『Ultraman: Rising』ILM日本人アニメーターの奮闘 手足が長いウルトラマンをカッコよく見せる秘訣
シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年6月15日 9時30分
島田:秋葉原のシークエンスでは、ウルトラマンが走ってからジャンプして、スローで夜空を飛び、ネロンガを殴り、ネロンガが吹っ飛ぶまでの一連の動きを担当しました。淳雄さんが先にウルトラマンに変身するところを担当していて、それをミーティングで見た時に少しうらやましくて(笑)、僕の表情を見たスーパーバイザーから「次のシークエンスでやりたいところを担当していいぞ」と言われました。そこで、「是非ここをやらせてほしい」とスーパーバイザーに頼み、秋葉原の部分を担当させてもらったという流れです。ウルトラマンが大きくジャンプして、拳が画面に近づいていくシークエンスは、漫画やアニメっぽい表現ができると思ったので、「僕のヒーローアカデミア」「ワンパンマン」のような雰囲気を参考に、日本のアニメっぽさを盛り込んでいます。
Q:実写の「ウルトラマン」作品に見られる重量感あるバトルは、アニメーションでどのように再現していったのでしょうか?
藤原:CG表現の強みとして、ジャンプした時にポーズをカッコよくできる一方で、基本的にはコンピュータ上で重力は発生しないので、その重みは自分たちでポーズを付けて表現しなければなりません。物理表現を上手く視覚化する部分は、過去にVFXの仕事をしていたり、他のアニメーションを担当した経験があったので、そこで培ったスキルを生かして、実写に寄せていく感じで制作しています。
Q:スタイリッシュなウルトラマンをアニメーションで動かすにあたって、気をつけた部分や苦労した点はありますか?
藤原:ポーズとかアングルによってはカッコ悪く見えてしまう部分があるので、できるだけそういうポーズにしない工夫を凝らしています。Netflixさんからビジュアルのイメージ画像をたくさんいただいたり、他の作品を実際に観て、ウルトラマンのかっこいいポーズを研究して採用しました。
島田:手足が長いことが長所かつネックになる部分でもあったので、地に足をつけて、腰が浮いてフワフワしないようにということは意識しました。腰の部分がしっかり入っていると、手足が長いシルエットでもカッコいい動きになるので、そこは気を付けて制作しています。また、僕たちがアニメーションを作った後に造形を整える部門がありまして、そこで造形を整えたものが最終イメージに変わります。監督が1フレームずつ全て確認していくプロセスを取っています。
20年近いキャリア史上ベストな仕事
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