名古屋モーターサイクルショーは、大阪・東京とは違う！ その見どころとは？

バイクシーズンの到来を知らせる各地のモーターサイクルショー。51回を数える東京、40回を終えて地元に根付く大阪、そして、東名阪最後となる名古屋は、2024年4月5日からの開催でようやく3回目。コロナ禍で延期され遅れてやってきた“期待の新人”『名古屋モーターサイクルショー』は、東京、大阪と何が違うのか。見どころとともに解説します。

■名古屋には、東京・大阪にはない試乗会と体験会がある

　今年（2024年）で3回目の開催となる『第3回 名古屋モーターサイクルショー 2024』は、4月5日から3日間の開催で、来場者4万5000人を目指します。

2023年開催の様子。各地で試乗会は開催されているが、全長2km、6分の試乗は熱い（提供／名古屋モーターサイクルショー事務局）

　モーターサイクルショーは3月中旬の大阪を皮切りに、3月下旬の東京、4月上旬の名古屋と開催されています。名前が同じなら内容も同じじゃないか、と思われがちですが、真新しい名古屋モーターサイクルショーは、ほかにはない特徴があります。そのひとつが、広い特設会場での最新モデル試乗会です。

　かつては東京でも大阪でもモーターサイクルショーは試乗会が大きな魅力だったのですが、環境に配慮するなどの諸事情により、東京に続き大阪でも中止になりました。両会場でのイベントは展示が中心になっています。

　一方、名古屋モーターサイクルショーの会場は「愛知県国際展示場」です。中部国際空港セントレアに隣接し、名古屋市内からリムジンバスで約50分。正確には常滑市の臨海部に位置します。この立地が、ほかにない規模の試乗会を可能にしているのです。

　屋外会場に設置された特設コースは1周約2.0km。試乗はこのコースを安全指導員先導で3周、時間にして約6分も乗ることができます。

　空港に近い場所だけに、音も気にならないし、場所も広々とることができる。まさに、国際展示場の立地を活かした人気企画なのです。

　ただ、この試乗は予約制で参加費は500円、目指す来場者は多く、すでに事前予約は終了しています。

　残念自慢をしただけでは終わりません。試乗会は予約が締め切られていますが、当日参加のこんな企画もあります。

　当日の体験会場で参加申し込みをする「大型自動二輪教習車体験試乗会」です。これは今年初開催です。大型バイクに不安を持っている人向けに、大型自動二輪教習車を使って体験する内容です。

　愛知県の享成自動車学校、中部日本自動車学校、中京自動車学校の3校による共同運営で、普通自動二輪（MT）免許の所持者であれば、大型二輪免許を持っていなくても体験が可能です。ヘルメットや手袋、バイクに適したスタイルで会場へ。

■ジェットで行ける、唯一のモーターサイクルショー!?

「常滑なんて焼き物しか知らない。遠いし、不便」と思っている地域の人も、実はジェット機で直接会場を訪れる、という思いがけない旅が可能です。

　会場の愛知県国際展示場は、中部国際空港セントレアから徒歩15分ほど。両者の距離は近すぎて歩くしかない感じです。例えば、福岡からスターフライヤー、羽田から、大げさに言うと、中国、韓国、アジア諸国からも直結なのです。

　ちなみに、羽田から中部国際空港へ格安航空を調べたところ1万4000円程度と、新幹線より少し高い程度でも可能でした（※原稿作成時）。

　名古屋駅から直行バスで約50分。電車だと展示場最寄り駅まで30分、そこから歩いて10分。空港に着いてしまえば、地元より近いです。

■「高校生無料」だけじゃない、高校生参加のホンキ

　名古屋モーターサイクルショーの特徴は、ほかにもあります。それはイベントの主催者である実行委員会のメンバーに、愛知県が入っていることです。当日は大村秀章知事が挨拶します。

　また、静岡県、三重県、岐阜県も後援し、中部4県がイベントを盛り上げます。中部地区最大のモーターサイクルイベントとはいえ、展示会で周辺県が入ることは珍しく、大阪モーターサイクルショーでは大阪府と大阪市が後援しています。

　それに名古屋モーターサイクルショーは愛知県教育委員会が後援に入っています。これらの効果でしょうか、高校生イベントも熱気を帯びています。

今年は浜松市から高校生がバスで参加。浜松市がバックアップする（提供／名古屋モーターサイクルショー事務局）

　4月6日に開催される「高校生ものづくり講座」は3回目を迎えます。静岡県からは「浜松城北工業高校」がバスで参加し、国内4メーカーのバイク開発者たちから「カーボンニュートラル社会に向けた未来のバイク」を学びます。

　中部4県は、いずれも約半世紀にわたりバイク免許規制を教育方針に掲げるのですが、こうした形で将来に結びついているのはなかなか興味深く、来場者みんなで応援したいところです。

　名古屋モーターサイクルショーの展示は、中心となる国内4メーカーの展示では、東京、大阪とほぼ同じ内容が見られるので、見逃してしまった人にも最適な機会なのです。

■『第3回 名古屋モーターサイクルショー 2024』開催概要

＜会場＞
Aichi Sky Expo（愛知県国際展示場)

＜会期＞
2024年
4月5日（金）10時～17時
4月6日（土）9時～17時
4月7日（日）9時～17時

＜入場料＞
前売券1600円
当日券2000円
高校生以下無料
女性無料
障害者手帳の提示で無料