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「今度は恋をする役もいいですね」タイの俳優パース・ナクン(29)が目標にする“21歳の共演者”

CREA WEB / 2024年3月1日 11時0分

 オーストラリア出身、タイでの活動を経て日本にやって来たパース・ナクン。日本とタイの仕事の仕方の違いや、将来の夢を率直に語ってくれた。



『パティスリーMON』に出演中のパース・ナクンさん。

――日本のドラマにも出ていらっしゃいますが、タイの……(と質問を言い終わらないうちに、パースさん、興奮気味に答えてくれました)。

パース:『パティスリーMON』、放送中ですよ! めっちゃ面白いですよ! ガチガチ100%、がっかりさせません。恋愛コメディ系が好きな方には、絶対喜んでいただけると思います。役者さんも、スタッフさん、監督さんもみんな優しくて、すごく楽しい現場でした。それと、あんなに美味しそうなケーキがたくさんあるなんて。欲張って、全部食べましたよ。

――スイーツはお好きなんですか?

パース:大好きです。本当に美味しくてめっちゃ食べたので、今はダイエット中です。日本のドラマはすごく楽しくて、ずっと出たいって、インスタの配信でも言っていたら、まさかこんな早くに出演できるなんて……。本当にありがとうございます。

 そして、いつかは主役ができたらいいなと思います。僕が『パティスリーMON』で演じた梅田レオンは恋愛をする役ではないんですが、今度は恋をする役もいいですね。


好きなマンガについて話すパース・ナクンさん。

――日本とタイのドラマの撮影現場で、何か違いは感じますか?

パース:僕の仕事の仕方は変わりませんね。ただタイではドラマの撮影が始まる前に、キャストが結構交流するんです。みんなで一緒に演技のワークショップを受けたりするから、撮影が始まるときにはすでに仲が良くなってるんです。そして撮影が続けば続くほどもっと仲良くなる。

 一方、日本では最初のシーンを撮るときが初対面なので、本当に「初めまして、よろしくお願いします」という感じですね。はじめの2、3日は何を話したらいいのかなと思っていましたが、『パティスリーMON』ではみんなとすごく仲良くなって、とてもいい友達になれたんです。

『町田くんの世界』にも出てみたい

――なるほど。以前もタイのBLドラマに出演されている役者さんたちの来日取材をしましたが、やっぱり皆さんすごく仲が良くて。

パース:うん、そうですね。カップル役だから特別仲が良いということもあるけど、それだけではなくて、みんな交流があって、仲良くなるんです。

――日本では、タイのドラマはBLドラマ、学園ドラマが中心に紹介されていますが、今後、日本ではどんな作品に出演してみたいですか?

パース:ロマンスものも出演したいし、もし好きな漫画の実写版が作られることがあれば、それにも出てみたいです。


パース・ナクンさん。

 でも、好きな作品はもうかなり実写版が作られてしまっているんですよ。『幽☆遊☆白書』も、『ONE PPIECE』も実写版がもうあるし、『鋼の錬金術師』も実写化されているからなあ。僕が出られるのはもう残っていないかも(笑)。

 あ、『町田くんの世界』はどうかな? 僕はもう29歳だし、日本語力ももう少し必要だと思うけれど、結構希望は持っています。22歳の学生役なら、ギリギリいけるんじゃないかと思います。メイクさんのお力があれば(笑)。

――パースさん、まだ学生役も似合いますよ。ハリウッドの実写版を目指す、というのはいかがですか?

パース:そうですか。僕は174センチなので、ハリウッドだと少し身長が低いかもしれないですね。

――大丈夫。トム・クルーズだって170センチくらいですよ。

パース:今はNetflixやApple TVなど、世界に配信している媒体もたくさんあるし、僕ができることも何かあるのでは、という希望もあります。今、29歳の自分が、自分でも一番いい状態だと思っているんです。

本当に優しい子ですよ、僕は(笑)。

――ところで、自分の長所と短所はどんなところだと思いますか?

パース:僕の良いところは多分、本当に優しいところ。自分で言うのはおかしいかもしれないけど。いや本当に優しい子ですよ、僕は(笑)。全然怒らないし、例えばご飯を食べるときに、1人でいる人がいたら、僕は「一緒に食べてもいいですか?」と声をかけますね。僕は人と話すのが好きだし、特に仕事のときは、そんなふうにすると仕事もしやすいのかなと思います。

 短所は、行動が遅いところ。英語だとhesitateというか、慎重っていうのかな。何かしようと思ってから、動き出すまでに、すごく時間かかります。怠け者だからかもしれないし、迷いすぎるからかもしれない。最近わかったんですが、僕はゲームのように、目の前に形があるものをこなすのはすごく得意なんです。でも、ゼロから考えなければいけないことは、とても悩んじゃうんですよ。

 例えばYouTubeで新しいシリーズを作ろうとすると、準備にすごく時間かかるし、悩んでいるうちにやる気の火が消えちゃう。でももう29歳。30歳が目の前だから、行動を起こすことがとても大事。すごくそう思っています。

――そういえばタイのドラマでは、30歳をすぎると俳優は演じる役が減ってしまうので、それに備えてサイドビジネスをする人が多いと聞きました。パースさんが日本で活動しようと思ったのは、俳優としてのキャリアをもっと追求したいから、でしょうか?


パース・ナクンさん。

パース:僕が日本に来たのは日本で仕事をしたかったから、ですが、タイの芸能界は少しそういう部分はあると思います。人にもよりますが、30歳までに人気が出ていないと、そこからブレークするのは、少し難しいかもしれません。日本だとあまり年齢は関係ない気がしますし、ドラマのストーリーにも幅があると思います。韓国ドラマも、30代や40代の恋愛ものが最近多いので、面白いですね。

――では、好きな俳優、目標にしている俳優さんはいますか?

パース:ライアン・ゴズリング。彼みたいになりたいと憧れてるわけじゃなくて、純粋にすばらしい役者だと思っています。世界一じゃないかな。最近なら畑芽育ちゃん。めちゃめちゃ才能があると思います。『パティスリーMON』で共演していてずっと一緒にいましたが、演技がうますぎる! マジでやばい!

 まだ21歳だけど子役から活躍しているから、先輩ですね。とてもセンスがあって、演技力はモンスター級だと思う。それだけじゃなくて本当に人間としても素敵だし、なんでもできちゃう。四字熟語で言うと、変幻自在! 本当に尊敬してます。共演して、僕ももっと頑張ろう、もっとうまくなりたいって思いましたし、変幻自在な役者になりたいって思います。

――最後にパースさんの将来の夢を教えてください。

パース:僕はヒーローものや、戦隊ものが好きなんです。例えば『スター・ウォーズ』のジェダイとか、『ONE PIECE』とか、そういう世界のヒーローになれたらすごく嬉しいですね。ちょっと大きすぎる夢かな? もう少し現実的な夢は、もっと日本のドラマや映画に出たいです。とにかく仕事がもっとしたい! プライベートのロマンスは、今はいらないです(笑)。

PerthNakhun(パース・ナクン)

1994年7月6日オーストラリア生まれ。2014年より、タイでの芸能活動を開始。近年日本でも大流行しているタイBLドラマで活躍し、日本にもファンが多い。幼少期から日本のアニメや漫画を好んだことをきっかけに日本語を学び、母国語である英語に加え、日本語とタイ語を操るトリリンガル。2023年10月「ミュージカル『新テニスの王子様』The Third Stage」に出演。
Instagram @perth_ss
Youtube https://www.youtube.com/c/PerthNakhun
X(旧Twitter)@PerthNakhun
TikTok @pikapert

文=石津文子
撮影=鈴木七絵
ヘアメイク=JHUN TAKAYAMA
スタイリスト=齋藤良介(RYOSUKE SAITO)

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