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「自分の気持ちを押し殺すことに疑問を持たずに生きてきた」雨宮まみの“穴の底でお待ちしています” 第36回

ココロニプロロ / 2016年6月23日 11時45分

そして、「自分が本当に心から望んでいること」を認識する、っていうことも、案外難しいものなんですよね。私は心から望んだ職業に就いていますが、望んでいるということに気づくまでに7年はかかっています。なぜ気づけたかというと、図々しくなったからです。「自分にはこんな仕事、できるはずない」「自分がクリエイティブな仕事をしたいなんて、おこがましい」という気持ちより、「自分よりヘタクソなライターもいるんだから、私がライターやったっていいだろ」という気持ちが勝ったとき、初めて「なりたい」と思えました。
そして、なった今では幸せか、というと、幸せだと感じるときもあれば、どん底でもう死にたいと思うこともあるし、毎日は、わりとただの日常だったりします。

それでも、私はかぼちゃさんに悔いのない人生を送ってほしいと思います。もう、いい子でいなくていいと思います。誰かの望むかぼちゃさんではなく、自分がこうありたいと望むかぼちゃさんの姿というものを考え、手にしてほしいと思っています。

まさにいま、実感されているでしょうが、「あれをしなかった、これをしなかった」という後悔は、あとから埋めようがないんですよね。「あんなことしなきゃよかった」という後悔も消しようがないですが、いまのかぼちゃさんは、例えるならば「転び方を知らないまま大人になった人」なんです。転び方を知らないまま、違和感をこらえて走り続けてたら急に動けなくなってた、みたいな状態なんだと思います。

自分の気持ちに向き合うと、混乱するし、何が本当の気持ちかわからなかったり、矛盾するいくつもの感情が同時に存在していることに気がついたりもします。どうするか決めて行動を起こしても、まっすぐ前に進んでいる実感を得られなかったり、周囲を落ち込ませたりすることもあるでしょう。でも、かぼちゃさんはこれまで慎重さについて、周囲を傷つけない方法については、学びすぎるほど学んでいます。そのノウハウはものすごく身についているはずです。

それを全部捨てて変わろうとするのではなく、自分の気持ちはこうだとわかったときに、その「穏便にものごとを済ませるテク」を駆使しながら、自分の意志を通そうとしてみてください。転び方を知らないと言っても、転ばずに済むなら転ばずに済んだほうがいいと思うんです。

そして、転んでしまったら、すごく痛くて辛い思いをしたら、それがやっと得られた「自分の意志での経験」なのだと存分に味わってください。

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