どういう制度か説明できる? 製品の品質を保証するリコールとは
バイクのニュース / 2024年3月29日 10時10分
バイクに設計や製造上の欠陥や問題があった場合に出されるのがリコールで、届け出と対応は法律で定められています。そんな、リコールがメーカーから届けられた場合、実際はどういった内容で、どういう対応が行われるのでしょうか。
■リコール制度の趣旨とは?
販売しているバイクに、設計や製造上の欠陥、問題などがあった場合に出されるのがリコールで、メーカーの届け出と対応は法律で定められています。
では、メーカーからリコールの届け出があった場合、どのような対応が取られるのでしょうか。
販売しているバイクに、設計や製造上の欠陥、問題などがあった場合に出されるのがリコール
リコール何万台というようなニュースを見かけた事がある人は多いと思います。
リコールは国によって設けられた制度で、国土交通省の管轄。制度の趣旨は、設計や製造過程に問題があった場合に、車両メーカー自らの判断によって国土交通大臣に届け出た上で回収と修理を行い、その不具合に起因した事故やトラブルを未然に防ぐというものです。
いくら技術が進化したといっても人間が開発している為、ミスや不具合を完全に無くす事は不可能なだけに、リコール制度に基づいて、速やかに対応するというのは大切なことです。
なお、制度としては、あくまでもメーカーからの申し出が前提ですが、国土交通省は下記の5つの役割を担っています。
・不具合情報の収集や分析
・メーカーのリコールへの取組状況の調査
・取組状況が不適切であれば指導又は監査等
・届出内容が不適切であれば改善指示
・メーカーが自主的にリコールを行わず、かつ、事故が頻発している場合には勧告・命令
クルマやバイクは一歩間違えば命を落としたり、他人に被害を及ぼす乗り物です。実際にリコールの届け出を怠ったばかりに、死者を出した例も過去にはある為、リコール制度は重要です。
■リコール以外にも同様の対応あり
リコールを届け出る判断の基準のひとつが、道路運送車両法などで定められた保安基準を満たさない場合、もしくは満たさなくなる可能性がある場合で、その原因が設計や製造にある際です。
リコールのように保安基準を満たしていない訳ではない場合で、将来的に満たさなくなる可能性があったり、そのままにはできなかったりする場合には、改善対策という手段が取られる事もあり、こちらもリコールと同様に、国土交通省に届けたうえで実施されます。
さらに上記のふたつに該当しないレベルのものがサービスキャンペーンで、品質改善などの理由で行われる、いわば手直し。こちらも、国土交通省へ通知をしたうえで行われます。
これらは基本的にメーカーの自主性に基づく制度ですが、確実かつ迅速に実施するためにユーザーからの情報提供も可能で、国土交通省のウエブサイトから通報することができます。
リコールは国によって設けられた制度で、国土交通省の管轄
昨今は部品の共有化が進んでいることから何万台、ときには何十万台という規模になるリコールですが、そもそもどうやって自分の愛車がリコールや改善対策、サービスキャンペーンの対象なのかを知るのかと言うと、まず確実なのはディーラーや正規販売店へのユーザー登録情報です。
新車で購入する際は必ずおこなわれ、比較的最近のモデルであれば (とくに保証が残っている場合)、中古車でも登録することができます。この情報を元に、メーカーはリコールなどが発生したらユーザーに通知を出して、対応にあたります。
ユーザー登録をしていない場合は、国土交通省や各メーカーのウエブサイトで調べることが可能。どちらにも届け出が出されると必ず掲載されるので、定期的にチェックすると良いでしょう。
そのほか、ユーザー登録をしていなくても、修理や点検で持ち込んだ場合にリコール対象になっていないかを調べてくれることもあります。そして対象となった場合は、ディーラーや正規販売店に車両を持ち込んで対応してもらいます。
なお、バイクではエンジン内部の不具合もけっこう多いのですが、分解するような重整備になっても費用はかかりません。対応による時間的な損失などは補償されませんが、リコールや改善対策は安全に直結するものだけに、必ず受けるようにしましょう。
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