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ブルー・ボンドとオレンジ・ボンド ‐ 債券におけるインパクト投資の最前線

Digital PR Platform / 2024年4月5日 10時0分

3. Transparency in the Investment Process & Reporting
発行体は、ジェンダー変革のインパクト創出が適切に測定・管理・拡大されるよう、データ主導に基づくボトムアップでの検証可能なアプローチを取る

現状では、発行体側が、調達資金を用いてオレンジ・ボンドの原則に基づくジェンダーに特化した債券発行を選好するか、あるいは、ジェンダー・ポジティブなプロジェクトへの資金提供を含むソーシャル・ボンドの原則に基づく発行を選好するかは、はっきりとした傾向が出ていません。今後発行体がどちらを選択するかは、発行体の具体的な目的や選好、フレームワークの複雑さや付加価値によって決定されていくと予想します。


グリーン&サステナビリティ・リンク債

2023年、既存のICMAのスタンダードを融合し、「グリーン&サステナビリティ・リンク債(G&SLBs)」と「サステナブル・サステナビリティ・リンク債(S&SLBs)」という新しい債券種別が誕生しました。これらは、資金調達の用途がリングフェンシングされ明確に定義されていることに加え、サステナビリティ・リンク債の特徴である発行体に対するサステナビリティ目標達成度合いに応じてクーポンの支払いが変動するインセンティブが付与されている点が特徴です。

具体的な発行事例として挙げられるのは、2023年にチリのCMPC社が発行した米ドル建てグリーン&サステナビリティ・リンク債(G&SLB)です。同銘柄は、チリの大手紙パルプメーカーであるCMPCが、調達資金を同国の天然資源と土地利用の持続可能な活用に用いるために発行された債券であり、温室効果ガス排出量と工業用水の利用を、主要KPIとして設定しています。

別の事例として挙げられるのは、ブラジルのAEGEA社が同年発行した米ドル建てサステナブル・サステナビリティ・リンク債(S&SLB)です。同銘柄は、ブラジルの大手公益会社である同社が、エネルギー効率化のKPIと同時に、社内のシニア・マネジメントにおける女性登用および黒人登用の積極化をあわせてKPIとして定めている点が特徴的となっています。

上記でご紹介したこのような債券は、インパクト投資を選好する債券投資家ににとってユニークな提案であり、資金使途が明確に定義されている点と、持続可能性に連動したインパクト目標をモニタリングし、インセンティブを与える能力を兼ね備えていると言えます。

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