記録。

 サイドカークラスは世界王者でもある兄弟チーム、ベン&トム・バーチャル選手チーム(Honda LCR)が平均時速118.316マイル(189.306km/h)記録してこの日最速となりました。

TTレース予選2日目、スーパーストッククラスでトップタイムを記録したマイケル・ダンロップ選手。見た目がぐっとスリムになり、勝利に向けてかなりのダイエットをしたのではないかと思われる(写真/小林ゆき)TTレース予選2日目、スーパーストッククラスでトップタイムを記録したマイケル・ダンロップ選手。見た目がぐっとスリムになり、勝利に向けてかなりのダイエットをしたのではないかと思われる(写真/小林ゆき)

 ところで、TTレースにおける予選は、実際にはさほどレースの行方に影響がありません。

 一般的なレース専用サーキットのレースは、マス・スタート(一斉スタート)方式なので、予選で決まるスタートグリッドの位置が重要です。これに対して、TTレースは1台ずつ10秒ごとにスタートするタイムトライアル方式であり、また、ひとつのレースの所要時間は1時間以上かかるためセミ耐久レース的であり、グリッドの位置はそれほど重要ではありません。

 加えて、レギュレーションによってトップライダーに対する指定ゼッケン20番まで(サイドカーは10番まで)は予選の結果に関わらず、ゼッケン順のスタートとなります。これは、タイムトライアル方式だと着順がわかりにくいので、観戦客に対してよりわかりやすくする措置です(例:ゼッケン1番と2番が同時にゴールした場合、2番が10秒あとにスタートしているので2番の方が早い)。

TTマウンテンコースのギャスリーズ・メモリアルを担当するマーシャルたち。地元マン島在住の人もいれば、イギリスやアイルランドなど海外からやってきてボランティア活動をする人も多い。視認性の高いオレンジ色のベストを着用することになっていることから「オレンジ・アーミー」とも呼ばれる(写真/小林ゆき)TTマウンテンコースのギャスリーズ・メモリアルを担当するマーシャルたち。地元マン島在住の人もいれば、イギリスやアイルランドなど海外からやってきてボランティア活動をする人も多い。視認性の高いオレンジ色のベストを着用することになっていることから「オレンジ・アーミー」とも呼ばれる(写真/小林ゆき)

 21番以降は予選順のスタートとなりますが、これはライダーによるタイム差や、レース後半で差が大きくなるTTレースなので、できるだけ混戦を避けるための安全上のレギュレーションです。

 このため、予選は通過条件の周回数を重ねる目的もさることながら、1周60kmのコースに慣れ、セッティングを出していくという貴重な「プラクティス(練習走行)」の場でもあるのです。

 予選3日目は5月31日、水曜日の18時20分(日本時間:午前2時20分)から始まります。

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