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成人期における先天性心疾患患者の死亡実態が明らかに

Digital PR Platform / 2023年12月21日 14時0分

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-全国的なデータをもとに終末期医療への議論の必要性を示唆-

 横浜市立大学医学部看護学科 成人看護学 落合亮太 准教授、秋山直美 非常勤助手(現 杏林大学 助教)、同附属病院次世代臨床研究センター(Y-NEXT)・循環器内科 仁田学 助教、同大学院データサイエンス研究科 ヘルスデータサイエンス専攻 清水沙友理 講師、金子惇 准教授は、国立循環器病研究センター統計解析室 中井陸運 室長(現 宮崎大学 准教授)、同センター 住田陽子 専門職、福岡市立こども病院循環器科 倉岡彩子 医長、筑波大学循環器内科 石津智子 准教授との共同研究において、全国的な循環器疾患関連データベースであるJROAD-DPC*1のデータを用いて、成人期に達した先天性心疾患(成人先天性心疾患)患者の死亡実態を明らかにしました。疾患が複雑な重症例の場合、死亡年齢の中央値は39歳と若く(図1)、重症例ほど死亡した入院において侵襲的治療(院内心肺蘇生、経皮的心肺補助装置・人工呼吸器装着など)を受ける傾向にある(図2)ことが示されました。全国規模での死亡実態の報告は国内外で希少です。
 本研究成果は、「Circulation Journal」オンライン版に先行公開されました。(日本時間2023年12月9日)

研究成果のポイント
・調査対象期間である2013年度から2017年度にかけて、成人先天性心疾患患者の入院数は倍増してお
 り、死亡数も増加している。
・疾患が複雑で重症な成人先天性心疾患患者は死亡年齢の中央値が39歳と若く、死亡するまでに侵襲的
 な治 療を受け、多くが入院後1ヵ月以上経過してから死亡している。
・成人先天性心疾患患者では、特に疾患が複雑な場合に、一般の(後天的な)心疾患患者と比べて、よ
 り若年で終末期医療について議論する必要性が示唆された。

研究背景
 生まれつきの心臓病である先天性心疾患は、代表的な小児期発症疾患で、国内では年間約1万人の出生が報告されています。近年では、治療成績の向上により患者の9割以上が成人期を迎えるようになり、国内の成人期に達した心臓病の先天性心疾患患者数は50-55万人と推定されています。患者数増加に伴い、死亡例も増加していると考えられてきましたが、これまで全国規模の実態把握はなされていませんでした。

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