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<横浜市立大学> 従業員が困難な目標に直面した場合でも仕事のエンゲージメントを向上できる要因を発見!

Digital PR Platform / 2025年1月28日 14時0分

①目標難易度と仕事のエンゲージメントの関係
 目標難易度が中程度で設定されている場合、従業員の仕事のエンゲージメントが向上することが確認されました。一方で、高すぎる難易度の目標が与えられた場合、従業員の仕事のエンゲージメントは向上しないことが示唆されました。

②心理的資本のモデレート効果
 心理的資本が高い従業員は、難易度の高い目標に直面した場合でも、仕事のエンゲージメントを高い水準で維持できることが示されました(図1, PsyCap=+2SD)。一方で、心理的資本が低い従業員は、難易度の高い目標に直面した場合、仕事のエンゲージメントを維持することが困難であることが示唆されました(図1, PsyCap=-2SD)。また、心理的資本の4つの構成概念それぞれで分析した結果、このようなモデレート効果は「希望(hope)」と「回復力(resilience)」の高い従業員において特に大きいことを発見しました。

③勤続年数の影響
 勤続年数が長い従業員群の場合、目標難易度の仕事のエンゲージメントへの影響はみられなくなりました。

これらの結果は、目標管理において心理的資本の考慮が重要であること、また勤続年数が長い従業員に対しては目標管理以外の手法を検討する必要性を示唆しています。

今後の展開
 本研究を踏まえ、以下のような展開が期待されます。

①心理的資本の開発プログラムの実施と評価
 心理的資本は変化可能な心理的状態であることから、心理的資本の構成要素である自己効力感や回復力を高めるための長期的な介入研究が求められます。

②勤続年数の長い従業員に対する管理方法の開発
 勤続年数の長い従業員群は目標の難易度と仕事のエンゲージメントの関連がみられなくなることを踏まえ、勤続年数の長い従業員に対しては、目標管理以外のインセンティブ設計や、能力を向上させる人材開発の方法を検討することが必要です。

③目標設定や心理的資本を拡張させた研究の展開
 目標設定に関する研究は個人レベルでの目標の影響を中心に扱ってきましたが、組織全体の目標の難易度や設定プロセスに関する研究が必要です。さらに、心理的資本の向上には、仕事面に注目するだけではなく、生活面の自律と調和についても検討が必要であり、今後拡張させる予定です。

研究費
本研究は、JSPS科研費(21H00762)、および横浜市立大学学長裁量事業戦略的研究推進費(No. SK2813)の助成を受けて実施されました。

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