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一日でも長く愛猫と暮らすために。アニコム『家庭どうぶつ白書』のデータから知る猫のためにできること

CREA WEB / 2024年3月9日 11時0分


一日でも長く愛猫と暮らすために、まずは知ることから始めよう。

 ペットと暮らす人のバイブルと呼ばれるアニコム『家庭どうぶつ白書』。

 ペット保険で知られる「アニコム損保(以下、アニコム)」が、毎年公開している世界最大規模のペット統計データ集で、猫と暮らす人の間でも毎年注目を集めています。

 気になる内容は、猫種ごとになりやすい病気や寿命といった実用的なデータをはじめ、人気の名前ランキングなど、楽しくてためになる情報が満載。

 アニコムで『家庭どうぶつ白書』の制作に携わる広報・兵藤未來さんに、大切な家族の一員である猫のためにできることを伺いました。


猫がかかりやすい病気を知って予防から始めよう

 一日でも長く猫と暮らすために、知っておきたいのが猫の病気。ここでは、『家庭どうぶつ白書』の最新データをもとに、猫がかかりやすい病気について、兵藤さんに教えていただきました。

「猫の疾患(大分類単位)の請求割合」


「アニコム『家庭どうぶつ白書2023』」より。

「猫がかかりやすい病気のひとつに、慢性腎臓病があります。症状として最も多いのは多飲多尿や消化器症状で、食欲不振や吐き気、嘔吐、口腔内潰瘍、胃炎、下痢、血便など多岐にわたります。特に高齢の猫に多く、慢性腎臓病は猫の死因の上位にランクインしているので、日頃から予防を心がけましょう」(兵藤さん)

 ほかにも、体重減少や筋肉量の低下、低体温、活動性の低下、高血圧のような非特異的な症状も見られるため、注意していても感知しにくいため、早期発見を難しくしているという側面も。


外出が苦手、病院はもっと苦手……。

 また、犬と違って、猫は外に連れ出すことが容易ではないので、動物病院に連れて行くのも一苦労、という声も少なくありません。そこで、動物の病気の早期発見の方法のひとつとして注目されているのが「腸内フローラ測定」です。

「人間と同じように、猫や犬も腸内環境を整えることが健康維持につながるとわかってきました。アニコムでは契約者様のペット向けに年1回無料の腸内フローラ測定を行っていて、自宅で採取した動物のウンチを郵送していただくだけで、腸内細菌を調べることができます。

 自宅にいながら検査が受けられる点も、猫にとっては大きなメリットに。加えて、猫がかかりやすい腎不全のなりやすさを判定できるので、予防の観点からも検査をおすすめします」(兵藤さん)

 これなら、病院嫌いの猫ちゃんも安心! 健康診断と併せて活用すれば、病気の早期発見・早期治療に一役買いそうです。

猫種によってかかりやすい病気は違うの?

 猫種によって身体的特徴や性格が異なるように、かかりやすい病気も猫種ごとに異なります。ここでは、人気猫種1位のスコティッシュ・フォールドの特徴について教えていただきました。


アニコムの「人気猫種ランキング」で16年連続1位に輝いたスコティッシュ・フォールド。猫種別のかかりやすい病気を知っておけば、備えることができる。

「スコティッシュ・フォールドがかかりやすい疾患」


「アニコム『家庭どうぶつ白書2023』」より。

「猫には遺伝性の病気というのがあり、主にスコティッシュ・フォールドが発症しやすいのが、骨軟骨異形成症です。これは、軟骨や骨に異常が起きる病気で、成長段階で軟骨の構造に異常が起こることが原因です。症状のレベルはさまざまですが、すべての折れ耳型のスコティッシュ・フォールドが発症している病気です」(兵藤さん)

 上記の表にある「関節炎」や「歩行異常/跛行(はこう)/四肢の痛み」が主な症状とされていて、マンチカンにも多く見られます。遺伝性の病気で、しかも100%発症するとなると、気になるのは予防方法。


関節炎などは、マンチカンも注意したい疾病。

「遺伝性の疾患なので避けて通れないのは事実ですが、早期発見することで悪化を防ぐことができます。猫は痛みを隠す習性があるので、日頃から行動をよく観察して、『歩き方がおかしいな』とか『ジャンプをしなくなったな』とか、ちょっとした異変も見過ごさないことが大切です。

 『関節炎になりやすい』ということを知っていれば、早い段階で病気の発症に気付くことができるので、まずは愛猫の猫種がなりやすい病気を知ることが早期発見の第一歩です」(兵藤さん)

 また、スコティッシュ・フォールドは、比較的運動量が少ない猫種と言われているので、ぽっちゃりになりやすいという傾向も。足腰に負担をかけないためにも、一緒に遊ぶ時間を作って適度な運動を心がけると、コミュニケーションも深まっていいこと尽くしですね。

長寿記録更新中! 猫の平均寿命は何歳?


猫にはストレスなく、いつまでも元気でいてほしいもの。

 一般的に、猫は生まれてから1年(1歳齢)で、人間の20歳程度に達します。そこからは、1年ごとに4歳ずつ年を取る計算で考えると、6歳で人間の40歳、11歳で60歳、16歳になると80歳に相当します。

「猫の平均寿命の推移」


※2008年4月1日~2022年3月31日までに、アニコム損保の保険契約を開始した猫を対象に集計/「アニコム『家庭どうぶつ白書2023』」より。

 アニコムの調査によると、2021年度の猫の平均寿命は14.7歳で、過去最高を記録しました。今や20歳を迎えても元気に過ごしている猫も珍しくなく、アニコムで契約している猫の最高齢はギネス記録に迫る26歳!!

 これは人間の120歳に相当するもので、猫の寿命はまだまだ延びることが期待できそうです。

長寿化で気になる猫の医療費。年間どれぐらいかかるの?

 愛猫が健康で長生きしてくれることが飼い主の願いでもありますが、長寿化で気になるのは、やはり医療費。アニコムによると、猫の年間平均診療費は1歳で40,593円、中高年期に入る7歳で67,419円、平均寿命に近い15歳で181,132円と、高齢になればなるほど医療にお金がかかるというデータが出ています。

「猫の年齢別の年間診療費」


※2021年4月1日~2022年3月31日までの間に、アニコム損保の保険契約を開始した猫(0~15歳)において、各疾患の請求について集計/「アニコム『家庭どうぶつ白書2023』」より。

「人間と同様に、猫も年齢を重ねるにつれて病気になりやすく、年間診療費は1歳ごとに約10%も上昇していきます。家計への影響も少なくないため、十分な治療を受けさせてあげられずに残念な結果を招いてしまったり、最悪、飼育放棄につながるケースも。獣医師の立場からも、正しい衣食住はもちろん、大切な家族として医療もきちんと受けさせてあげて、健やかに暮らせる環境を作っていきたいですね」(兵藤さん)


アニコムの「どうぶつ健康保険証」。写真が入っていて、つい誰かに自慢したくなるかわいさ。

 こうしたペットの高齢化を背景に、アニコムは2019年には8歳以上のシニア専用のペット保険「どうぶつ健保しにあ」の販売を開始。加入時の年齢に上限なく入れる保険は日本初(2019年8月末時点)という画期的なもので、年齢制限で保険をあきらめていた方たちに朗報となりました。

 愛猫が高齢になってきて“やっぱり保険が必要かも”と不安に思っていた方はぜひチェックして、後悔しないためにも万が一に備えましょう。

今こそ考えたい猫と防災。災害時に愛猫を守る方法とは?


普段からリードやハーネス、キャリーケースなどに慣れさせておくことが、いざという時に役立つ。

 近年の日本では、毎年のように全国各地で地震や自然災害が発生しています。その中で、ペットの防災対策も大きな課題に。災害時に愛猫を守るためには、どう備えたらいいのでしょうか?

「今の時代、避難グッズを用意なさっている方も多いと思いますが、人間の分だけでなく、猫に必要な避難グッズが揃っていないと、同行避難が難しくなってしまいます。最低限用意していただきたいのは、1週間分のフードと水。お薬を飲んでいる子なら常用薬も忘れずに。

 アニコムでは、こうした防災用品のリストをまとめた防災手帳もご用意していて、WEBサイトから無料でダウンロードできるので、ぜひチェックしてみてください」


わが子のプロフィールや健康状態を記録できる「アニコム オリジナル防災手帳」。

 この防災手帳には、愛猫の身体の特徴やマイクロチップ装着の有無、既往歴や食事・排泄パターンなどを記入する欄があるので、災害時に同行避難が叶わない場合に預け先に託したり、万が一はぐれてしまった時の捜索などがスムーズに進み安心です。

「猫は外に出る習慣がないので、災害時にパニックになって家を飛び出してしまい、そのまま迷子になってしまうケースが非常に多いんです。アニコムでは、ご契約者様向けに『迷子捜索サービス』を行っていますが、今回の能登半島地震でも、犬の迷子相談件数に対して圧倒的に猫が多く、約80頭にものぼっています(2024年2月末時点)」(兵藤さん)

 また、猫は日頃からリードをする習慣がない子が多いので、一緒に避難しても車中泊を余儀なくされたり、慣れない場所での避難生活は脱走のリスクも高いそう。

「避難所など大勢の人がいる公共の場では、キャリーやケージに入っていてもらうことはもちろんですが、万が一に備えてリードやハーネスの装着が役立つことがあります。普段から脱着のトレーニングをして慣れさせておくと、飼い主さん自身も災害時に落ち着いて対応できるでしょう」(兵藤さん)

 ペットが健康で長生きできることはもちろん、いつか動物と話すことが人生の夢という兵藤さん。

「そう遠くないうちに、犬や猫と会話ができる日が来ると真面目に思っています。そんな幸せな未来に向けて、『家庭どうぶつ白書』が少しでもお役に立てるように、地道にデータを集めて、一人でも多くの人に届けて行きたいです」


お話を伺ったのは…

アニコム ホールディングス株式会社
広報・獣医師 兵藤未來さん

『家庭どうぶつ白書』の編集を10年以上担当。獣医師としての知識を活かし、情報発信や加入者ペットの悩み相談にも対応している。

文=田辺千菊(Choki!)
写真=深野未季、Aflo

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