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高出力低消費電力駆動のラマン増幅器用励起光源FRL1441Uシリーズの帯域拡張でU帯に対応

Digital PR Platform / 2024年1月26日 11時4分

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~レーザチップ設計の最適化により、シリーズ全体での更なる高出力化にも成功~

● 高出力低消費電力のラマン増幅器用励起光源FRL1441Uシリーズの帯域拡張でU帯に対応し、伝送波長帯域の拡大に貢献
● S帯・C帯・L帯・U帯用のすべての励起光源を本年4月より量産開始
● C帯での35℃動作において1Wファイバ出力を達成し、無効電力削減による低消費電力化に貢献

 古河電気工業株式会社(本社:東京都千代田区大手町2丁目6番4号、代表取締役社長:森平英也)は、高出力低消費電力駆動のラマン増幅器用励起光源FRL1441Uシリーズについて、従来のS帯・C帯・L帯からの帯域拡張として、新たにU帯用途を開発しラインナップを拡充し、本年4月より量産を開始します。また、従来のFRL1441Uシリーズに搭載されるレーザチップ設計の最適化を図り、C帯での35℃動作において1Wファイバ出力を達成し、無効電力削減による更なる低消費電力駆動を可能とする励起光源の開発を行いました。

■背景
 クラウドサービスの普及や生成AIの登場を背景にデータセンタなどで通信トラフィックが増大するなか、通信伝送速度の高速化に伴い、信号受信側のOSNR(注1)の劣化により伝送距離が短尺化し、特に既存の通信システムを活用して高速化する場合、信号光の品質を劣化させずに光出力を増幅するラマン増幅器の役割がより重要となってきます。また、高速伝送により信号の波長幅が拡がるため、大容量伝送を行うためには波長帯域の拡大が必要となり、励起用光源の波長を選択することで任意の信号光源を増幅できるラマン増幅器には高い柔軟性が求められます。一方で、U帯への帯域拡張により、使用される励起光源の数が増加するため、高出力低消費電力駆動であることが一層重要になります。
 当社は、2022年10月にC帯用途での800mW動作を達成し、さらにS帯用途では700mW光源、低消費電力駆動のL帯用途では500mW光源を開発し、FRL1441Uシリーズとして2023年4月よりサンプル出荷を行っています。FRL1441Uシリーズは、S帯・C帯・L帯において既存のラマン増幅器用励起光源と比べて消費電力を37%削減しており、また、デュアルポート光源の開発により従来は2台必要だった励起光源を1台に置き換えることで省スペース化を可能にしました。

■内容
 今回、更なる帯域拡張に対応するため、L帯用の仕様500mW、最大消費電力10Wを踏襲し、より高出力化が課題となるU帯用ラマン増幅器用励起光源(波長範囲1520-1545nm)をFRL1441Uシリーズのラインナップに加え、本年1月よりサンプル出荷し、S帯・C帯・L帯用励起光源とともに4月より量産を開始する予定です。(表)
 また、C帯において、35℃での4A駆動時には従来の当社製品のファイバ出力は800mWでしたが、本製品ではレーザ素子設計の最適化により1Wを達成しました(図1)。本製品は従来のFRL1441Uシリーズと同様に14ピンバタフライパッケージでの製品開発を行い(図2)、これにより無効電力を削減し、更なる低消費電力化に貢献します。また、今回はFRL1441Uシリーズを一層高性能化させるために、チップの構造設計を最適化することでレーザチップの電気抵抗を10%以上低減し、より低消費電力駆動で高出力動作が可能なレーザチップの開発を行いました。この開発には、25年以上培ってきたInP(注2)系光半導体材料を用いた光半導体プロセス技術と高精度のファイバ結合技術に加え、当社独自の低損失・高効率の半導体レーザ素子構造が採用され、また特許取得済みの高効率動作の半導体レーザ素子構造の設計最適化が生かされています。
 本製品は本年1月に米国・サンフランシスコで開催される「Photonics West 2024」において、口頭発表(1月29日)を行います。
Photonics West 2024(英語のみ):https://spie.org/photonics-west/presentation/1W-fiber-output-operation-at-35-degree-C-of-FBG/12867-25

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