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「阿修羅のごとく」昭和のドラマが今も人気の理由 勝又&滝子カップル、なぜ支持される?

シネマトゥデイ 映画情報 / 2025年1月21日 6時2分

 Netflixで1月9日より配信中のドラマシリーズ「阿修羅のごとく」(全7話)が話題を集めている。昭和を代表する脚本家・向田邦子の名作を、是枝裕和監督がさりげなくも大胆なアレンジを全編に施して、フルリメイク。オリジナルのドラマは1979年、1980年に放送され、その後、映画化や舞台化があったものの、再ドラマ化作品としては、実に46年ぶりとなる。昭和のホームドラマが、なぜ令和の現代人にこれほど響くのか。主人公である四姉妹を取り巻く男性キャラにも注目しながら、その理由を考えてみたい(※一部ネタバレあり)。(石塚圭子)

勝又&滝子カップル、なぜ人気?

 現在、Netflix作品で国内のTV番組トップ10の10位にランクインしている本作(※1月20日時点)。物語の時代設定は1979年(昭和54年)。今回のドラマを観た視聴者の間で、特に好感度の高いキャラクターとして人気を得ているのが、松田龍平演じる、三女・滝子(蒼井優)に恋心を抱く興信所の調査員・勝又だ。SNS上では「勝又、理想の夫過ぎる」「松田龍平の演じる勝又、すごく魅力的だった」「リメイクでも勝又くんは癒しだったな」「滝子と勝又はそのまま幸せであってくれ…という願望」「勝又、めっちゃいいヤツだなぁ…」といった反応が寄せられている。傍から見ると、ちょっと冴えない、いかにも気の弱そうな彼は、本作の中で、柔軟性のある男性として描かれる。

 惚れた弱みとはいえ、人付き合いは得意ではないのに、滝子の老齢の父・恒太郎(國村隼)との同居の提案を受け入れてくれる。食事時には自然に台所に立って料理をする。滝子を抱きたいと思っても、無理強いすることはなく、彼女が本当にそういう気持ちになるまで待ってくれる。滝子の心を気づかい、それでいて彼女と意見が違うときには、はっきりと自分の考えを伝える。そんな彼の姿に癒され、恋人時代も結婚後も変わらず対等な2人の関係に憧れる視聴者が多いのは当然だろう。こういう現代的なキャラクターを、昭和54年のドラマで、すでに登場させていたところが向田邦子のすごさだ。

 とはいえ、他の男性キャラたちが、女性を大切にしていないわけではない。長女・綱子(宮沢りえ)の恋人・貞治(内野聖陽)は優しいし、次女・巻子(尾野真千子)の夫・鷹男(本木雅弘)は、仕事で多忙な中、巻子の家族の悩みを親身になって聞き、何かと巻子をサポートする。四女・咲子(広瀬すず)の同棲相手で後に夫になる陣内(藤原季節)は、咲子が母親・ふじ(松坂慶子)を亡くした後、母は男の子がほしいから無理して自分を生んだのではないかと気に病んでいるのを察し、「おまえはちゃんと望まれて生まれてきたんだよ」と彼女の生そのものを肯定する。みんなそれぞれ、彼女たちが好きになるのももっともだと思わせる人間的な魅力がある。

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