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神山健治監督、アニメは最大の武器 『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』に見出した可能性

シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年12月27日 7時5分

両方あると思います。今回、WETAデジタルが『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』の設定画、デザイン画、 CGデータを貸してくださって、ホーンブルグの砦(角笛城)は当時の3Dモデルを使用しています。物語としては200年前なので、若干の変更は加えていますが、基本的に『二つの塔』を観ている人が「これは…」と反応する理由は、実写映画とデザインを共有しているからだと思います。

カメラワークに関しては、私も気づいていなかったところがあります。完全に色がついてから観直した時に、実写映画にそっくりなシーンを見つけたり、「あの場所で撮ろうと思ったら、カメラはここしかない」と知らぬ間に影響を受けていたようなシーンがありました。自分でも観てニヤリとしたので、観ていただく方にもニヤリとできるかもしれません。

ピーター・ジャクソン監督からの“贈り物”

Q:製作総指揮に名を連ねるピーター・ジャクソン監督は、今年10月のニューヨーク・コミコンで行われた本作のパネルディスカッションに、メッセージ映像を送っていました。本作に関して、ジャクソン監督と連絡を取り合ったり、実際にお話をされたことはありますか?

もちろんありました。ファイナルカット前の映像を見せた時に、ジャクソン監督から「私だったらこうする」というノートが届いたんです。その内容がすごく面白くて、改めて彼が素晴らしい映画監督であることを実感しました。それを反映させたり、直接会って話したりもしました。私たちは、それを「リクエスト」と呼んでいました。

ジャクソン監督の提案を採用して、「これが僕の精一杯できることです」とファイナルカットをお見せした時、ジャクソン監督はセオデン王の刀と同じレプリカを用意してくれて、「リクエストに応えてくれてありがとう」とその刀をプレゼントしてくれました。彼とはそこまで時間と言葉を共有したわけではありませんが、映画監督として思うところを映像上でやり取りできたのは、すごく豊かな時間でした。

Q:『ロード・オブ・ザ・リング』と日本アニメの親和性について、『ローハンの戦い』の制作を経てどのように捉えていますか?

日本人の役者さんで『ロード・オブ・ザ・リング』を実写映画にすることは、すごく難しいと思います。私が「機動戦士ガンダム」を観ていた子供の頃、「アニメは日本人が作れる洋画なんだ」とよく言われていました。 金髪で西洋人っぽい名前のキャラクターが出てきても、アニメは違和感がありません。でも、日本の役者さんがどれだけ頑張っても、西洋人風の名前のキャラクターを金髪のカツラを被って演じるのは難しいこと。アニメはそれを超えられていました。

 そういう意味では、今『ロード・オブ・ザ・リング』を日本のアニメで映像化する理由はなんだろうなと、改めて疑問自答する部分もありました。西洋の題材を描けるのは実写ではなくアニメだと改めて思いましたし、リアリティーを感じられるファンタジーを映像化することは本当に難しい。違和感がないところが、アニメのいいところ。日本人がこういう題材を監督する時、アニメは最大の武器になると改めて思いました。

映画『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』は12月27日(金)全国公開

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