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〈超上級者向け〉最強の保護猫譲渡会 「シャーシャー猫だけの譲渡会」で 目撃した、猫たちの意外な姿とは?

CREA WEB / 2024年3月20日 11時0分


「集え! 強者たちよ!」。「最強の保護猫譲渡会」のド迫力のチラシです。

 2024年1~2月にSNSで話題になっていた、“シャーシャー猫”だけの譲渡会をご存じでしょうか。

 題して「最強の保護猫譲渡会」。キャッチコピーは「集え! 強者たちよ!」。シャーシャー猫とは、言うまでもなく、人をシャーッと威嚇してくる猫のこと。


シャーッ! シャーッ! 猫の譲渡会でこんなポスタービジュアル、見たことない!

 チラシには、以下のように書いてあります。

「私は猫上級者、私が人馴れさせるから大丈夫!」
「人に慣れていない、その気高さが美しい!」
「どんな猫だってかわいい!」
「人に慣れていく変化を楽しみたい!」
そんな猫好き上級者のための譲渡会です!

 この譲渡会を主催したのは、保護猫活動団体「ねこかつ」さん。埼玉県川越市を中心に、“猫の殺処分ゼロ”を目指して活動している団体です。

 野良猫を町なかで保護したり、保健所、動物愛護センターなどの行政施設から(殺処分される前に)猫たちを引き取ったりして、お世話。この猫たちの飼い主を募集する場として、保護猫カフェを運営し、また各地で譲渡会を開催しています。年間500頭ほどを、希望者とのマッチングの上で譲渡しているそう。

 でもふだんの譲渡会に出てくるのは、基本的に、人に馴れた、いわば選ばれやすい猫たち。

「シャーシャー猫だけの譲渡会」などと銘打った会は、「ねこかつ」さんとしてもまったく初めての試みでした。


猫好き上級者がこんなにたくさん集った! 並ぶケージの中に、シャーシャー猫たちがいます。

冷たい雨の日に集った、猫好きたちの熱気

「猫の日」の翌日、2024年2月23日、譲渡会は正午からの2時間、開催されました。

 会場は練馬区東大泉。西武池袋線の大泉学園駅から徒歩数分の、八百屋さんの上。

 約200平方メートルのきれいなレンタルスタジオです。

 しとしとと冷たい雨の降る寒い日でしたがここは大盛況で、一時入場が制限されるほど!

 みんなどれほどシャーシャーしているのか? いよいよ入場すると……。

 猫たちが1匹ずつ入っているケージがたくさん並んでいます。


猫それぞれの紹介パネルには、「人馴れしていない度」が明記されています!

 会場には参加者がひしめいていて、この時点で、ざっと100人はいたでしょう。

 SNSで話題になっていたからか、テレビクルーも複数来ていました。


人はたくさんいたけれど、皆さんマナーよく猫たちを見ていました。

 しかし、ケージの中の猫たちはみんな静か! 

 ケージ越しにシャーッと威嚇してくるなんていうこともまったくありません。どちらかというと、みんなおとなしい猫に見える!

 さすがに人が多くて、シャーシャー猫たちも緊張しているのか……?


基本的に丸まって、じっと静かにしているシャーシャー猫たち。右の写真の上のケージ、わかりますか? 猫、クッションの下に隠れています……!

意外にまったくシャーシャーしていない

 主催者である「ねこかつ」代表の梅田達也さんにうかがうと、いつもと違う状況では、シャーシャー猫はおとなしくなるそうです。

 みんな、じっと静かに、気配を消しているようでした。

 シャーシャー猫というのは、もとも攻撃的なわけではなくて、とても臆病だからこそ、人に馴れなくて、シャーシャーしがちなのかも……?

「ねこかつ」さんは2013年から10年以上、保護猫の譲渡活動を続けていますが、今回初めて「シャーシャー猫だけ」「最強の保護猫譲渡会」という絶妙なネーミングの会を実施しました。


この日は全然シャーッとしなかった猫たち。シャーシャー猫というのは、人を攻撃する猫というわけではなく、人に馴れていない猫ということでした。

「ねこかつ」代表・梅田さんによると、当日、会場に来ていたのは44匹。

 譲渡の申し込みがあった猫のケージには、「お声がかかりました」の札が付けられます。


里親の申し込みがあると、「お声がかかりました」の札が。シャーシャー猫たち、みんな毛並みがツヤツヤしていました。

 この日、44匹中、18匹の猫に申し込みがあったそうです。

 譲渡の条件は団体ごとにさまざまですが、「ねこかつ」さんで必要なのは、「完全室内飼育( ケージ飼育不可・ 脱走対策含む)/ペット飼育可のおうちであること/同居するご家族全員の賛同があること/生涯愛情と責任をもって家族の一員として迎えてくださること/身分証明書をご提示頂けること」など。

 上のような条件が合って準備が整えば、後日、スタッフが申し込み者の家まで猫を届けてくれます。そこからトライアル(お試し飼い)を2週間ほど、というのがいつものプロセス。

 しかし、なにしろシャーシャー猫です。

「通常のお試し飼いは2週間ですが、今回は人馴れしていない猫たちなので、4週間くらいは必要かもしれません」(「ねこかつ」代表・梅田さん)

 トライアル期間終了後に、再度スタッフが家を訪ねて状況を確認し、問題がなければ、本譲渡となります。

※本譲渡の際には、医療費の一部負担金として、1頭につき35,000円を「ねこかつ」に支払います(一部負担金の内訳:不妊/去勢手術・ワクチン接種・マイクロチップ・ウイルス検査・寄生虫駆除・その他医療処置費用)。

「ねこかつ」さんは、常に250匹ほどの猫を猫カフェの店舗とシェルター、協力家庭で保護しています。猫をよく知る人たちが心を込め、丁寧にお世話していても、どうしても人馴れしない猫たちはいる。

 そんな子たちは、譲渡後、家の環境や飼い主との関係性により、ゆっくり馴れていく場合もあるけれど、やはりずっと馴れない可能性もあるそうです。

 じゃれてもらって一緒に遊びたいとか、一緒に寝てほしいとか、そんな猫好きの甘い夢のレベルを超えて、シャーシャー猫をそのまま受容する覚悟のある猫上級者こそが、「集え! 強者たちよ!」の「強者」というわけです。馴れてくれなくても、その猫のあるがままを、かわいいと思える人たち。

 今回は話題性もあり、大盛況だった「シャーシャー猫だけの譲渡会」。
 でも、「ねこかつ」代表・梅田さんによると、これから頻繁にシャーシャー猫の譲渡会を開く、というわけではないそうです。かなりの上級者向けですからね……!

「ねこかつ」さんの譲渡の条件はいろいろありますが、最後の項目がいちばん大事かもしれません。

「ねこかつにいるときよりも幸せにしていただくこと」

 もちろん、シャーシャー猫ではない、ひとなつっこい猫だって、飼う前に覚悟が必要なのは同じ。どんな状況になっても、愛情と責任をもってさいごまで飼い続ける覚悟です。

 1匹でも多くの猫たちが、生涯を幸福に過ごせますように!

保護猫カフェ ねこかつ

家族を探している猫と出会える保護猫カフェは「川越店」(埼玉県川越市)と「大宮日進店」(埼玉県さいたま市)の2店舗。
また譲渡会を毎週各地で開催している。

https://cafe-nekokatsu.com/

文・撮影=CREA編集部

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