ブルー・ボンドとオレンジ・ボンド ‐ 債券におけるインパクト投資の最前線
Digital PR Platform / 2024年4月5日 10時0分
加えて、これらの債券は、発行時にあらかじめ定義されたインパクトKPIを開示するため、インパクト投資の特性と整合性が取れています。発行後1年が経過すると、インパクト・レポートとアロケーション・レポートが開示され、KPIに基づき実際のインパクト・パフォーマンスが開示されます。これらの情報により、インパクト投資の測定可能性の要素が満たされ、実現したインパクトを投資家が評価し、SDGsへの貢献度合いを定量的に計算することが可能となります。
追加的付加価値創出に関しては、発行体に対するエンゲージメント活動、あるいは十分なサービスを受けられていない低所得層が恩恵を受ける投資を選択することで実現が可能です。
「ソーシャル」のラベル付き債券は、基準の一部として調達資金の受益者が誰であるかを明確に定めています。例えば、アフォーダブル・ハウジング(安価な住宅施設提供)、エッセンシャル・サービスのサポート、十分なサービスを受けられていない低所得層向けを対象としている等が挙げられます。同時に、発行体へのエンゲージメントを通じてサステナビリティのベストプラクティスを準拠していることを確認し、それらを公表することをサポートすることで、サステナビリティ・リスクの低減が期待できます。
インパクト投資における新たな動き
ICMAが原則やガイダンスを公表している従来のグリーン・ボンド、ソーシャル・ボンド、サステナビリティ・ボンド、サステナビリティ・リンク債に加え、新たな種別が誕生しており、投資家に対して新しい選択肢を提供し始めています。以下では、直近の動きをご紹介します。
ブルー・ボンド
ブルー・ボンドは、ラベル付き債券の仲間に新たに加わった種別であり、調達資金を海洋資源、淡水資源といった水資源関連する持続可能なプロジェクトに対して振り向けることを目的としています。これらの債券は、気候変動に直面する水資源の保護という喫緊の課題に取り組む上で極めて重要な役割を果たしています。世界の水資源の健全性、生産性、そして回復力の維持は、持続可能な開発にとって不可欠であり、特に気候変動、乱獲、汚染がもたらす課題を考慮する必要があります。
水資源の持続可能な開発目標は重要であるにも関わらず、そのような取組みに対する資金配分は引き続き不十分と言えます。東アフリカ沖のインド洋にあるセーシェル共和国が、2018年に世界初のブルー・ボンドの発行を実施し、その後民間企業や国による発行が続きました。
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