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是枝裕和監督「阿修羅のごとく」リメイクは四姉妹の「自立」重視 現代の視聴者に向けアップデート

シネマトゥデイ 映画情報 / 2025年1月17日 7時15分

 1979年、1980年にNHKで放送された向田邦子の名作ホームドラマを是枝裕和監督がリメイクするNetflixシリーズ「阿修羅のごとく」(世界独占配信中・全7話)。時代設定はNHK版と同じく1979年だが、現代の視聴者に届けるにあたってキャラクター像などがアレンジされており、是枝監督がその意図を語った(※一部ネタバレあり)。

 「阿修羅のごとく」は、年老いた父に愛人がいたことが発覚したのをきっかけに四姉妹それぞれが抱える葛藤や秘密が浮かび上がっていくストーリー。NHK版では夫を亡くし、生け花の師匠として生計を立てる長女・綱子を加藤治子、会社員の夫と二人の子供と暮らす専業主婦の次女・巻子を八千草薫、図書館で司書として働く堅物の三女・滝子をいしだあゆみ、喫茶店の店員で、ボクサーの卵と同棲する四女・咲子を風吹ジュンが演じており、Netflix版では綱子が宮沢りえ、巻子が尾野真千子、滝子が蒼井優、咲子が広瀬すずとなった。なお、Netflix版も同じ話数の7話で制作されている(※NHK版は第一部が1979年、第二部が1980年に放送)。

 是枝監督がNHK版のドラマを全話観たのはリアルタイムではなく大学生のときのこと。八千草薫のファンだったことがきっかけで観始めたものの、そのときにはまだ強い印象は持っていなかったという。

 「向田さんの『寺内貫太郎一家』(※1974年にTBSで放送された大ヒットドラマ)などは観ていましたが、NHKのこの枠(土曜ドラマ枠)を必ず観る習慣がなかったこともあり、放送当時は“なんかすごい音楽が鳴ってるな”ぐらいの印象でした。八千草薫さんのファンだったことがきっかけで数話観たけど、当時は先に山田太一さんや倉本聰さんにハマっていたこともあり、そこまで強い印象を受けたわけではなかった。向田さんを意識し始めたのは本格的に脚本を書こうと思い出した大学の後半で、そこでいろいろな作品を見直したりシナリオを読み直したりした中で観た感じです。全話把握したのは、順番で言うとドラマよりもシナリオが先だったと思います」

 「阿修羅のごとく」は2003年に故・森田芳光監督が映画化(※四姉妹を大竹しのぶ・黒木瞳・深津絵里・深田恭子が演じた)するなど、時代を超えて親しまれているが、その理由について是枝監督は「四姉妹のキャラクターの描き分け。おそらく演出家の目から見ると誰もが“この4人でやってみたい”と夢想する設定だと思う」と話し、2015年に公開された自身の映画『海街diary』とも結びつきがあるという。

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