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受賞者が全員欠席! なのに感涙! 「マガデミー賞2023」主演女優賞は 『海が走るエンドロール』のあの人が!

CREA WEB / 2024年3月15日 20時0分


昨年に続き特別審査員を務めたハナコの菊田竜大さん、秋山寛貴さん、岡部大さん。

 “マンガのキャラクター”を讃えるアワード「マガデミー賞2023」の受賞キャラクター・作品が、2024年3月13日(水)、総合電子書籍ストア「ブックライブ」を運営するBookLiveから発表になり、CREA編集部も授賞式にお邪魔してきました! 大いに盛り上がった当日の様子をレポートします。


「マガデミー賞」は、毎日の勇気や感動、そして豊かさを与えてくれるキャラクターたちを讃えることを目的に2021年に設立されたアワード。BookLiveは、会社や立場の枠を越えて、キャラクターや作品への感謝や敬意、さらなる躍進を応援する文化の醸成を目指し、この「マガデミー賞」を創設したそうです。

 約1カ月間の一般のマンガファンからの推薦をもとに、16名のノミネートキャラクターと5作品を選出。経験豊富でマンガを愛する書店員の皆さんと、特別審査員による厳正なる審査を経て、<主演女優賞>は『海が走るエンドロール』の茅野うみ子、<主演男優賞>は『薫る花は凛と咲く』の紬凛太郎など、全6名と1作品の受賞が決定しました!

 開催3度⽬となる今年度は、マンガのキャラクターだけでなく作品を称える「作品賞」が加わりました。また、特別審査員には、昨年度に引き続きマンガを愛するトリオ芸⼈の「ハナコ」が就任。会場を沸かせてくれました。


今年度の「マガデミー賞」各賞を受賞した全6名と1作品の代理受賞者の皆さんとハナコ。

■「マガデミー賞 2023」受賞キャラクター・作品

主演⼥優賞 茅野うみ⼦『海が⾛るエンドロール』たらちねジョン/秋⽥書店
主演男優賞 紬凛太郎『薫る花は凛と咲く』三⾹⾒サカ/講談社
助演⼥優賞 ⼀条花『アオアシ』⼩林有吾/⼩学館
助演男優賞 ヒンメル『葬送のフリーレン』【原作】⼭⽥鐘⼈、【作画】アベツカサ/⼩学館
審査員特別賞 古賀みつき、⼤沢あや『気になってる⼈が男じゃなかった』新井すみこ/KADOKAWA
作品賞 『スキップとローファー』⾼松美咲/講談社

残念ながら受賞者は全員欠席! しかし熱いコメントが胸に迫る

 このアワード、3回目にしてすでに名物になっているのが、受賞者本人の欠席理由とコメントの発表タイム。これが、その人らしい理由でつい笑ってしまいつつも、コメントがあまりにリアルで熱いため、まるでそのキャラクターが実在するかのような気持ちに……。また、ハナコ皆さんの「白熱した議論を重ねました!」「本当に難しかった!」というコメントからも伝わるように、審査員の皆さんの推薦理由もまた愛に溢れ、思わず胸が熱くなる素晴らしい授賞式でした。


『海が走るエンドロール』©たらちねジョン(秋田書店)2021

 主演女優賞の茅野うみ子は課題の撮影の真っ最中ということで欠席。「茅野うみ⼦です。主演⼥優賞、まさか⾃分が出る側で賞をいただく事になるとは……ありがとうございます。これからもより良いものを撮って、作っていきたいです。応援の程よろしくお願いします」とのコメントが。

 代理で出席した秋⽥書店の⼭本侑⾥さんは、「65歳で映画制作の道に⼊り、希望だけではなくクリエイターとして苦しみ、悩みにも直⾯している。いくつになっても悩むのだと教えてくれることは、私たちが未来を⽣きていくための優しさを教えてくれます」。


左から:honto 電⼦書籍ストアの萩野さん、秋⽥書店の⼭本侑⾥さん、ハナコ。

 審査員のhonto 電⼦書籍ストア 書店員・萩野晶さんは「時代に合ったキャラクター性、多くの⽅に勇気を与えるその姿は主演⼥優賞にふさわしい存在です」と受賞を称え、ハナコの秋⼭さんは「65歳で挑戦しているうみ子の姿を⾒て、⾃分もまだ遅くはない、まだまだ挑戦できると思えるキャラクター。本当に広い世代へ勇気を与えていると思います」とコメントしました。


『葬送のフリーレン』©山田鐘人・アベツカサ/小学館

 また助男優賞のヒンメルはすでに亡くなっているため出席が叶わなかったものの、今回は特別に女神の魔法により、「受賞ありがとう。対価はフリーレンが受けとるさ。千年は保つくらい丈夫な賞を作ってくれ」というコメントを寄せました!

 代理でトロフィーを受け取った⼩学館の本⽥そにあさんは「ヒンメルは⽣前、勇者として様々な⼈に影響を与え、亡くなってからもフリーレンに影響を与え、フリーレンを介して、フリーレンの周りの⽅に影響を与えています。すでに亡くなっていますが、このような賞をいただき、読者にも⼤きな影響を与えている、印象深い、いなくてはいけないキャラクターだと実感しています」


左から:丸善ジュンク堂書店の⼩磯洋さん、⼩学館の本⽥そにあさんとハナコ。

 審査員の丸善ジュンク堂書店 書店員・⼩磯洋さんは「ヒンメルは1話で出てきて、数ページ後には⽼⼈となり亡くなってしまうため、どんな⼈かわからない状態で物語が始まります。フリーレンの回想を通して、ヒンメルがどんな⾏動をとり、どんな思いを持って⾏動したのかを知っていくことになります。彼の⾏動は、フリーレンだけでなく作中の⼈や、我々にも影響を与えています。席を譲ってあげたり落とし物を拾ってあげたりした時に、ヒンメルっぽかったなと思ってしまう。どこに出しても恥ずかしくない、⽴派な勇者」とその影響⼒の⾼さを評価。

 岡部さんは「登場シーンが少ないにも関わらず、フリーレンの⾔動や⾏動、そして、今を⽣きている⼈に⼤きな影響を与えていて、 そこからヒンメルがどういう⼈だったのかがわかる。その影響⼒のすごさが、助演男優賞にふさわしいと思います」とコメントしました。

 全員分を紹介したいくらい、素晴らしいコメントと推薦理由でした。全コメントや惜しくも受賞を逃したノミネート作品は「マガデミー賞2023」特設サイトにて、ぜひ、チェックしてみて下さい。

はじめての作品賞は「スキップとローファー」に!


左から:作者の高松さんの代理でトロフィーを受け取る、講談社「アフタヌーン」編集部の宮崎孝士さんと菊田さん。

 もう一つ、胸に迫ったのが今年度から新設された「作品賞」です。この作品賞は、「登場人物全員を讃えたい」「まだキャラクターの個性が見えていないけど、どうしてもこの作品を推したい」という声に応える形で、新設されたもの。

 CREA編集部一同も大好きな作品ですが、「特定のキャラクターだけを表彰するのではなく、キャラクター同士の関係性が魅力的、作品全体の世界観を賞賛したい」という審査員の思いが一致して決定したという受賞理由を聞き納得。


『スキップとローファー』©⾼松美咲/講談社

『スキップとローファー』は、⽯川県の過疎地から将来官僚になることを⽬指し、⾼校⼊学とともに上京した主⼈公・岩倉美津未を中⼼に繰り広げられる、⾼校⽣の⻘春やさり気ない⼼の機微が描かれる作品。何事も⼀⽣懸命な主⼈公の素直さやポジティブさに触れることで、クラスメイト達もいつの間にか⼼がほぐれたり、⾃分なりに頑張ってみたりと影響を受けていきます。

 作者の⾼松美咲さんからは「このたびは作品賞に選んでいただいてありがとうございます。1月に、能登半島で大震災が起きました。作中出てくる美津未の故郷として登場した風景のほとんどが失われました。被災された方々の穏やかな時間を取り戻すまでには、本当に長い時間を要します。

 これからも『スキップとローファー』を娯楽として気楽に楽しんでいただきたいことに変わりはありませんが、時々、被災地の事を気にかけていただけると嬉しいです。そして、面倒が理由で連絡を先延ばしにしていた親しい人に会いに行って、一緒においしいご飯を食べてください」とコメントが寄せられました。


ブックライブ書店員・すず木さん。

 審査員のブックライブ書店員・すず木さんは「現代はタイパやコスパが重要視されて、間違いを犯すということが避けされがちだと思いますが、この物語は間違えてもいいんだと、周りの人や自分自身を大切にしようと思わせてくれます。今の時代にこそ求めされている作品ではないでしょうか」と訴えました。


推薦理由を熱く語るハナコの菊田さん。

 ハナコの菊田さんは「少女マンガは普段読まないんですけど、ドハマりして。マンガを読んで初めて『うわっ』って声が出たんです。それくらい素晴らしい作品なので、読んでない方は、主人公・みつみちゃんの不思議な魅力にハマっていただきたい」と語りました。

「マガデミー賞」の誕生秘話は――。


特別審査員のハナコと書店員の皆さん。

 今年度も大きな盛り上がりを見せた「マガデミー賞」。本賞がどのようにして生まれたのか、マガデミー賞事務局で統括を務めるBookLiveの堰合さんにお話しを伺いました。

――数あるマンガ賞の中でも、特徴的な「マガデミー賞」ですが、賞が生まれたきっかけや経緯についてお聞かせください。

「2020年に総合電子書籍ストア『ブックライブ』がサービス開始10周年を迎えた際に、これまで出版・マンガ業界を盛り上げてくれたキャラクターたちに、手紙という形で感謝を伝えるメッセージ広告を掲出したところ、大きな反響をいただいたことがありました。

 マンガのキャラクターが私達の心に寄り添ってくれる存在であることを私達が改めて実感したことに加え、近年、”推し活”の高まりに見られるように、マンガのキャラクターから日々の活力をもらっている人がたくさんいることも分かったので、キャラクターへの感謝を伝える機会を定常的に設けることで業界全体を盛り上げていこう、という思いから『キャラクターを讃える賞』として創設しました」


マガデミー賞事務局で統括を務めるBookLiveの堰合さん。

――確かに、年々、マンガ作品のキャラクターの影響力の高まりは感じますよね。賞の回数を重ねることでの変化はありますか?

「回を重ねるごとに、ノミネートや受賞された作品の作家さんや関係者の方から喜びのコメントをいただく機会も増えました。少しずつ認知が広がり、賞に価値を感じていただいているのが伝わってきて嬉しいです」

――運営する上で、難しい点や大変な点はありますか?

「『マガデミー賞』は、まず一般の方々に推薦応募いただき、それをもとにノミネート発表、そこからさらに書店の審査員と特別審査員のハナコさんと一緒に審査会を行い、受賞キャラクターと作品を決定します。

 推薦時にいただいた一般の方々のコメントをX(旧:Twitter)や公式サイトに掲載していますが、皆さんのキャラクターへの愛と熱量が凄まじく、全部チェックするのが大変だったという嬉しい悲鳴も。

 また、書店員をはじめとする審査員も皆さん想いが強く、審査会は毎年(というか年々)白熱しています。私は審査会で進行役を務めていまして、皆さんの熱い思いを汲んでちゃんと審査員全員が納得できる形で受賞者を決定できるか、毎年ハラハラしながら進行しています。

 ですが、熱い議論も審査員のマンガ愛の強さ故ですし、議論の中で毎回新しい着眼点や発見があるので審査会はとても面白いです。審査員の皆さんも、もちろん対象作品を拝読のうえ審査会に参加いただいているので、日々の業務の中で作品をチェックするのは大変だったと思います」


左から:昨年に続き特別審査員を務めたハナコの菊田竜大さん、秋山寛貴さん、岡部大さん。

――BookLiveでは、「年間ランキング」や「電子書籍で読みたいマンガ大賞」など他にも賞も発表されています。「マガデミー賞」は、どのような点が違うとお感じですか?

「大きな違いは『マガデミー賞』はキャラクターを軸にしたアワードであるという点ですが、それ以外だと、『年間ランキング』は、当社が運営する電子書店『ブックライブ』のその年の売上に基づいたもので、『電子書籍で読みたいマンガ大賞』はブックライブ書店員が最も面白いと思った作品に贈る賞であるのに対し、『マガデミー賞』は読者がキャラクターを推薦し、ブックライブ書店員だけでなく他店の書店員さんにも審査に加わっていただき、最終的に受賞を決定するので、『みんなで決める』という側面が強い賞になります」


『薫る花は凛と咲く』©三⾹⾒サカ/講談社

「だからこそ、『マガデミー賞』はその年ごとに支持されるキャラクターの傾向が少しずつ違ってくることに気づきました。例えば主演男優賞だけ見ても、1回目は『これまで自分になかった、新しい気付きを与えてくれる』存在として久能整さん(『ミステリと言う勿れ』)、2回目は『夢に向かってひたむきに努力する姿を讃えたい』として宮本大さん(『BLUE GIANT EXPLORER』)が受賞されましたが、今回は『親しい人との関係を大事にし、他人を思いやる姿を応援したい』と、紬凛太郎さん(『薫る花は凛と咲く』)が受賞されました。

 2023年は、未来よりも『今この場所』に目を配り、まだ見ぬ出会いよりも『身近にあるリアルな人間関係』を大切にしようとするキャラクターが支持されているのだと思います」

――ありがとうございました! 気が早いようですが、次回の開催を楽しみに、また一年たくさんの作品を読み込みたいと思います!

「マガデミー賞2023」特設サイト

https://booklive.jp/magademy-award

文=CREA編集部
撮影=深野未季

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