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世界チャンピオン目前でリタイア!? 悔しさ溢れるも大健闘を果たしたチームエトワールの1年目 レーシングライダー大久保光のレースレポート

バイクのニュース / 2024年10月5日 13時10分

レーシングライダーの大久保光選手が参戦した、EWC世界耐久選手権最終戦「ボルドール24時間レース」。そのレポート後編です。

■小さなトラブルはありながらも順調な走り出し

 皆様こんにちは!レーシングライダーの大久保光です。今回は、世界耐久選手権(EWC)最終戦の決勝レースについて書いていきたいと思います。

 知っている人も多いと思いますが、最終的にチームエトワールはマシントラブルでリタイアとなってしまいましたが、そこまでの闘いぶりをレポートします。

ピットで走行時間を待つ大久保光選手ピットで走行時間を待つ大久保光選手

 今回のレースでは朝のフリー走行がなく、いきなり午後の3時からレースがスタートするというスケジュールでした。

 その代わりなのか、コースオープン後ピットレーンは20分開いており、その間ピットロードを通過することで、何周かの確認走行ができるという、新たなレギュレーションが追加されており、私たちも実際にそのやり方で何周か走行し、マシンの最終チェックを行いました。

 今回のスタートライダーは、渡辺一樹選手。マシンの確認が終わったのちにグリットにつき、いよいよ長丁場のレースが始まります。

 私の走行順は3番目ということもあり、スタートしてからもまだ1時間半ほど時間があったので、スタートを見届けたのちに仮眠に入ることにしました。

EWC世界耐久選手権最終戦「ボルドール24時間レース」でポール・リカールサーキットを走る大久保光選手EWC世界耐久選手権最終戦「ボルドール24時間レース」でポール・リカールサーキットを走る大久保光選手

 そして私の走行の順までにしっかりと準備をして、今回のレースの最初のスティントへ。コースコンディションやマシンにも異常がないとのことを前のライダーから聞いていたので、安心してコースインすることができました。

 アベレージタイムには自信があった私ですが、その自信のおかげでしっかりとアベレージタイムを刻むことができ、次のライダーにバトンを渡すこと予定でしたが、今回私のスティントでは、チームの作戦で3スティント目のタイヤを使用していることもあり、残り6周というところでタイヤが剥離。

 幸いタイヤの異常にいち早く気がつくことができた私はピットインをすることができ、最小限のタイムロスで済ませることができました。

■世界チャンピオンを目指して激走

 スタートでの出遅れもあり、レース序盤はクラス3番手で走行する展開。

 世界耐久選手権の24時間レースでは、8時間、16時間、24時間時点の順位でポイントを獲得できるシステムとなっており、もちろん24時間目が一番多くのポイントを獲得することができますが、8時間、16時間ともに1位が10ポイントで、そこから上位10位までがポイントを獲得するレギュレーションとなっています。

 8時間目を3位で通過した私たちは、まずは8ポイントを獲得することができました。

夜間はライバルチームとの熱いトップ争いを展開夜間はライバルチームとの熱いトップ争いを展開

 その後はライバルチームのトラブルにも助けられ、日付を跨ぐ夜中の時点ではクラストップでレースを進める展開に。

 そしてこのままの順位をキープすると逆転世界チャンピオンも見えている状態となっていましたが、2位との差が1秒もなく、真夜中のバトルがコース上で行われていました。

 私のスティントでも、夜の時間帯に1位から3位までが1秒以内での戦いが繰り広げており、とても緊迫した中での走行でしたが、私自身とても面白く感じ、本当に世界チャンピオンをかけた戦いをしていると体感し、緊張より面白味がまさっているのが正直な所。朝4時ごろの話です。

 その後も夜通しライバルチームとの激しいバトルを繰り広げましたが、日が昇るにつれてライバルチームとの差を広げることができ、16時間目の順位をクラストップで通過することができ10ポイントを獲得。

 そのままの勢いで24時間を走り切ろうと意気込んだ、午前11時あたりにマシントラブルが発生。直すことは困難という判断で、そのままリタイアとなりました。

チームエトワールのレース結果はマシントラブルでリタイアチームエトワールのレース結果はマシントラブルでリタイア

 最終的な年間ランキングは5位でしたが、それ以上に世界チャンピオンが見えていたレースなだけに、とても悔しい気持ちです。

 しかし設立1年目のチーム、そして0から始まったこのプロジェクトで、ここまで健闘することができた事実は誇らしいことだと思います。これも応援してくださる皆様のおかげです。本当にありがとうございます。

 私自身チームエトワールとは複数年契約を結んでいるため、来年も同チームから世界耐久選手権に参戦する予定です。

 この悔しさを忘れずに、来年は笑顔で終えられるように今から努力をしていきたいと思います。

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