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「もし徳」AI三英傑をCGで描かなかった理由 三者三様のダンス、衣装…武内英樹監督が裏側明かす

シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年8月4日 7時15分

 17万部を突破する大ヒットを記録する眞邊明人の同名小説を、『テルマエ・ロマエ』(2012)や『翔んで埼玉』シリーズなどのヒット作を生んできた武内英樹監督が実写化する映画『もしも徳川家康が総理大臣になったら』(公開中)。コロナ禍真っ只中の日本を舞台に、「歴史上の偉人達をAIで復活させ、内閣を作ったら?」というまさかの世界を描く本作では、徳川家康(野村萬斎)、豊臣秀吉(竹中直人)、織田信長(GACKT)の三英傑の思惑が絡み合っていく展開も大きな見どころだが、武内監督が三英傑の演出の裏側を明かした。

 舞台はコロナ禍真っ只中の2020年の日本。首相官邸でクラスターが発生し、総理が急死したことから未曾有の危機に直面した政府は「歴史上の偉人達をAIで復活させ、最強内閣を作る」という一大プロジェクトを考案。内閣総理大臣に任命された徳川家康を筆頭とするAIの偉人内閣は、有言実行で瞬く間にコロナ禍の政策を推し進めていく。そんななか、テレビ局の新人記者・西村理沙(浜辺美波)はスクープをとるべく官房長官の坂本龍馬(赤楚衛二)に近づき、彼らの活躍の裏に隠された陰謀が浮かび上がっていく。

 もしも家康が、秀吉が、信長が現代日本の政治家になったらどういう世の中になるのか? 奇想天外な設定の原作の魅力について、武内監督は「個人的には、後半の家康の語りがすごく響いて感銘を受けたし、考えさせられた。とても今の時代に意義のある物語だなと。全体としては設定がまず凄い。AIの偉人たちが復活して政を司るという設定はもちろん、彼らがひたすら英断を下して世の中を立て直していく話なのかと思いきや、その先に二転三転するミステリーが待ち受けている。その意表を突く展開が面白いですよね」と語る。

 映画化に当たって最も悩んだのが、AIの偉人たちをどう映像化するのかということ。原作では「AIとホログラムで復活した最強内閣」とあり、記者の理沙が初めて会見で坂本龍馬の姿を目にしたときの描写として「幕末に撮られた写真の主が色鮮やかに、そして確かな実体をもって動いているのだ」「全体の輪郭が淡くぼけており、こころなしか透けているようにも思える」といった記述もある。

 「映像にするにあたって「重量はあるのか?」「触った時にすり抜けていくのか」といった問題が浮上して。それはお客さんに考えさせちゃいけないなと思って。もともと台本には理沙と龍馬がすれ違ったときに体をすり抜けるといった記述があって、その撮影もして、CGも作っていたんだけど、そうすると見てくださる方はそこに目が行ってしまうのではないかと懸念が出てきた。SF映画のようなイメージは持ってもらいたくなくて、描きたかったのは“本物の家康が出てきてこんなことを言われたら現代人はどう感じるのか”ということ。従来の政治家には言えないことを彼らに言わせることが原作の強みだと思っていて、かなり悩んだのですが、そんな時に一人のスタッフが“そういう設定を全部ナシにして普通に登場させてみては?”と言いだして、“なるほど!”と目からうろこが落ちる思いでした」

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