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発禁処分から60年…ユダヤ人作家の自伝的小説を映画化『フィリップ』6月、日本公開へ

cinemacafe.net / 2024年3月1日 12時50分

第2次世界大戦下、ユダヤ人としての素性を隠して生き、発刊後すぐに発禁処分となったポーランド人作家レオポルド・ティルマンドの実体験に基づく自伝的小説を映画化した『フィリップ』。6月21日(金)より日本公開されることが決定した。


1941年、ワルシャワのゲットーで暮らすポーランド系ユダヤ人フィリップ(エリック・クルム・ジュニア)は、恋人サラとゲットーで開催された舞台でナチスによる銃撃に遭い、サラや家族、親戚を目の前で殺されてしまう。


2年後、フィリップはフランクフルトにある高級ホテルのレストランでウェイターとして働いていた。自身をフランス人と偽り、戦場に夫を送り出したナチス将校の妻たちを次々と誘惑することでナチスへの復讐を果たしていたが、孤独と嘘で塗り固めた生活の中、やがて、プールサイドで知的なドイツ人のリザ(カロリーネ・ハルティヒ)と出会い、愛し合うようになる。だが戦争は容赦なく2人の間を引き裂いていく…。


ポーランドの作家レオポルド・ティルマンド(1920-1985)の自伝的小説として、ポーランド当局の検閲の後大幅に削除されたものが1961年に出版された小説「Filip」。ティルマンド自身が1942年にフランクフルトに滞在していた実体験に基づいて書かれたこの小説は、発刊後すぐに発禁処分。長い間、日の目を見ることがなかったが、2022年になってオリジナル版が出版された。


監督は1990年代よりテレビプロデューサー兼演出家としてキャリアを重ね、21世紀に入って以降はポーランドの巨匠アンジェイ・ワイダ監督作品のプロデューサーとして、後期代表作である『カティンの森』『ワレサ連帯の男』、そして遺作『残像』まで製作を勤め上げたミハウ・クフィェチンスキ。


その事実から導き出す魂の解放・自由奔放な姿を第2次大戦、ナチス支配下のドイツを舞台に官能的な要素を加えて本作を映画化。その大きな理由のひとつとして「ポーランドで愛する人を亡くしたユダヤ人の主人公は、そのような状況下で何を感じるでしょうか? 私はティルマンドの本を心理的で緻密な映画にし、トラウマから感情が凍り付いた男の孤独を研究することに決めました」と明かしている。


解禁となった本ポスタービジュアルは、傷だらけになった顔も全く意に介さず、真っ直ぐに強い瞳で前を見据えるフィリップ(エリック・クルム・ジュニア)の姿を捉えたもの。真っ赤な背景と相まって、彼自身の中から溢れ出る愛と人生への情熱と決意をイメージさせるようなビジュアルとなっている。


『フィリップ』は6月21日(金)より新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺ほか全国にて公開。


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