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片岡千之助「光る君へ」薄幸のプリンス・敦康親王に自身を重ねる 御簾越えのシーンは「会いたい」一心で

シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年11月24日 20時47分

 吉高由里子が紫式部(まひろ)役で主演を務める大河ドラマ「光る君へ」(NHK総合・日曜午後8時~ほか)で、一条天皇(塩野瑛久)と定子(高畑充希)の第一皇子・敦康親王を演じる歌舞伎俳優の片岡千之助(24)。劇中、平安貴族社会の最高権力者である左大臣・藤原道長(柄本佑)の思惑によって東宮の座を奪われ、悲劇的な運命をたどる“薄幸なプリンス”として描かれた。片岡が大河ドラマ初出演作となった本作の撮影、権力争いに翻弄された敦康親王の生涯を振り返った。

 片岡演じる敦康親王は、幼いころから道長の長女・彰子(見上愛)のもとで養育され、母代わりの彰子を強く慕うようになる。次の東宮候補だったが、彰子にも皇子(敦成親王)が生まれたことで運命が変わっていく。

 片岡演じる敦康親王が登場したのは第39回(10月13日放送)から。このとき、敦康親王は13歳で、元服前の角髪(みずら)姿だった。元服後、彰子の元を離れてからも彰子を思い続けるが、道長はそんな敦康親王を警戒する。片岡にとってかねてから大河ドラマ出演の憧れは強く、役柄を含め念願かなっての出演になったという。

 「20歳を超えたぐらいからいつか大河ドラマに出演させていただきたいと願っていました。今回お話をいただいたときはまだどんな内容になるのか想定できていなかったものの、歌舞伎でも扱われる『源氏物語』に対する意識が僕の中に強くあって。いつか歌舞伎で光源氏をやらせていただきたいなと思っていたんです。そうしたら、義理の母との関係を含め、まさしく光源氏を思わせるお役だったのでびっくりしました」

 父・片岡孝太郎は「太平記」(1991)、祖父の片岡仁左衛門は「太閤記」(1965)、「春の坂道」(1971)、「新・平家物語」(1972)、「元禄太平記」(1975)、「太平記」(1991)と大河ドラマへの出演歴があり、「光る君へ」への出演を報告すると「“とにかく大河ドラマ出演は本当に貴重な経験だから頑張ってほしい”ということは言われました」といい、3代にわたっての出演に喜びもひとしおだったようだ。

 劇中、敦康親王は東宮になることを周囲に期待されながらも叶わず、姉の脩子内親王(海津雪乃)やききょう(清少納言/ファーストサマーウイカ)が嘆く中、「父上を見ておったら、帝というお立場のつらさがよくわかった。穏やかに生きていくのも悪くない」と静かに運命を受け入れる。片岡自身、家業を継ぐ立場にあり、敦康親王の重圧や失望は理解できたと語る。

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