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【青山学院大学】レーザー光化学研究室の長澤宏成さんと小川朔弥さんが「弱い水素結合」であるOH/π相互作用の起源にメス ~分子構造を紐解くことで、相互作用の解明に向け前進~

Digital PR Platform / 2024年2月21日 14時5分

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レーザー光化学研究室(理工学部 化学・生命科学科 鈴木正教授)の長澤宏成さん(理工学研究科修了)と小川朔弥さん(理工学研究科理工学専攻化学コース博士前期課程1年)が「弱い水素結合」であるOH/π相互作用の起源について、東京工業大学の藤井正明教授研究室と石内俊一教授研究室と共同で研究を重ね、その共同研究の成果が米国物理学会のオフィシャルジャーナルである"Journal of Chemical Physics"に学術論文として掲載された。




▼論文情報
タイトル:Conformational preference of 2-(4-methoxyphenyl)ethanol studied by supersonic jet spectroscopy: Intramolecular OH/π interaction
著者名:Hironari Nagasawa,Sakuya Ogawa,Wataru Kashihara,Tasuku Isozaki,Keisuke Hirata,Shun-ichi Ishiuchi,Masaaki Fujii,Tadashi Suzuki
雑誌:The Journal of Chemical Physics
DOI:https://doi.org/10.1063/5.0184664


【研究概要】
人間の体内では、無意識のうちに、さまざまな化学反応がおこっている。まるで大きな化学工場のようなものである。タンパク質は身体を構成する大変重要な物質で、タンパク質がかかわる酵素反応は良く知られている。酵素は決まった物質(特定の分子)を取り込んで、反応させる。どんな物質でも良いわけではない。では、どのようにしてその分子を見分けているのだろうか。

そこでは、タンパク質による「分子認識」が重要である。「分子認識」には相互作用という力が働くが、水素結合もそのひとつである。近年、従来の水素結合とは異なる「弱い水素結合」が注目されていて、酵素反応においても重要だという認識が浸透してきた。しかし、その相互作用は弱い力であるため、これまで十分な研究がなされていない。大学院生の長澤さんと小川さんは、この「弱い水素結合」であるOH/π 相互作用の起源を調べた。

鈴木研究室では、「超音速ジェット分光法」(注1)という実験手法を使って、詳細な分子の形(構造)を調べている。ターゲットにした分子骨格は、ベンゼン環とOH基の両方をもつ2-フェニルエタノールである。分子構造を調べたところ、OH基のHがベンゼン環(π電子雲)の方を向いていたことから、OH/π 相互作用があると考えられている。フェニルエタノールのベンゼン環にメトキシ基(CH₃O-)を導入すると、分子全体のかたち(分子構造)がどのように変化するのか、その影響について考察し論文にまとめた(図1)。

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