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【名古屋大学】日本人の自閉スペクトラム症患者の遺伝的背景を探索 ~国内初の全ゲノム解析結果を活用し、病態ベースの診断へ~

Digital PR Platform / 2024年12月13日 14時5分




【成果の意義】
 本成果を含むゲノム解析の結果を活用することで、「コミュニケーションの特性」などの症状からASDと診断されていた患者に対して、病態に基づいた遺伝学的診断につながります。病態ベースの診断により、ASDに関するより確かなエビデンスを作り、患者に還元することが期待されます。


 本研究は、日本医療研究開発機構(AMED)脳神経科学統合プログラム(精神・神経疾患メカニズム解明プロジェクト)「統合失調症と自閉スペクトラム症の多階層情報の統合による病態解明」、ゲノム医療実現バイオバンク利活用プログラム(ゲノム医療実現推進プラットフォーム・先端ゲノム研究開発)「精神疾患の個別化医療を実現するためのゲノム・空間オミクス多施設共同研究」「ノンコーディング領域を考慮した大規模ゲノムワイドコピー数変異による精神疾患発症リスク予測モデルの開発」、AMED難治性疾患実用化研究事業「ゲノム不安定性疾患群を中心とした超希少難治性疾患の原因究明・病態理解とマルチオミクス情報を活用した創薬基盤の構築・運営」(ゲノム情報に基づくN-of-1+創薬研究)、日本学術振興会 特別研究員奨励費 23KJ1112, 日本学術振興会 科学研究費助成事業 21K07543, 21H00194、名古屋大学 CIBoG 卓越大学院プログラム(文部科学省補助事業)の支援のもとで行われたものです。






【用語説明】
注1)自閉スペクトラム症(Autism spectrum disorder: ASD):
 社会的コミュニケーションや対人関係の障害、パターン化した興味や活動といった特徴をもつ神経発達症。有病率は約1%と報告され、男女比は4:1で男性に多い。発症に遺伝要因が強く関与することが知られている。
注2)トリオ家系:
 子・両親からなる組のこと。特に両親が健常で子が疾患を有する際の遺伝学的検査で重要である。
注3)全ゲノムシーケンス解析(Whole-Genome Sequencing analysis: WGS):
 次世代シーケンサーを用いた、全ゲノム領域の塩基配列を決定する方法。一塩基バリアント、構造バリアント、短鎖リピート配列といった、さまざまな種類のゲノムバリアントを検出することが可能である。
注4)構造バリアント:
 ゲノム上の50塩基対(bp)以上の欠失、挿入、重複、逆位、転座のこと。注9)のコピー数バリアントは構造バリアントの一部である。
注5)短鎖リピート配列:
 1~6塩基対(bp)の大きさのモチーフを持つDNAの繰り返し配列。
注6)ポリジェニックリスクスコア:
 各個人のもつ遺伝的なリスクをスコア化して、疾患の発症や進展を予測する手法。全ゲノム関連解析(GWAS)の結果から算出される各遺伝的変異のその疾患に対する効果量を、各個人のもつ遺伝子型を重み付けして足し合わせることで求める。

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