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弘前大学農学生命科学部の研究グループが日本ハルマ株式会社との共同研究でりんご搾汁残渣の新たな機能性を発見 ― 認知症予防に有用である可能性

Digital PR Platform / 2024年1月23日 20時5分

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弘前大学(青森県弘前市)農学生命科学部の中島晶教授と前多隼人准教授らの研究グループは、日本ハルマ株式会社(青森県弘前市)との共同研究で、りんご搾汁残渣から開発した食品素材(注1)が認知症モデルマウスにおける記憶障害を改善することを明らかにした。また、この食品素材に含まれるグルコシルセラミド(注2)の種類について解析を行った。本研究成果は、2024年1月6日に国際科学誌『Nutrients』にオンライン掲載された。




【本件のポイント】
・りんご搾汁残渣から開発した食品素材が認知症モデルマウスにおける記憶障害を改善
・りんご搾汁残渣がマウス脳における遺伝子発現に影響
・りんご搾汁残渣の認知症予防における有用性について今後の研究に期待

【本件の概要】
 青森県の特産品であるりんごの搾汁残渣は、そのほとんどが産業廃棄物として堆肥処理されている。一方、りんごの搾汁残渣にはグルコシルセラミドやトリテルペノイドなどの成分が含まれており、疾病の予防や改善に有用な食品素材となる可能性があるものの、記憶障害に対する効果についてはこれまでに研究されていなかった。

 今回、弘前大学農学生命科学部の中島晶教授と前多隼人准教授のグループは、日本ハルマ株式会社との共同研究で、りんご搾汁残渣から開発した食品素材が認知症モデルマウスにおける記憶障害を改善することを明らかにした。また、この食品素材に含まれるグルコシルセラミドの種類について解析した。

 りんご搾汁残渣から開発した食品素材をマウスに経口投与することにより、受動的回避試験(注3)および新奇物体認識試験(注4)において、NMDA受容体遮断薬(注5)であるMK-801により引き起こされた記憶障害が改善(図1および図2)。また、マウス脳における網羅的遺伝子発現解析の結果、この食品素材の投与により、"synapse"(注6) や"neurotransmission" (注7)に関連する遺伝子セットの発現が上昇していた。

 以上の結果より、りんご搾汁残渣から開発した食品素材は脳における遺伝子発現に影響を与え、記憶障害を改善した可能性が示唆される。本成果により、りんご搾汁残渣から開発した食品素材の認知症予防における有用性について、今後の研究が期待される。また、産業廃棄物であるりんご搾汁残渣の新規活用方法の開拓が期待される。

 なお本研究成果は、2024年1月6日に国際科学誌『Nutrients』にオンライン掲載された。

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