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「友人がいない自分が駄目な人間に思えて苦しい」雨宮まみの“穴の底でお待ちしています” 第26回

ココロニプロロ / 2015年8月21日 18時0分

承認欲求と友情というのは、本来別の話のはずなのですが、密接なつながりがあります。友達なのに、その友達に認められたくて必死になってしまったり、自分よりもその友達のほうがみんなに人気があれば、嫉妬したり。それ以前に「友達ができない」という悩みを乗り越えるのが難しくて、誰にも認められていないように感じたり。

でも、これは、どこかの時点で経験しておいたほうがいいことのように私には思えます。あの不器用な、自分で自分が何者なのかわかっていないままぐしゃぐしゃにもがいた期間がなければ、今頃どうなっていたか。そのぐしゃぐしゃの期間の自分の無様さを思い出すのも怖いですが、あの期間がないまま今まで来てしまった自分を想像するのはもっと怖いです。

嫉妬や、誰にも相手にされないのではないかという不安、友達がいない悲しさや寂しさは、それを嫌というほど経験しないと、自分がいったいどういう関係を求めているのか、どういう欲望を持っているのか、どうなれば満足できるのか、いい関係を築けるのか、見えてこないものです。見えてこない時期も、失敗が続く時期も苦しいものですが、自分がどんな欲望に突き動かされているのか気づけないほうがよっぽど怖いです。はっきり「承認欲求なのだ」「いや、友情が欲しいだけなのだ」と言えなくてもいい。でも、「何か得体の知れない欲望が自分を振り回している」ということだけ把握できていれば、格闘の末に自分が何を望んでいるのかは見えてくるはずです。

そして、不思議と、等身大の自分というものが見えてくると、人付き合いはぐっと楽になります。私のような年齢になっても、友達付き合いで悩むこともあれば、新しい友達ができることもあります。無理せずに付き合える友達ができるようになるんですよね。昔からこんなだったわけではなく、学生時代はクラス替えのたびに春休みいっぱい毎晩号泣してましたから、思えば遠くへ来たものです。自分も上手な付き合い方を少しは覚えてくるし、同じくらい年齢や経験を重ねた人たちも、上手な付き合い方を知っているので、楽になるんです。失敗した落ち込みから立ち直るのも上手になります。

SNS上でのことで少しだけアドバイスすると、いきなり話しかけても「誰?」状態になるので、面白いと思った発言をふぁぼっていくことから始めましょう。フォロワーが大量にいる人や、発言はするけどいちいち反応はチェックしないという人以外だったら、「この人、自分の発言を面白いと思ってくれてるんだな」と気づくと思います。その上で共有できそうな話題があれば、できるだけ丁寧かつ簡潔に話しかけるといいのではないでしょうか。返答をしなければならない疑問形は、知らない人とやりとりをしたくない人にとっては負担になるので、例えばドラマの話題なら「初めまして! ◯◯さんの話題なので思わず話しかけてしまいました。こういう役らしいですね。私も◯◯さん好きなのですごく楽しみです!」程度の軽さがいいのではないかと思われます。

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