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「光る君へ」最終回で源氏物語の謎にアンサー チーフ演出・中島由貴が語る

シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年12月15日 21時15分

 吉高由里子が紫式部(まひろ)役で主演を務める大河ドラマ「光る君へ」(NHK総合・日曜午後8時~ほか)が15日、最終回を迎えた。平安時代に紫式部が書いたベストセラー小説「源氏物語」では物語の主人公・光源氏の「死」は描かれなかったが、ドラマの最終回ではまひろがその理由を藤原道長(柄本佑)に明かす場面があった。なぜ、紫式部は光源氏の死を描かなかったのか……? 長年の謎にドラマの中で一つの答えを出した理由、そしてドラマの主人公まひろの死を描かなかった理由を、チーフ演出の中島由貴が語った(※ネタバレあり。最終回の詳細に触れています)。

 大河ドラマ第63作となる「光る君へ」は、紫式部の生涯を、平安貴族社会の最高権力者として名を馳せた藤原道長との深い関係を軸にオリジナル脚本で描いたストーリー。脚本を、大河ドラマ「功名が辻」(2006)や、吉高と柄本が出演したドラマ「知らなくていいコト」(2020・日本テレビ系)などラブストーリーの名手としても知られる大石静が務めた。

 本作では「源氏物語」が誕生した理由を、道長が政治的な思惑をもってまひろに依頼したものとして描かれた。左大臣となった道長は娘の彰子(見上愛)を一条天皇(塩野瑛久)に入内させるも、亡き皇后・定子(高畑充希)の喪失感にとらわれ彰子を顧みない一条天皇に頭を悩ませ、一条天皇の気を引くためにまひろを彰子の女房として内裏にあがらせ「源氏物語」を書かせた。一条天皇が「源氏物語」を気に入れば藤壺を訪れ、同時に彰子に気を留めるようになるだろうという狙いだった。「源氏物語」が生まれると瞬く間に宮中で評判になり、公卿たちは「光源氏は誰がモデルなのか?」と噂した。

 最終回では、まひろが死にゆく道長に「光る君が死ぬ姿を描かなかったのは幻がいつまでも続いてほしいと願ったゆえでございます」「わたしが知らないところで道長様がお亡くなりになってしまったら、わたしは幻を追い続けて狂っていたやもしれませぬ」と話す。このセリフを取り入れた理由について中島はこう語る。

 「現存の『源氏物語』では、光る君が出家を決意するところまでしか描かれていません。タイトルだけが残されている『雲隠』に光る君の死去まで書かれているのでは、という説もありますが、我々としては『幻』が光る君が登場する最後の巻としています。なぜ光る君の死去まで描かなかったのか。紫式部を主人公にしながらその理由を放置するわけにはいかないぞと思い、ドラマならではの答えを提示出来たらと思いました。光る君イコール藤原道長というわけではないのですが、もし死を描いてしまったら本当にピリオドを打ってしまう、まひろと道長の関係も終わってしまう、そうなりたくはないまひろの気持ちが『幻』のまま終えようとした、そんな感じでセリフに落とし込めないかなと思い、大石さんに書いていただきました」

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