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ライダーもお世話になってる「道の駅」! そもそもなんのために作られたのか?

バイクのニュース / 2024年5月11日 9時10分

ツーリング中の息抜きのスポットとして便利な「道の駅」。近年は温泉やアスレチックなどを備えたレジャー施設としても人気の高い施設ですが、そもそも何のために作られたのでしょうか。

■ツーリング中の休息所…道の駅ってなんのために作られたの?

 一般道をツーリングで走行中に、ちょっとした息抜きのスポットとして便利な「道の駅」。その土地ならではのグルメを堪能したり、おみやげを購入できるほか、温泉や足湯、ファミリーで楽しめるレジャー施設があるところも少なくありません。

 道の駅はいわば、一般道にある高速道路のサービスエリアのような役割をもった施設と言えます。バイクユーザーもお世話になっている「道の駅」は、そもそもどのような経緯で作られたのでしょうか。

一般道にある高速道路のサービスエリアのような役割をもつ「道の駅」一般道にある高速道路のサービスエリアのような役割をもつ「道の駅」

 道の駅の始まりは、1990年(平成2年)1月に広島でおこなわれた地域のシンポジウムにおいて、「鉄道と同じように道路にも駅があってもよいのではないか」と参加者が提案したことがきっかけとされています。

 それまでは、24時間いつでも自由に利用できる施設といえば、高速道路のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)しかありませんでした。一般道にもレストランや売店などを併設したドライブインはありましたが、駐車するには施設を利用しなければならなかったようです。

 そうした背景から、一般道でも無料で誰でも気軽に立ち寄れる休憩所が求められていました。また、その地域ごとの文化や特産物などを活用したサービスの提供や、地域の人々の情報交流や活性化をはかりたいという双方のニーズがマッチして、道の駅が誕生したというわけです。

 そして1991年(平成3年)10月から、山口県、岐阜県、栃木県の12か所で社会実験がおこなわれました。その結果、地域の特産物のPRや、地域の活性化に効果がみられたことが多く報告されたのです。こうした経緯を経て、1993年(平成5年)4月に建設省(現在の国土交通省)が、全国103か所の休憩施設を第1号として登録したのが「道の駅」の始まりとなっています。

 ちなみに、鉄道が通るわけはないのになぜ「道の駅」と呼ぶようになったのか。それは、主に江戸時代の街道沿いにあった宿場を「駅」と呼んでいたため、それにならって「道の駅」と名づけられたことが理由とされているようです。

 なお道の駅の設置には、単純に休憩できるだけでなく、主に3つの条件が必要になります。まずひとつ目は、道路を利用する人が24時間利用できる「休憩機能」。ふたつ目は、地域と道路の情報を提供する「情報発信機能」。そして3つ目は、活力ある地域づくりを担う「地域連携機能」です。これらの条件がすべて満たされていれば、「道の駅」として登録できるようになる仕組みです。

時間帯に関係なく誰でも駐車場を利用して休憩できるほか、トイレや自動販売機などの設備もいつでも利用できるようになっている時間帯に関係なく誰でも駐車場を利用して休憩できるほか、トイレや自動販売機などの設備もいつでも利用できるようになっている

 これにより、時間帯に関係なく誰でも駐車場を利用して休憩できるほか、トイレや自動販売機などの設備もいつでも利用できるようになっています。また、周辺の交通情報や天候を確認できたり、観光案内や特産品、おみやげの販売などのサービスも充実して、地域の情報発信の場にもなっているようです。

 さらに、温泉施設やアミューズメント施設などが併設されているところもあるので、休憩するだけでなく一つのテーマパークのような役割をもった道の駅も存在します。

■日本全国に広がる「道の駅」

 国土交通省によると、「道の駅」として2024年2月16日の時点で1,213駅が登録されているそうです。

 都道府県別でみると、もっとも多いのが雄大な面積を誇る北海道で127駅で断トツ。次いで岐阜県の56駅、長野県の54駅、新潟県の42駅と続きます。もっとも少ないのが東京都で1駅、次いで神奈川県の4駅で10駅以下はこの2つだけです。

道の駅の案内標識に描かれたシンボルマークは、公募作品をもとに採用された道の駅の案内標識に描かれたシンボルマークは、公募作品をもとに採用された

 ちなみに、道の駅の案内標識に描かれたシンボルマークは、公募作品をもとに採用されたとのこと。2本の樹木と駐車場を配置し、緑あふれる安らぎの空間をイメージしていると言います。さらにその右側には建物と人が描かれていて、案内と地域情報の発信機能を持っていることを意味しており、樹木と駐車場のイラスト部分が「道」のしんにょうを表しているそうです。

 なお一般道の休憩施設として全国に広まった道の駅ですが、地域に密着していることから防災機能としての役割としても期待されています。

 実際に、2011年の東日本大震災や2016年の熊本地震などでは、「道の駅」が地域の避難所としての役目や、自衛隊や警察などの救援活動の拠点、緊急物資などの基地機能として活用されました。日本は災害が多い国なので、道の駅の防災機能を充実させるための整備が現在進められているそうです。

 このようにさまざまな方面から期待が寄せられている道の駅ですが、その一方で、課題も少なくありません。

 とくに運営上の問題は深刻で、近年の人口減少や高速道路の無料化、バイパスの開通などが原因で道の駅に立ち寄る人が以前よりも減っていると言います。

農作物を特産品としている道の駅では、商品がなかなか集まらないといった問題もある農作物を特産品としている道の駅では、商品がなかなか集まらないといった問題もある

 また、農作物を特産品としている道の駅では、季節によって陳列する商品が少なくなる問題や、出荷者の高齢化により商品がなかなか集まらないといった問題も抱えています。運営母体が自治体の場合は、売上高の減少がそのまま地域の財政問題に影響を及ぼしかねません。

 こうした状況のなか、少しでも売り上げを伸ばすために、PR活動を強化したり、オリジナル商品の開発やイベントなどを開催して、道の駅ごとに来訪者を飽きさせないさまざまな取り組みがおこなわれているようです。

※ ※ ※

 第1号の誕生から約30年。「道の駅」は日本全国に広がり、今では1,200駅を超えるまでに成長し、道路を利用する人にとって無くてはならない存在となりました。

 現地ならではの文化や特産物などの魅力が道の駅にはたくさん詰まっています。ツーリングの際はいつもよりも休憩を多めにとって、全国各地にある道の駅を思いきり堪能してみてはいかがでしょうか。

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